No.132 【共感】優秀な現場監督を管理職に上げたら、現場力も管理能力も中途半端になってしまった。【解決策】プレイヤーのスキルとマネジメントのスキルは別物。名ばかり管理職を量産せず、段階的に「人を動かす力」を教育する仕組み。
2026年3月25日
優秀な現場監督を管理職にして失敗?「名ばかり管理職」を防ぐ、段階的なマネジメント教育の仕組み。

「あいつは現場ではエースだった。だから課長に引き上げたのに、今は現場のフォローばかりで部下が全く育っていない…」
多くの会社で起きている悲劇です。業績の良いプレイヤーをそのまま管理職(マネージャー)に昇進させ、結果として「優秀なプレイヤー」と「機能するチーム」の両方を失ってしまう現象です。
結論から申し上げます。「プレイヤーのスキル」と「マネジメントのスキル」は、まったくの別物です。
野球で例えるなら、剛速球を投げるエースピッチャーが、そのまま優秀な監督になれるとは限らないのと同じです。この違いを理解せずに肩書きだけを与えても、会社を停滞させる「名ばかり管理職」を生み出すだけです。今回は、エースを真のリーダーへと育てるための具体的な仕組みについてお話しします。
第1章:なぜエースは管理職でつまずくのか?
優秀な現場監督や営業マンほど、管理職になった途端に壁にぶつかります。その根拠は、彼らの「成功体験」そのものが、マネジメントの邪魔をするからです。
プレイヤー時代の彼らは、「自分自身の力」で問題を解決し、成果を出してきました。仕事が遅い部下を見ると、つい「自分がやったほうが早いし確実だ」と仕事を取り上げてしまいます。これを「プレイヤー思考」と呼びます。
| プレイヤーの思考 | マネージャーの思考 | |
|---|---|---|
| 目的 | 「自分」が成果を出すこと | 「チーム」で成果を出すこと |
| 手段 | 自分の専門スキルを磨く | 部下の強みを引き出し、動かす |
| 時間の使い方 | 目の前の実務に集中する | 仕組み作り、教育、計画に使う |
プレイヤー思考が抜けない管理職は、常に自分が現場の最前線に立ち続け、結果として業務過多でパンクします。一方で部下は「どうせ課長がやってくれる」と指示待ちになり、一向に育ちません。これが、現場力も管理能力も中途半端になってしまう最大の理由です。
第2章:段階的に「人を動かす力」を育てる3つの行動案
エースを潰さないためには、いきなり「明日から課長ね」と丸投げするのではなく、段階的にマネジメントを学ばせる仕組みが必要です。
1. プレ・マネジメント期間(助走期間)を設ける
正式に管理職に就ける前に、半年〜1年程度の「リーダー期間」を設けてください。この期間は、自分の実務を持ちながら、後輩1〜2名の指導だけを担当させます。「人に教えることの難しさ」と「他人の成果で喜ぶ経験」を小さく積ませることで、マネージャーへの心理的な移行を促します。
2. 評価基準を「個人の成績」から「チームの育成」に変える
管理職になったのに、個人の売上や現場の処理件数ばかりを評価していては、彼らはいつまでもプレイヤーのままです。「部下を何人独り立ちさせたか」「チーム全体の利益率をどう改善したか」という、マネジメントとしての評価基準を明確に設定し、経営陣がそれだけを評価する姿勢を示してください。
3. 外部の力を使った「マネジメント教育」を導入する
「背中を見て学べ」は通用しません。人を動かすためのコミュニケーション術、目標設定の方法、コーチングの手法などは、専門的なスキルです。社内に教えられる人間がいないのであれば、外部の研修や専門家のサポートを導入し、「マネジメントという新しい職種」の基本を学ばせる投資が不可欠です。
まとめ:経営者の仕事は「環境」を整えること
優秀な社員を管理職に引き上げることは、会社にとって大きな成長のチャンスです。しかし、名プレイヤーを名監督に変えるには、会社側の「育てる覚悟」が必要です。
肩書きだけを与えて放置するのではなく、彼らがマネージャーとして羽ばたける評価基準と教育の仕組みを整えること。それが、真に強い組織を作るための経営者の重要な仕事なのです。
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執筆:鈴木 進一
エスエスコンサルティング株式会社 代表取締役
建設業・製造業を中心に、累計1,400社以上の財務・経営支援に関わる。
「現場の悲鳴」を「経営の力」に変えるバックオフィス改革を支援。
建設業のM&A、事業承継、DX推進の専門家。単なるツール導入ではなく、利益を生み出す強い財務体質へと変革する「建設の財務参謀」。