売掛金ファクタリング完全ガイド|資金難の突破口とは? 2
2025年8月23日
売掛金ファクタリング完全ガイド|資金難の突破口とは?
エスエスコンサルティング株式会社|中小企業・建設業専門の財務改善コンサルティング
はじめに:売掛金があっても倒産する現実
事業が黒字でも、倒産する企業が後を絶ちません。
その主な原因は「資金繰りの断絶」、つまり売上はあるのに現金がないという状況です。
建設業・製造業・卸業などでは、請求から入金までのタイムラグが1〜3か月に及びます。
一方で、材料費・人件費・外注費などの支払いは“先払い”。
この「ズレ」を解消する手段として注目されているのが、売掛金ファクタリングです。
本記事では、ファクタリングの仕組みから導入の注意点まで、経営に本当に役立つ活用法を解説します。
1. ファクタリングとは?
ファクタリングとは、将来入金される予定の売掛金(請求済未入金)をファクタリング会社に売却し、早期に資金化する仕組みです。
■ 主な特徴
- ・借入ではない(=貸借対照表に負債計上されない)
- ・売掛金を資産から“現金化”する
- ・資金使途は自由、使ったことが取引先にバレない形も可能
2. ファクタリングの種類と仕組み
■ 2社間ファクタリング(秘密裏型)
売掛先に通知せず、ファクタリング会社と申込者(貴社)だけで契約を交わす方式。
取引先に知られずに資金化ができるが、手数料が高くなる傾向があります。
■ 3社間ファクタリング(通知型)
売掛先(取引先)にファクタリング利用を通知し、直接ファクタリング会社に支払いが行われる形式。
信用が得られれば手数料は安く済むが、取引先に知られるデメリットもあります。
■ 買取型と保証型の違い
通常は買取型(ノンリコース)を指します。売掛先が倒産しても貴社が支払う必要がない場合が多いですが、条件は要確認。
3. ファクタリングのメリット
- ✅ 資金繰りのスピード解決(最短即日で資金調達)
- ✅ 借入ではないので信用情報に影響しない
- ✅ 金融機関との取引が難しい企業も利用可能
- ✅ 入金サイトを短縮できるため、現金回収力が向上
特にリスケ中や赤字決算で銀行融資が困難な企業にとっては、有力な選択肢になります。
4. ファクタリングのデメリットとリスク
- ⚠️ 手数料が高い(2社間で10~25%、3社間で3~10%が目安)
- ⚠️ 利用実態が社内外に漏れる可能性
- ⚠️ 売掛債権が確実でない場合は断られることも
- ⚠️ 粗悪業者による詐欺被害・情報漏洩リスク
安易な連続利用は資金繰りをさらに苦しくする恐れがあります。
「その場しのぎ」ではなく、「戦略的なキャッシュフロー設計」の一環として活用すべきです。
5. ファクタリング会社を選ぶポイント
- ✅ 登録・許認可を公開しているか
- ✅ 手数料体系が明確か(事前に契約書を提示するか)
- ✅ 実績や口コミ・評判が確認できるか
- ✅ 買取可能な売掛先の信用条件は?
- ✅ 契約形態・キャンセルポリシーの明示
安すぎる手数料や過度な営業トークには注意。
エスエスコンサルティングでは、実績ある信頼性の高い提携業者のみをご紹介しています。
6. ファクタリング導入ステップ(実務フロー)
- ① 売掛先との契約書・請求書を準備
- ② ファクタリング会社へ見積申請・審査
- ③ 契約書締結(電子契約が主流)
- ④ 売掛債権譲渡通知(3社間の場合)
- ⑤ 資金振込(即日〜2営業日)
売掛先・取引内容の信頼性が高いほど、スムーズに進行します。
7. どんな企業がファクタリングを活用すべきか?
次のような企業にとって、ファクタリングは有効な“突破口”になります:
- ・入金までのサイトが長い業種(建設業・広告業・製造業)
- ・外注・資材・人件費が前払い型
- ・一時的な支払いラッシュ(月末・決算期)
- ・赤字や税金未納で融資が難しい企業
ただし、ファクタリングは“慢性利用”すると逆効果。あくまで「短期的資金対策+中長期の財務改善」がセットで必要です。
まとめ|資金の流れをデザインするために
ファクタリングは単なる資金調達手段ではなく、キャッシュフローを柔軟に再設計するための選択肢です。
単に「お金をつくる」だけでなく、「経営の余裕をつくる」ために、正しく理解し、戦略的に活用しましょう。