足場業界の今後の展望｜抱える課題と解決の糸口とは
2023年4月28日
足場は建設業界において、必要不可欠な要素です。
建設現場があれば必ず需要があるため、足場業界の将来性は安泰と思えますが、人材不足や経営体制など顕在化した課題だけでも複数あります。
本記事では、足場業界の今後の展望に加えて、想定される課題と解決の糸口について解説します。
足場業界の経営者の方で、先行きが不安という方はぜひ参考にしてみてください。
足場業界の将来性
足場業界は日本に建設業がある限り、需要がなくなることはないため将来性としては良いと考えられます。
住居を建築できる土地が減少していっていることから、高層マンションが増えていくほか、商業施設も継続的にプロジェクトがあります。
一方で、人材不足や業務の危険性とリスク回避について、課題があるため将来的に市場規模が上がった際にネックになる部分といえるでしょう。
以下で、詳しく解説していくのでご参考ください。
建設業界がある限り需要は継続的にある
足場業界は建設業界の仕事がある場合、需要は継続的にあるのでなくならない仕事といえます。
そのため、現職でついている足場業界の従事者は仕事の有無で心配する必要はありませ
ん。
株式会社不動産経済研究所が公表したデータによると、2021年以降の超高層マンションの建設予定は2020年の調査と比較して2.5万戸増加しているデータがあり、今後も建設数は増加するといえるでしょう。
また、リモートワークの増加により地方移住が増加していることから、一軒家の需要増も期待できます。
課題は人材不足
足場業界は慢性的な人材不足といわれ、とび職の高齢化と若手が採用できないという二つの問題が起因しています。
これはとび職だけではなく、建設業界全体で人材のピークといわれる平成11年と比較して令和2年時点で28%減少しています。
とび職は機械により代替が効かない仕事であるため、高齢化に伴う就業人数の減少が痛手となっているようです。
また、職人だけではなく経営者の高齢化も懸念材料としてあり、後継者がいないまま廃業となる可能性も考えられます。
職人だけではなく、後継者不足になることで会社の存続自体が危ぶまれるため、M＆Aや事業承継などを行い会社を任せられる人材や会社探しも必要となってくるでしょう。
足場業界で成功するためにできること
仕事は継続してあるものの、人材不足を解決し会社として成功を収めるためには以下の課題を解決する必要があります。
- 資格取得補助制度の確立
- どんぶり勘定をやめる
- DXを推進して雑務の負担を減らす
- 支払いサイトを見直して資金難を減らす
全ての会社に該当するわけではありませんが、あてはまると感じた課題については解決に向けて動きましょう。
資格取得補助制度の確立
とび職になるには、とび技能士の国家資格が必要ですが、受験費用など複数の資格を同時に取ることを考えると大きな負担になります。
また、全くの未経験で独学で資格取得を目指すと時間がかかってしまう可能性があるため、会社で資格取得のフォローを前面に行うと求職者が増える可能性があります。
加えて、都道府県によって異なりますが受験費用が学科が約3,000円、実技が約16,000円かかるため補填する制度を設けることによって未経験でも若手人材を増やすことができるでしょう。
その他、玉掛け技能教育や足場組て解体作業主任者、鉄骨建て方作業主任者などの資格を取得した人材には手当を出すなども有効な制度です。
どんぶり勘定をやめる
足場業界において、人件費や足場に使う資材、道具など様々な経費がかかります。「このくらいの金額がかかるだろう…」という想定で、なんとなくで会計処理をしていると税制面や支払いのタイミングで痛い目を見る可能性があります。
なんとなくの会計処理をしてしまうと、都合の良いように解釈をしてしまい、支払うべき経費を見落としてしまう可能性もあるので注意しなければいけません。
万が一、経理が横領をしていたとしても、気付かない懸念もあります。
そのため、必ず帳簿をつけ経費は領収書管理を含めて正確におこないましょう。
DXを推進して雑務の負担を減らす
DXを推進することによって、経理や顧客管理などの業務が一元管理できるようになるので、業務効率化が進みます。
「昔からうちは紙だから」ではなく、思い切って会計や顧客管理をPC上で行えるように舵を取ることも必要です。
