足場の資材置き場で最適な場所はどこ?確認すべきポイントも解説
2023年8月29日足場を組むために必要な資材を自社で保管する場合は、資材の保管場所を確保する必要があります。足場の資材置き場では大型車や重機の出入りが激しく、作業時は騒音が発生しやすいため、近隣住民への配慮や資材の搬入出のしやすさなどを考慮して場所を選ぶのがポイントです。本記事では、足場の資材置き場で最適な場所や確認すべきポイントについて解説します。
足場の資材置き場を取り巻く問題
足場の資材置き場を設置する場所を検討する際、まず下記の問題点について把握しておく必要があります。
- 近隣住民からのクレーム
- 重機の出入り
近隣住民からのクレーム
足場の資材は金属でできているので、積み込み・積み下ろし時などに資材同士がぶつかると、大きな音が出て近隣住民からクレームが入るケースがあります。また、作業員同士の話し声やタバコの煙、アイドリング中の排気音などで近隣住民に迷惑をかける可能性もあります。
建設関係の現場仕事は労働時間が不規則で、早朝や深夜などに作業が必要になる場合もあるので、なるべく大きな音が出ないように十分配慮して作業しなければなりません。ただ、配慮していたとしても資材置き場からはある程度大きな音は出てしまいます。そのため、近隣住民に迷惑をかけないような場所に設置するのがポイントです。
重機の出入り
足場の資材置き場では、搭載型トラッククレーンやトラック、移動式クレーンなどの大型車・重機の出入りが多くあります。大型車や重機は走行時の排気音や振動がうるさく、粉塵も舞いやすいです。場所によってはそれが原因で近隣住民とのトラブルに発展するケースもあるので、足場の資材置き場は大型車や重機が頻繁に出入りしても問題がないような場所に設置する必要があります。
道の広さ
足場の資材置き場では、搭載型トラッククレーンやトラック、移動式クレーンなどの大型車が頻繁に出入りします。そのため、土地に面する道路は大型車でもスムーズに通行できるほどの道幅であることが求められるでしょう。道幅の狭い道路では交通の円滑を妨げてしまったり、通行時の騒音や振動で近隣住民に迷惑をかけたりする恐れがあります。また、道幅の狭い道路は歩道がない場合も多く、近隣に住む子どもや歩行者に危険が及ぶリスクも高まります。
足場の資材置き場に市街化調整区域がおすすめな理由
足場の資材置き場は、近隣住民への配慮や作業の効率性を考えると「市街化調整区域」に設置するのがおすすめです。市街化調整区域とは、無秩序な市街地の拡大を防ぐ区域のことで、おすすめの理由としては下記の2点が挙げられます。
- 住宅が近くにない
- 資材置き場は都市計画に該当しない
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
住宅が近くにない
市街化調整区域内では、建物の建築が原則認められていません。建物の建築には厳しい条件をクリアしなければならないため、市街化区域と比べると住宅は圧倒的に少ないです。
住宅が少ない市街化調整区域内に足場の資材置き場を設置すれば、近隣住民に迷惑をかけずに作業を進められます。そのため、足場の資材置き場に最適といえるでしょう。
資材置き場は都市計画に該当しない
市街化調整区域内では、「都市計画法」という法律で住宅・商業施設などの建築物や、コンクリートプラント・ゴルフコースなどの特定工作物の開発が制限されており、開発には事前に許可を得る必要があります。
しかし、足場の資材置き場は、都市計画法における「建築物または特定工作物」に該当しません。市街化調整区域内で足場の資材置き場を設置するために許可を得る必要はないため、手続きも比較的簡単に済ませられるでしょう。
市街化調整区域に資材置き場を設置する際の注意点
市街化調整区域に資材置き場を設置することで近隣住民からクレームを受けにくくなるメリットがある反面、いくつか注意点もあります。
- 農地を活用する場合は農地転用の必要がある
- 開発許可を得ないとプレハブの建築ができない
- インフラが通っているかを確認
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
農地を活用する場合は農地転用の必要がある
農地転用とは、農地を農地以外の方法で利用することです。市街化区域内であれば農地が所在する市町村の農業委員会に届出をするだけで転用が可能ですが、市街化調整区域内の場合は都道府県知事(農地が4ヘクタールを超える場合は農林水産大臣)からの許可が必要になります。
許可を得ず勝手に農地を足場の資材置き場として利用すると、農地法違反で3年以下の懲役または300万円以下(法人の場合は1億円以下)の罰金に処される可能性があるので注意しましょう。農地転用の申請には、下記の書類を提出する必要があります。
