借入とリースの違いと使い分け方 8
2025年8月29日
借入とリースの違いと使い分け方|建設業が失敗しない資金調達戦略
エスエスコンサルティング株式会社|財務・資金繰り支援専門
はじめに|同じ「モノを手に入れる」でも中身はまったく違う
建設業において、重機や仮設資材、車両など高額な設備投資は避けて通れません。
このとき、「購入(借入)」と「利用(リース)」のどちらを選ぶかは、資金繰りに大きな影響を与えます。
「金利が安いから借入の方が得」
「固定費になるからリースはやめた方がいい」
こうした表面的な判断は非常に危険です。
本記事では、借入とリースの本質的な違いと、建設業での“使い分け戦略”を実務目線で解説します。
1. 借入とリースの違い|構造と会計処理の視点
項目 | 借入(購入) | リース |
---|---|---|
所有権 | 自社にある | リース会社にある |
初期費用 | 高額(全額支出 or 頭金) | 不要(初月から月額払い) |
支払い方法 | 銀行返済(元本+利息) | 毎月リース料を支払う |
会計処理 | 固定資産+減価償却+借入金 | リース債務+経費計上 |
契約期間中の変更 | 可能(売却・転用など) | 基本不可(途中解約不可) |
2. 借入のメリット・デメリット
◎ メリット
- 長期的に見るとコストが割安
- 所有物として担保に活用できる
- 減価償却により節税効果が得られる
△ デメリット
- 初期支出が大きく、資金繰りを圧迫
- 借入枠を使ってしまい、他の資金調達が制限される
- 市場価格下落や陳腐化による資産価値リスク
3. リースのメリット・デメリット
◎ メリット
- 初期負担なしで導入可能
- 資金繰りが平準化される
- 会計上「経費処理」できるため、決算に与える影響が限定的
△ デメリット
- 途中解約できず、不要資産になるリスク
- 長期的に見ると割高(利息+手数料込み)
- リース債務が格付け評価に影響する場合もある
4. 建設業における“使い分け”の実践例
- 🚧 長期的に使用する車両・建機 → 借入+購入が合理的
- 🛠 短期利用・更新頻度高い測量機器 → リースでリスク軽減
- 🧱 仮設材・足場資材 → 混合型(自社保有+レンタル活用)
「すべて買う」でも「すべてリース」でもなく、現場ごとに費用対効果と使用頻度を見極めることが重要です。
5. 資金繰り表と連動した判断が重要
設備投資は一時的な支出ではなく、今後のキャッシュフローに継続的な影響を与えます。
経営判断の際には、必ず月次資金繰り表や試算表を併用しましょう。
- ✅ 数ヶ月先までの返済計画を可視化
- ✅ 売上見込み・入金サイトと照らし合わせ
- ✅ 借入とリースのシミュレーションを比較
まとめ|所有か利用か、ではなく「利益と資金の両立」が基準
経営判断で最も重要なのは、表面の「安さ」や「ラクさ」ではありません。
借入もリースも適切に使い分けることで、企業の資金力と競争力は両立可能です。
特に建設業のような設備負担の重い業界では、「資金調達=戦略」そのもの。
エスエスコンサルティングでは、数字に基づいた“使い分け”戦略をご支援しています。