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No.147 「売上はあるのに利益が出ない」 Trap。原価管理と価格交渉力で、利益率10%超えを目指す。

2026年5月15日
No.147 「売上はあるのに利益が出ない」 Trap。原価管理と価格交渉力で、利益率10%超えを目指す。|エスエスコンサルティング株式会社
No.147

「売上はあるのに利益が出ない」 Trap。原価管理と価格交渉力で、利益率10%超えを目指す。

【Executive Summary】結論と戦略的アクション

【結論】「売上はあるのに利益が出ない」状態は、企業の体力を奪い、いずれ致命傷(資金ショート)を招く恐れがある危険なサイン(Trap)です。必要なのは、売上の拡大ではなく、正確な「原価管理」によるコストの可視化と、自社の価値を正当に評価させる「価格交渉力」の強化です。この両輪を回すことで、利益率10%超えの強靭な財務体質を目指します。

【要点(3つのアプローチ)】
1. 現状の直視: 「売上=利益」という思い込み(Trap)を捨て、売上があっても利益が出ていない現実を数字で直視せよ。
2. 原価の可視化: 商品・サービスごとの「正確な原価」を把握し、どこで利益が漏れているか(目詰まり)を特定せよ。
3. 価値の言語化と交渉: 自社の提供価値を言語化し、単なる値引き競争から脱却して、正当な価格での取引(価格交渉力)を実現せよ。

【次アクション】今すぐ直近1年間の損益計算書を分析し、売上総利益率(粗利率)と営業利益率の推移を確認する。その上で、最も売上が大きい商品・サービスの原価を詳細に再計算してみる。

「売上は順調に伸びているのに、なぜか手元にお金が残らない…」
「忙しいだけで、利益が全く出ていない気がする…」

多くの経営者から寄せられる、切実な悩みです。特に、真面目で現場思いの経営者ほど、お客様のためにと安易な値引きに応じたり、正確な原価を把握せずに受注してしまったりすることで、この「売上至上主義の罠(Trap)」に陥りがちです。

しかし、あえて厳しいことを申し上げます。「売上はあるのに利益が出ない」状態は、企業の体力をじわじわと奪い、いずれ致命傷(資金ショート)を招く恐れがある、非常に危険な状態です。

会社は「ザル」、利益は「水」

中学生にも分かるように例えてみましょう。会社を一つの「ザル」だとします。

売上は、上から注がれる「水」です。利益は、ザルの底に溜まる「水」です。経営者の仕事は、ザルの中にできるだけ多くの水を溜める(利益を残す)ことです。

しかし、正確な原価管理ができていないザルは、底に大きな穴が開いている状態です。いくら上から大量の水を注いでも(売上を上げても)、穴から水が漏れ出し、底には一向に水が溜まりません。それどころか、ザルを大きく(会社を拡大)すれば、穴も大きくなり、さらに多くの水が漏れることになります。前回のNo.146「廃業を選ぶ前に」でも触れましたが、雇用や技術といった大切な資産を失う「3つの喪失」の根本原因も、この「利益の漏れ」にあるケースが多々あります。

正確な「原価」を知らないことの恐怖

「利益が出ない」原因の多くは、正確な原価を把握していないことにあります。

「原材料費と外注費くらいは分かっている」
という経営者は多いですが、人件費、家賃、水道光熱費、減価償却費といった「固定費」を、商品・サービスごとに適切に割り振れているでしょうか(これを「原価計算」と言います)。

正確な原価を知らなければ、いくらで売れば利益が出るのか(採算ライン)が分かりません。結果として、競合他社に合わせた価格設定や、お客様からの値引き要求に盲目的に応じてしまい、売れば売るほど赤字になる「逆ざや」の商品を生み出してしまうのです。これこそが、企業の寿命を縮める致命的な情報の非対称性です。

「値上げ」への恐怖を克服し、「価値」で勝負する

正確な原価を把握した上で、次に取り組むべきは「価格交渉力」の強化です。

「値上げをしたら、お客様が離れていくのではないか」
という恐怖心から、正当な価格を提示できない経営者は非常に多いです。しかし、原材料費や人件費が高騰している今、現状維持は実質的な値下げであり、企業の存続を危うくします。

価格交渉力を高めるためには、単に価格を提示するのではなく、自社の提供価値を言語化し、お客様に伝える必要があります。No.142「外国人材採用広報」で、知名度ではなく「明確な役割」をアピールして人材を惹きつけるのと同様に、価格においても、単なる「安さ」ではなく、品質、納期、アフターサービス、提案力といった「価値」でお客様に選ばれる必要があるのです。

利益率10%超えは、企業防衛の最低ライン

では、具体的にどの程度の利益率を目指すべきでしょうか。私は、営業利益率10%超えを一つの目安とすることをお勧めしています。

「10%なんて、うちの業界では無理だ」
と思われるかもしれません。しかし、利益は、未来への投資(設備投資、人材育成、研究開発)の源泉であり、予期せぬリスク(不況、災害、訴訟など)への備え(企業防衛)でもあります。

利益率い会社は、たった一度のトラブルでダムが決壊するように(「キャッシュが尽きる…」朝4時のSOS)致命的な状況に陥ります。利益率10%超えは、会社を永続させるための、そしてトップのメンタルヘルスを維持するための、最低限の「防衛線」なのです。

まとめ:原価管理と価格交渉力は最強の企業防衛

「売上はあるのに利益が出ない」Trapから脱却するためには、売上の拡大という「看板」を追うのではなく、正確な原価管理と価格交渉力という「仕組み」を構築する必要があります。No.144「任せる技術」で組織化を進めるのと同様に、財務においても属人化を排し、数字に基づいた経営へとシフトすること。

私たちエスエスコンサルティング株式会社は、現場の声を数字に変え、正確な原価管理と価値に基づく価格交渉をサポートすることで、利益率10%超えの強靭な財務体質への改善(企業防衛)を得意としています。

社長、御社のザル、穴が開いていませんか?
正確な原価管理と価格交渉力で、利益率10%超えへ!

「売上はあるのに手元にお金が残らない」「正確な原価計算の仕方が分からない」「値上げ交渉をするのが怖い」。

その悩み、一人で抱え込まないでください。エスエスコンサルティング株式会社では、数多くの企業の財務改善を成功させてきた「経営の財務参謀」が、御社の財務状況を診断し、利益が漏れている根本原因(致命傷の源泉)を特定します。その上で、正確な原価管理の仕組み作りと、価値に基づく価格交渉戦略を共に構築し、利益率10%超えの強靭な企業体質へと導きます。

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執筆:鈴木 進一

エスエスコンサルティング株式会社 代表取締役
建設業・製造業を中心に、累計1,400社以上の財務・経営支援に関わる。正確な原価管理と価値に基づく価格交渉力の強化を通じた「企業防衛体制」の構築を得意とする。現場の声を数字に変え、会社を永続させる「経営の財務参謀」。