各ツールを提供する会社は、導入支援も行っているので一から勉強する必要はないため、安心できます。
会計ソフトや顧客管理ソフト、MAツールなど経営者が助かるツールは多くあるので検討しましょう。
支払いサイトを見直して資金難を減らす
売上高がないのに、毎月現金がギリギリや赤字になってしまうという会社は支払いサイトを見直す必要があります。
例えば、3月に働いたのにクライアントの都合で報酬を支払ってもらえるのが3カ月後の場合、それまで会社の貯金を切り崩し人件費を支払わなければいけません。
会社にお金があるから良いというわけではなく、クライアントには分割で支払いが難しいかなど交渉をしましょう。
支払いサイトが大幅にずれ込んだクライアントが多い場合、資金がショートしてしまう可能性があります。
無理な支払いサイトを提示するクライアントに対しては、毅然とした態度で交渉をしましょう。
自社のみの経営立て直しが難しい場合
会社を運営していき、足場業界で生き残っていくのが難しいと思った場合、融資や投資を募るほか、外部人材・企業を活用することもひとつの手です。
自社のみで、対応が難しい場合に検討したい手段を以下の通り紹介します。
- 融資や投資で資金を集める
- M&Aで大手の参加になる
- 経営コンサルタントに相談する
融資や投資で資金を集める
資金繰りが難しい場合、融資や投資を募り資金を集めてみましょう。
融資については、取引のある銀行にまず相談して現状を相談、必要な資金の内訳などを相談して融資の可否を決定してもらいます。
場合によっては、希望額に満たない可能性があるため、サブバンクとの取引もしておいた方がよいでしょう。
理由としては、サブバンクと取引をしていれば、メインバンクで融資を受けられなくてもサブバンクで可能なケースもあるためです。
投資については、自社が投資先として問題がないか投資家に判断してもらい、自社の株式を買ってもらうことで投資金額を受け取るという内容です。
会社の将来性、過去の実績などを加味して投資をしてもらうため、過去の資料および事業計画書なども必要です（融資も同様に必要なケースが多い）。
自社事業として、突出したポイントがないと投資を受けられない可能性があるため、自社の強みや独自性についての理解をしておきましょう。
M&Aで株式売却を行い大手の傘下になる
M＆Aにより、会社の株式を売却して大手企業の傘下になることで、経営の立て直しが可能です。
経営能力を含めて、自社では対応が難しいと判断した場合、資金力と経営力のある会社の傘下になるのも有効な手段です。
売却については2種類あり、全ての株式をすべて売却する完全子会社化と、一部株式売却（株式50%以上）する子会社化があります。
完全子会社の場合、一時的に大きな資金は手に入りますが、経営方針含めて親会社の指示が絶対になるため注意しながら決定しましょう。
経営コンサルタントに相談する
経営コンサルタントに相談することで、会社経営を立て直す方法です。
会社として、経営が立ち行かない理由はひとつではなく、様々な要素が絡み合っている可能性があります。
資金が足りない場合、なぜ資金が足りないのかを含めて検証する必要があり、社内の人材だけでは灯台下暗しで見つからない可能性があります。
このような状態を解決してくれるのが経営コンサルタントであり、顕在化している課題だけではなく潜在課題も抽出し解決に導いてくれる可能性があるのです。
また、営業先の開拓なども手伝ってもらえる可能性があるため、まずは経営コンサルタントに相談してみて難しい場合に次の手を考えるのも良いかもしれません。
足場業界の需要は続くが、人材不足や資金難で難航したら悩まずに外部に頼る
足場業界の将来性は、建設業界で仕事があり続ける限り安泰といえるでしょう。
高層マンションや地方移住の需要から、仕事も継続的に受注できることも予想されます。
しかし、人材不足や会計処理不備、非効率業務が是正できていないなど考えられる課題は山積みです。
気が付かないうちに、資金がショートしてしまう可能性や一気に人材が離脱してしまう可能性があるため、取り返しのつかない状況になる前に外部に頼りましょう。
エスエスコンサルティングでは、建設業界に豊富な実績をもっているため、顕在化した課題から気が付かない潜在課題まで解決につなげます。
銀行との打ち合わせにも同行し、円滑に打ち合わせが進むようにご支援も可能なので、ご相談ください。