- 農地転用の許可申請書(市町村の公式サイトからダウンロード可能)
- 土地の登記事項証明書
- 住民票や戸籍附票(所有者の現住所が登記事項証明書の住所と異なる場合)
- 公図の写し
- 土地の位置を示す地図
- 農地の現況写真
- 事業計画書
- 工事見積書
- 資金計画書
- 必要な資力・信用があることを証明する書類
- 法人の登記事項証明書(法人が申請する場合)
- 法人の定款または寄附行為(法人が申請する場合)
- 委任状(代理人が申請する場合)
農地転用の申請自体には手数料はかかりませんが、申請に必要な書類を揃えるのに手数料がかかります。審査基準については公開されていませんが、農地転用の許可申請書の申請理由の内容が重視されているようです。
そのため、申請時は農地転用が必要な理由を具体的に記載するようにしてください。なお、農地転用の申請をしてから許可が下りるまでは早くても1ヶ月、遅ければ3ヶ月以上かかる場合があります。
開発許可を得ないとプレハブの建築ができない
市街化調整区域内で建築物や特定工作物を建築するには、都市計画法で定める開発許可除外規定に該当する場合を除き、自治体からの開発許可を得る必要があります。
プレハブも都市計画法で「建築物」として定義されており、かつ除外規定にも該当しないため、市街化調整区域内では事前に開発許可を得ないとプレハブの建築はできません。
ただ、市街化調整区域では特別な事情がない限り、開発許可が下りることはほぼありません。そのため、基本的に市街化調整区域ではプレハブの建築ができないと考えておいた方がよいでしょう。もし、開発許可を得ず勝手にプレハブを建築した場合、都市計画法違反で1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があるので注意してください。
インフラが通っているかを確認
市街化調整区域に足場の資材置き場を設置する場合は、水道や電気などのインフラ整備が整っているかどうかも確認しましょう。市街化調整区域は人が住むことを前提としていないため、水道や電気が通っていない可能性が高いです。もし、インフラが整っていない土地で水道や電気を使いたい場合は、自力でインフラを整備する必要があります。
上水道が通っていなければ、市街化調整区域を管理している市町村の水道局に相談することで引き込み工事が行えます。ただし、工事の規模によっては莫大な費用がかかる可能性があるので注意しましょう。
下水道が通っていなければ、浄化槽または汲み取り式の仮設トイレで対応できます。浄化槽を設置する場合は、ろ過した汚水の排出先の確保や役所での手続きが必要です。汲み取り式の仮設トイレを設置する場合は、定期的にバキュームカーでタンクに溜まった汚水を汲み取る必要があります。
また、電気が通っていない場合は近くに電気の引き込みが可能な電柱や電線があるか確認しましょう。電柱が無ければ新設も可能で、費用は基本的に電力会社が負担してくれます。電気の引き込みは電線を建物に直接繋げて引き込む方法が一般的で、引き込み費用は電線の長さやアンペア数などによって変わってきます。
細かい制度の確認を経営コンサルタントに依頼すべき理由
足場の資材置き場を設置する際に必要な手続きや細かい制度の確認は、足場業界に詳しい経営コンサルタントに依頼するのがおすすめです。その理由としては下記の3点が挙げられます。
- 必要な諸手続きを手伝ってもらえる
- 足場以外の経営課題を抽出してもらえる
- トラブルが発生した際に対応してもらえる
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
必要な諸手続きを手伝ってもらえる
基本的に足場の資材置き場の設置のみなら許可を得る必要はありません。しかし、市街化調整区域内の農地を転用したり、プレハブを建築したりする場合は所定の手続きをして許可を得る必要があります。ただ、自力ですべての手続きを行おうとすると書類の用意や作成、申請などに手間や時間がかかります。
また、市街化調整区域内の農地転用やプレハブ建築の審査基準は厳しいので、専門家の力を借りずに審査をクリアするのは非常に困難です。足場業界に詳しい経営コンサルタントに依頼すれば、専門的な知識やスキルを用いて足場の資材置き場の設置に必要な手続きをサポートしてくれます。そのため、通常業務をこなしながらスムーズな手続きが可能になり、審査をクリアできる可能性も高まるでしょう。
足場以外の経営課題を抽出してもらえる
業務の効率化や業績アップを図るためには、まず現状を分析し、どういった経営課題があるのか抽出して情報を整理する必要があります。しかし、社内の目線のみで見つけられる経営課題には限界があるでしょう。
