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No.74 仕事は「待つ」な、「取りに行け」。元請けの言いなりを卒業し、対等なパートナーになるための「提案型営業」

2025年12月21日

No.74 仕事は「待つ」な、「取りに行け」。元請けの言いなりを卒業し、対等なパートナーになるための「提案型営業」

「今日も元請けからの電話を待って一日が終わった」
「『他に安い業者がいるから』と言われて、また仕事が逃げた」

多くの下請け建設会社が、「仕事は元請けから降ってくるもの」という固定観念に縛られています。
「真面目に良い仕事をしていれば、必ず見ていてくれるはずだ」と。

はっきり言います。その考えは、昭和で終わりにしてまう。
令和の建設業界で「待ちの姿勢」でいることは、座して死を待つのと同じです。

元請けの監督は忙殺されており、いちいち「良い下請け」を記憶していません。彼らが求めているのは、ただの作業員ではなく、現場の課題を解決してくれる「パートナー」です。

今回は、下請け根性が染み付いた会社が、元請けと対等な関係を築き、安定した受注を勝ち取るための「提案型営業」について解説します。

なぜ「御用聞き営業」ではジリ貧になるのか

多くの社長がやっている営業は、いわゆる「御用聞き」です。

「何か仕事ありませんか?」
「安くしますから使ってください」

これは営業ではなく、「安売りへの招待状」を配っているようなものです。
元請けからすれば、「都合のいい調整弁」に過ぎません。景気が悪くなれば真っ先に切られ、無理な短納期やコストダウンを押し付けられるのがオチです。

「提案型営業」とは、元請けの“困りごと”を先回りして解決すること

では、「提案型営業」とは何か。
それは、難しいプレゼンをすることではありません。現場監督が抱えている「面倒くさいこと」「困っていること」を察知し、解決策を提示してあげることです。

例えば、監督が「この納まり、図面だと厳しいな…」と頭を抱えていたとします。
普通の職人は「図面通りにやれと言うならやりますが、責任は持ちませんよ」と言います。

しかし、提案できる会社は違います。
「監督、この納まりだと雨仕舞いが不安ですね。材料費は少し上がりますが、このB工法なら工期も短縮できて、将来の漏水リスクも激減します。どうですか?」

これが提案です。
ただ言われたことをやるのではなく、専門家としての知見を活かして、元請けにメリット(品質向上、工期短縮、リスク回避)を提供するのです。

今日からできる「提案営業」3つのステップ

「うちは口下手だから…」と尻込みする必要はありません。やることはシンプルです。

  1. 聞く(ヒアリング):
    「何か仕事は?」ではなく、「今、現場で一番困っていることは何ですか?」「人手が足りない工種はどこですか?」と、相手の悩みを引き出します。
  2. 選択肢を示す(提案):
    悩みを聞いたら、「それなら、うちでこういうことができます」と、松・竹・梅のような複数の選択肢(工法、材料、予算)を提示します。元請けに「選ばせる」ことが重要です。
  3. 証拠を見せる(エビデンス):
    口だけではなく、「過去にこの工法で施工した現場の写真」や「工期短縮のシミュレーション資料」などを見せ、安心感を与えます。

まとめ:「下請け」から「不可欠なパートナー」へ

提案型営業を続けると、元請けからの評価は劇的に変わります。
「あそこに頼めば、面倒な現場もなんとかしてくれる」という信頼が生まれれば、多少単価が高くても指名されるようになります。

仕事は待つものではありません。自らの知恵と技術で、取りに行くものです。
今日から「御用聞き」を卒業し、対等なパートナーへの道を歩み始めましょう。


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