足場は建設業界において、必要不可欠な要素です。
建設現場があれば必ず需要があるため、足場業界の将来性は安泰と思えますが、人材不足や経営体制など顕在化した課題だけでも複数あります。
本記事では、足場業界の今後の展望に加えて、想定される課題と解決の糸口について解説します。
足場業界の経営者の方で、先行きが不安という方はぜひ参考にしてみてください。
足場業界の将来性
足場業界は日本に建設業がある限り、需要がなくなることはないため将来性としては良いと考えられます。
住居を建築できる土地が減少していっていることから、高層マンションが増えていくほか、商業施設も継続的にプロジェクトがあります。
一方で、人材不足や業務の危険性とリスク回避について、課題があるため将来的に市場規模が上がった際にネックになる部分といえるでしょう。
以下で、詳しく解説していくのでご参考ください。
建設業界がある限り需要は継続的にある
足場業界は建設業界の仕事がある場合、需要は継続的にあるのでなくならない仕事といえます。
そのため、現職でついている足場業界の従事者は仕事の有無で心配する必要はありませ
ん。
株式会社不動産経済研究所が公表したデータによると、2021年以降の超高層マンションの建設予定は2020年の調査と比較して2.5万戸増加しているデータがあり、今後も建設数は増加するといえるでしょう。
また、リモートワークの増加により地方移住が増加していることから、一軒家の需要増も期待できます。
課題は人材不足
足場業界は慢性的な人材不足といわれ、とび職の高齢化と若手が採用できないという二つの問題が起因しています。
これはとび職だけではなく、建設業界全体で人材のピークといわれる平成11年と比較して令和2年時点で28%減少しています。
とび職は機械により代替が効かない仕事であるため、高齢化に伴う就業人数の減少が痛手となっているようです。
また、職人だけではなく経営者の高齢化も懸念材料としてあり、後継者がいないまま廃業となる可能性も考えられます。
職人だけではなく、後継者不足になることで会社の存続自体が危ぶまれるため、M＆Aや事業承継などを行い会社を任せられる人材や会社探しも必要となってくるでしょう。
足場業界で成功するためにできること
仕事は継続してあるものの、人材不足を解決し会社として成功を収めるためには以下の課題を解決する必要があります。
- 資格取得補助制度の確立
- どんぶり勘定をやめる
- DXを推進して雑務の負担を減らす
- 支払いサイトを見直して資金難を減らす
全ての会社に該当するわけではありませんが、あてはまると感じた課題については解決に向けて動きましょう。
資格取得補助制度の確立
とび職になるには、とび技能士の国家資格が必要ですが、受験費用など複数の資格を同時に取ることを考えると大きな負担になります。
また、全くの未経験で独学で資格取得を目指すと時間がかかってしまう可能性があるため、会社で資格取得のフォローを前面に行うと求職者が増える可能性があります。
加えて、都道府県によって異なりますが受験費用が学科が約3,000円、実技が約16,000円かかるため補填する制度を設けることによって未経験でも若手人材を増やすことができるでしょう。
その他、玉掛け技能教育や足場組て解体作業主任者、鉄骨建て方作業主任者などの資格を取得した人材には手当を出すなども有効な制度です。
どんぶり勘定をやめる
足場業界において、人件費や足場に使う資材、道具など様々な経費がかかります。「このくらいの金額がかかるだろう…」という想定で、なんとなくで会計処理をしていると税制面や支払いのタイミングで痛い目を見る可能性があります。
なんとなくの会計処理をしてしまうと、都合の良いように解釈をしてしまい、支払うべき経費を見落としてしまう可能性もあるので注意しなければいけません。
万が一、経理が横領をしていたとしても、気付かない懸念もあります。
そのため、必ず帳簿をつけ経費は領収書管理を含めて正確におこないましょう。
DXを推進して雑務の負担を減らす
DXを推進することによって、経理や顧客管理などの業務が一元管理できるようになるので、業務効率化が進みます。
「昔からうちは紙だから」ではなく、思い切って会計や顧客管理をPC上で行えるように舵を取ることも必要です。