専門知識や実績が豊富な経営コンサルタントなら、自力では見つけられないような経営課題を抽出してくれます。それをもとに課題解決に向けて取り組むことで、さらなる業務の効率化や業績アップが見込めるでしょう。
トラブルが発生した際に対応してもらえる
経営コンサルタントに依頼することで、トラブルが発生した際にも対応してもらえるというメリットもあります。「手続きで必要な書類の書き方が分からない」「農地転用やプレハブ建築の許可が下りなかった」「近隣住民からクレームが入った」など、足場の資材置き場の手続き時や設置後は予期せぬトラブルが発生することもあります。
足場業界に詳しい経営コンサルタントは、足場業界で起こりがちなトラブルへの対処法を熟知しています。トラブルが起きた際にもしっかりとサポートしてくれるので非常に心強い存在になるでしょう。
足場業界へのコンサルティング事例
最後に、経営コンサルタントに依頼することでどういった悩みや課題を解決できるのか、どういったメリットがあるのか、実際のコンサルティング事例をもとに詳しく見ていきましょう。
事例1:A社
- 課題
年商3億円の売上であり、数年間売上が伸び悩んでいた。原因として、社員の離職が挙げられており、「やりがいを感じられない」「将来のキャリアパスが想像できない」といった声が出ていた。離職者を減らし、従業員が定着する環境を作りたい。
- 施策
人事考課制度を展開し、各従業員のどこを評価し、課題は何なのかを見える化した。目的として、各従業員が目的なく業務にあたっている状況を打破し、理想のキャリアパスを歩めるようにすること。
- 結果
各従業員の課題が明確化し、各従業員に目標を立ててもらい、実行してもらうことに成功した。
その結果、各従業員は仕事にやりがいを見出せて、充実した心持ちで業務にあたってもらえている。
施策後、1年が経過しても離職者はでず、売上も1.5億円アップしている。
当初売上を2年で5億円、5年後に10億円を目標があったが達成できそうで、施策に非常に満足してくれている。
事例2:B社
- 課題
仕事があるにもかかわらず、人が足りず採用も上手くいかないため、仕事を増やせない。人手不足を解決するために、採用をしたいがどのように進めて良いかわからない。
従来型の採用方法が、現代の人材に合致しないため、ベストな採用方法を知りたい。
- 施策
SNSを使った採用支援を提案し、現在の採用の課題をヒアリング・分析を行い採用支援を実施。過去の実績をもとに応募文章の提案、ABテストの実施を行い採用の成功を目指した。
- 結果
SNSを使った採用を行ったことにより、計5名の採用に繋がった。採用支援だけではなく、経営会議の支援も行い各社員のモチベーションアップにもつなげた。従来から目的意識が高い職人さんが多かったため、売り上げ向上にも繋がり1年間で年商が4億円から5.5億円に向上した。
事例3:C社
- 課題
資金繰りに困っており、職人の給与の支払いや設備投資等への支払いが難しくなっていた。資金調達を進め、事業拡大を進めたい。融資や投資のほかに、助成金獲得までの道筋も作ってほしい。
- 施策
銀行への資金調達のための事業計画書の支援及び、銀行対応を支援した。助成金の
獲得のための申請補助も実施。目標金額の獲得後、売上拡大のためにロードマップを引いた。
- 結果
銀行からの資金調達に成功し、経営の持ち直しにも繋がった。助成金も受けられたため、資金繰りの悪化の改善に繋げられた。その後、当初は深刻な資金難の状態から、売上右肩上がりの状態にまで回復。固定費削減のために、レンタルではなく自社で資材を保有したい要望に対し、足場の資材置き場を自社で保有できるように支援。場所も大枠決まり、近い未来に自社材を使った工事を実施できる。
足場業界の資材置き場の悩みはエスエスコンサルティングに相談
今回は足場の資材置き場について、適切な場所や起こりうるトラブル、必要な手続きなど確認すべきポイントを解説してきました。
足場の資材置き場の設置場所は、近隣住民への配慮や作業の効率性を考慮すると、市街化調整区域を中心に探すのがおすすめです。ただ、市街化調整区域内で農地を資材置き場として利用したり、資材置き場にプレハブを併設したりする場合は複雑な手続きを踏む必要があります。
通常業務もこなしながら手続き対応をする必要があるため、負担を減らすためにも足場業界に詳しい経営コンサルタントに相談するのがおすすめです。エスエスコンサルティングには、足場業界での豊富な実績があり、資材置き場における課題を解決するノウハウがあります。足場業界の資材置き場でお悩みの方は、ぜひエスエスコンサルティングにご相談ください。