建設業が活用できる資金調達手段一覧(2025年版)1
2025年8月22日
【2025年版】建設業が活用できる資金調達手段一覧|経営を支える“現実的な選択肢”とは?
エスエスコンサルティング株式会社|建設業専門の財務コンサルティングファーム
はじめに:なぜ「資金調達の選択肢」を広く持つべきか?
建設業において資金繰りは「黒字倒産」の最大リスク。
粗利率が高くても、売上の入金タイミングと支払サイトのズレ、外注費・資材費の先払いなどにより、キャッシュが尽きるケースは珍しくありません。
だからこそ重要なのが、資金調達の“複線化”です。
「銀行融資だけに頼る」「補助金にだけ期待する」ではなく、平時から多様な手段を把握しておくことで、突発的な支払にも柔軟に対応できます。
本記事では、建設業が活用できる資金調達手段を目的別・性質別に整理し、それぞれの特徴と活用ポイントを解説します。
1. 銀行融資(民間金融機関)
最も基本的かつ王道の資金調達手段。銀行との信頼関係構築が成否を分けます。
■ 手段の種類
- ・運転資金(短期/証書貸付/手形貸付)
- ・設備資金(長期借入)
- ・当座貸越/ビジネスローン
■ メリット
- ・低金利(年0.5〜2.5%程度)
- ・長期で安定資金が確保できる
■ 注意点
- ・融資審査には「決算書の信頼性」と「試算表の正確性」が重視される
- ・リスケ後は新規借入が困難に
2. 政府系金融機関の制度融資
日本政策金融公庫や信用保証協会を通じた制度融資は、中小建設業にとって強力な味方です。
■ 主な制度
- ・日本政策金融公庫「新創業融資」「経営環境変化対応資金」
- ・都道府県の制度融資(保証協会付き融資)
■ 特徴
- ・低利(1%前後)+据置期間あり
- ・創業・事業再生・災害・コロナ対応など特例枠あり
- ・事業計画書の作成が必要(サポートがカギ)
3. 補助金・助成金
返済不要で、キャッシュ負担を減らせる重要な制度。ただし採択率とタイミングが課題。
■ 主な補助金
- ・ものづくり補助金(中小企業向け設備投資支援)
- ・事業再構築補助金(業態転換・新規事業支援)
- ・IT導入補助金(クラウド・DX化支援)
■ 注意点
- ・後払い(精算型)なので資金繰りに余裕が必要
- ・不採択の可能性もあるため“狙い撃ち”戦略が大切
- ・行政書士や認定支援機関との連携が効果的
4. ファクタリング(売掛金早期資金化)
工事請負後の入金待ち期間を短縮し、資金化できる“即効性”のある手段。
■ 種類
- ・2社間ファクタリング(秘密裏)
- ・3社間ファクタリング(通知型)
■ メリット
- ・審査が早く、最短即日資金化が可能
- ・借入ではないのでBS(貸借対照表)に負債が載らない
■ デメリット
- ・手数料が高い(2%~20%)
- ・継続利用は利益圧迫の恐れあり
5. リース・割賦・レンタル
重機や仮設材、IT機器など、設備投資において「購入」ではなく「利用」に焦点を当てた資金負担軽減策。
■ 適用対象
- ・建機、車両、足場、IT機器、建設ソフトなど
■ ポイント
- ・初期投資が抑えられる
- ・分割費用での計上可(キャッシュフロー安定)
- ・リース期間終了後に返却 or 所有権移転型もあり
6. 親族・関係者・協力業者からの借入
信用に基づく非金融型の調達。緊急時の“最後の手段”として有効だが、関係悪化リスクも。
- ・親族貸付、代表者貸付
- ・外注先・協力業者からの“工事前入金”交渉
注意:税務署からの“寄付認定”や“金銭消費貸借契約書”の未作成リスクに注意。
まとめ|資金調達力は「信用」と「情報量」が決め手
建設業の資金繰りは、季節変動・入出金サイトのズレ・材料費高騰などによって、常に緊張感を伴います。
だからこそ、「資金調達力」は経営力そのものといえます。
目の前の銀行交渉だけでなく、「調達手段の棚卸し」をすることが、未来の“選択肢の広さ”を生み出します。
どの手段を、いつ、どう使うか。
それが資金繰り戦略の中核です。
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