各ツールを提供する会社は、導入支援も行っているので一から勉強する必要はないため、安心できます。
会計ソフトや顧客管理ソフト、MAツールなど経営者が助かるツールは多くあるので検討しましょう。
支払いサイトを見直して資金難を減らす
売上高がないのに、毎月現金がギリギリや赤字になってしまうという会社は支払いサイトを見直す必要があります。
例えば、3月に働いたのにクライアントの都合で報酬を支払ってもらえるのが3カ月後の場合、それまで会社の貯金を切り崩し人件費を支払わなければいけません。
会社にお金があるから良いというわけではなく、クライアントには分割で支払いが難しいかなど交渉をしましょう。
支払いサイトが大幅にずれ込んだクライアントが多い場合、資金がショートしてしまう可能性があります。
無理な支払いサイトを提示するクライアントに対しては、毅然とした態度で交渉をしましょう。
自社のみの経営立て直しが難しい場合
会社を運営していき、足場業界で生き残っていくのが難しいと思った場合、融資や投資を募るほか、外部人材・企業を活用することもひとつの手です。
自社のみで、対応が難しい場合に検討したい手段を以下の通り紹介します。
- 融資や投資で資金を集める
- M&Aで大手の参加になる
- 経営コンサルタントに相談する
融資や投資で資金を集める
資金繰りが難しい場合、融資や投資を募り資金を集めてみましょう。
融資については、取引のある銀行にまず相談して現状を相談、必要な資金の内訳などを相談して融資の可否を決定してもらいます。
場合によっては、希望額に満たない可能性があるため、サブバンクとの取引もしておいた方がよいでしょう。
理由としては、サブバンクと取引をしていれば、メインバンクで融資を受けられなくてもサブバンクで可能なケースもあるためです。
投資については、自社が投資先として問題がないか投資家に判断してもらい、自社の株式を買ってもらうことで投資金額を受け取るという内容です。
会社の将来性、過去の実績などを加味して投資をしてもらうため、過去の資料および事業計画書なども必要です（融資も同様に必要なケースが多い）。
自社事業として、突出したポイントがないと投資を受けられない可能性があるため、自社の強みや独自性についての理解をしておきましょう。
M&Aで株式売却を行い大手の傘下になる
M＆Aにより、会社の株式を売却して大手企業の傘下になることで、経営の立て直しが可能です。
経営能力を含めて、自社では対応が難しいと判断した場合、資金力と経営力のある会社の傘下になるのも有効な手段です。
売却については2種類あり、全ての株式をすべて売却する完全子会社化と、一部株式売却（株式50%以上）する子会社化があります。
完全子会社の場合、一時的に大きな資金は手に入りますが、経営方針含めて親会社の指示が絶対になるため注意しながら決定しましょう。
経営コンサルタントに相談する
経営コンサルタントに相談することで、会社経営を立て直す方法です。
会社として、経営が立ち行かない理由はひとつではなく、様々な要素が絡み合っている可能性があります。
資金が足りない場合、なぜ資金が足りないのかを含めて検証する必要があり、社内の人材だけでは灯台下暗しで見つからない可能性があります。
このような状態を解決してくれるのが経営コンサルタントであり、顕在化している課題だけではなく潜在課題も抽出し解決に導いてくれる可能性があるのです。
また、営業先の開拓なども手伝ってもらえる可能性があるため、まずは経営コンサルタントに相談してみて難しい場合に次の手を考えるのも良いかもしれません。
足場業界の需要は続くが、人材不足や資金難で難航したら悩まずに外部に頼る
足場業界の将来性は、建設業界で仕事があり続ける限り安泰といえるでしょう。
高層マンションや地方移住の需要から、仕事も継続的に受注できることも予想されます。
しかし、人材不足や会計処理不備、非効率業務が是正できていないなど考えられる課題は山積みです。
気が付かないうちに、資金がショートしてしまう可能性や一気に人材が離脱してしまう可能性があるため、取り返しのつかない状況になる前に外部に頼りましょう。
エスエスコンサルティングでは、建設業界に豊富な実績をもっているため、顕在化した課題から気が付かない潜在課題まで解決につなげます。
銀行との打ち合わせにも同行し、円滑に打ち合わせが進むようにご支援も可能なので、ご相談ください。
