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No.119 儲からない事業に、いつまでしがみつくのか? 成長のために「やめる勇気」を持ち、リソースを集中させる「戦略的撤退」のすすめ。

2026年2月11日
儲からない事業に、いつまでしがみつくのか? 成長のために「やめる勇気」を持ち、リソースを集中させる「戦略的撤退」のすすめ。 | 建設の参謀
No.119

儲からない事業に、いつまでしがみつくのか? 成長のために「やめる勇気」を持ち、リソースを集中させる「戦略的撤退」のすすめ。

「現場は毎日忙しい。社員も汗水垂らして働いている。なのに、決算書を見るとなぜか利益が残っていない…」

もしあなたが今、このような状況に頭を抱えているなら、それは会社からの危険信号です。あなたの会社の成長を阻んでいる最大の要因は、競合他社の存在でも、建設不況でもなく、あなた自身が手放せずにいる「儲からない事業」かもしれません。

多くの経営者は、新しいことを「始める」ことには熱心ですが、一度始めたことを「やめる」ことには非常に臆病です。しかし、ヒト・モノ・カネ・時間という経営資源が限られている中小建設企業にとって、赤字を垂れ流す事業にリソースを割き続けることは、緩やかな自殺行為に等しいのです。

今回は、感情論を排し、会社の未来のために「やめる」という痛みを伴う決断を下す、「戦略的撤退」の重要性について、CFO(最高財務責任者)の視点からお話しします。

なぜ、儲からないと分かっていて「やめられない」のか?

長年付き合いのある元請けからの利益の薄い仕事、特定の工種で赤字が続いている部門、遠方で経費ばかりかかる現場…。頭では「やめたほうがいい」と分かっていても、なかなか決断できないのには、経営者特有の心理的な理由があります。

1. サンクコスト(埋没費用)の呪縛

「この事業を始めるのに、どれだけ投資したと思っているんだ」「これまで育ててきた技術やノウハウがもったいない」。過去に費やしたお金や時間、労力への執着が、冷静な判断を狂わせます。しかし、財務の視点で見れば、過去のコストはどうあがいても戻ってきません。重要なのは「これから利益を生むか」の一点のみです。

2. 既存顧客や社員への「情」と「しがらみ」

「先代からお世話になっている元請けさんだから断れない」「この事業をやめたら、担当しているベテラン職人の居場所がなくなってしまう」。経営者としての責任感や義理人情が、撤退の足かせになります。しかし、情に流されて会社全体が傾いてしまえば、結局は誰も守れなくなるのです。

「戦略的撤退」を成功させる3つのステップ

撤退は「敗北」ではありません。次の成長ステージへ進むための、前向きな「戦略的配置転換」です。感情に流されず、以下のステップで冷静に進めましょう。

ステップ1:事業・現場ごとの採算性を「見える化」する

まずは現状把握です。会社全体の数字ではなく、事業部ごと、工種ごと、あるいは現場ごとの損益を正確に把握してください。「どんぶり勘定」をやめ、どの事業が利益を生み、どの事業が足を引っ張っているのか、数字という客観的な事実を直視することから全てが始まります。

ステップ2:感情を挟まない「撤退基準」を決める

「赤字が3期連続したら」「利益率が5%を下回ったら撤退する」など、あらかじめ明確な撤退ルールを決めておきます。基準をクリアできなければ、例外なく撤退の準備に入ります。ここに社長の「情」を挟んではいけません。

ステップ3:浮いたリソースを「成長分野」へ集中させる

これが最も重要です。やめることが目的ではありません。不採算事業から撤退することで生まれた貴重な人材、資金、時間を、自社の強みが活かせる高収益な事業や、将来性のある新規事業へと大胆にシフトさせるのです。

まとめ:「やめる勇気」が会社を強くする

経営とは、突き詰めれば「リソース配分の最適化」です。限られた経営資源を、どこに投下すれば最もリターンが大きいか。それを常に考え、実行するのが社長の仕事です。

「何をするか」を決めるのと同じくらい、いやそれ以上に、「何をしないか」を決めることが重要です。過去のしがらみや一時の感情を乗り越え、不採算事業に別れを告げる「やめる勇気」を持ってください。その決断こそが、あなたの会社を次の成長ステージへと導く最大の推進力となるはずです。

「やめる勇気」が、未来を拓く。
リソースを集中させ、成長軌道に乗せるための「設計図」を手に入れろ。

「どの事業を残し、どこから撤退すべきか判断できない」「リソースの最適な配分が分からない」。その悩みは、会社の現状を数字で正しく把握し、未来の事業ポートフォリオを描いた「経営計画」がないことが原因です。

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鈴木進一CFO

執筆:鈴木 進一

エスエスコンサルティング株式会社 CFO (最高財務責任者)
建設業・製造業を中心に、累計1,400社以上の財務・経営支援に関わる。単なる計算屋ではなく、現場のリアルな動きを「お金」の視点から鋭く分析し、利益を生み出す強い財務体質へと変革する「建設の財務参謀」。事業ごとの採算性分析に基づいた「