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経営コンサルタントを選定する際のポイントとは?注意点や選び方を現役コンサルが解説

2022年9月26日
経営コンサルタントの選定基準とは?注意点を現役コンサルタントが解説

会社の目的達成には、中期及び長期経営計画のみならず直近の課題をひとつずつ減らしていける課題解決能力が必要です。課題解決能力が不足すると、不測の事態に陥ったときに立ち直れなくなってしまいます。

このようなシーンで活躍するのが、経営コンサルタントです。しかし、どのような選定軸で経営コンサルタントを選べばよいのかわからないという企業も多いのではないでしょうか?

本記事では、経営コンサルタントの選び方や注意すべきポイントについて解説します。

これから経営コンサルタントを見つけたいと考えている方は、参考にしてみてください。

経営コンサルタント選定の重要性に関して

企業は、経営の根幹として社会的責任を果たしていくことが求められます。

社会に対して価値を提供していくことが企業の存在意義であり、常に会社を市場価値の高い状態に保つためには、その時のビジネス環境に適用し続けることが必要です。

どんな企業でもその実現のためには適切な経営戦略を立てる必要があるため、そのサポートを行うことができる経営コンサルタントの選定は重要と言えます。

コンサルタントの選定が難しい理由とは?

経営コンサルタントの支援をうまく活用していくことは、適切にビジネスを推進していく上で有効な手段の一つですが、その選定は難しいものになります。

会社の事情や依頼内容、コンサルタントの専門領域など、状況によって仕事を依頼するべきコンサルタントが異なるということがその一番の理由です。その判断のポイントとなる要素は数多くあるため、選定を進めていく上での注意点をしっかり理解する必要があります。

中小企業であってもコンサルタントは必要か?

「経営コンサルタントを雇用すべきではない企業もあるのでは?」と考えている方も多いのではないでしょうか。特に中小企業がコンサルタントを雇用することに関して疑問を持っている方が多いと思います。

答えとしては、企業の規模に関係なく適切な経営戦略は必要であり、その手段の一つとして経営コンサルタントの雇用は有効になります。

コンサルタントの報酬は高額になるケースはありますが、企業の予算に応じて調整が可能なコンサルティング会社もあるためケースバイケースで活用してみてはいかがでしょうか?

企業規模に関わらず経営コンサルタントの需要は高くなることが予想される

現代はIT技術の発展・普及が加速しビジネス環境は目まぐるしく変化しています。

企業が市場に価値を出し続けていくためには、この変化に適応することが求められます。特に近年はビジネス環境の変化が激しくなっています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が社会的に推進されているということがその主な理由です。

日常の生活はもちろん、ビジネスでも業務効率化、働き方改革、新しいビジネスモデルの構築、などに利用されています。経済産業省の公式ホームページで「デジタルガバナンス・コード」を策定し、企業のDX推進を後押ししています。

クラウドサービスの普及により、現代は企業規模に関係なく高度なITシステムを導入できます。

以前は資金が少ない企業はシステムを導入することが難しい状況でしたが、現在はクラウドを利用することで自社にサーバーなどを用意することなくサービスとしてITシステムを利用することが可能です。

そのため、小規模でも優れた経営戦略を立てIT技術を活用していくことで、市場価値の高い企業に成長していけます。

経営コンサルタントは、経営戦略だけでなくIT戦略の支援も行うことが可能であり、そういう意味でも有効な手段になります。

予算が少ない場合の対応

経営コンサルタントの活用は有効ですが、確かに予算が少ない場合は支援を依頼することは難しいかもしれません。そのような場合はどうすればいいのでしょうか?

その一つの解決手段としては、「スポットコンサル」の利用も手段の一つです。スポットコンサルとは、長期の契約ではなく、短期間短時間でのコンサルティングサービスです。

スポットコンサルでも市場調査・インタビュー、業務改善、新規事業、など様々な支援を受けることが可能になっています。

もちろん、どうしても部分的な支援になってしまうためデメリットもありますが、コンサル費用を低コストにする必要がある場合は利用するのも有効な手段の一つになります。

経営コンサルタント選定の注意と抑えておきたいポイント

契約する経営コンサルタントを選ぶ際はどのように考えていくべきでしょうか?

この場合、選定基準や注意点や重要なポイントがあるため、要点をしっかり理解し選定を進めていきます。

選定基準とは?

経営コンサルタントを選ぶ上で基準はいくつかあるため、以下の通り紹介します。

  • どのような経歴を持っているか?
  • どのような専門分野、スキルを保持しているか?
  • 支援可能な業務領域は何か?
  • 過去にどのような実績があるか?
  • 経営課題に対し何か提案を受けている場合、その提案は妥当で適当なものとなっているか?
  • 所属する企業や組織の信頼性は問題無いか?
  • 仕事を依頼する場合、コンサルティングフィーはどの程度かかるか?
  • アフターフォローの有無

選定する上で特に重要なポイント、注意点

経営コンサルタントを選ぶ際は、まず選定する上で重要となる基準をピックアップします。その上で、職務経歴書や面接などから各基準に対しての評価を行います。

依頼する仕事は重要なもので、高いコストを払うことになるため、経営コンサルタントには即戦力と高い専門性を求めるべきです。そのため、候補となるコンサルタントの「職歴」、「専門分野」、「実績」が特に重要な基準になります。

どのような業界・業種で働いていたか、どんなスキルや知識を持っているか、過去のプロジェクトではどのような役割で働いていたのかなどを確認すべきです。

加えて、依頼したい仕事を任せる上で適任の人物かどうかを判断することも重要です。

また、信頼性に関しても重要になります。所属するコンサルティングファームの実績なども調べておくと良いでしょう。

反対に、学歴や保有する資格などに関しては、そこまで重要ではないと言えるでしょう。

中小企業診断士や経営士など、経営コンサルタントが持つべき知識やスキルに関して勉強できる資格は存在しますが、コンサルタントは特に経験が重要になります。

コンサルタントは、机の上では学ぶことが難しい「コミュニケーションスキル」、「問題解決能力」、「論理的思考能力」、などの能力が仕事をする上で特に重要です。コンサルタントが過去に行った仕事に注目し、その強みがマッチするかどうか判断すると良いでしょう。

経営コンサルタントの選び方・手順に関して

経営コンサルタントを採用する場合の一般的な進め方は以下になります。

1.経営課題の明確化

2.依頼する業務内容の決定

3.選定基準を明確化

4.募集活動

5.候補者の中から選定

1.経営課題の明確化

まずは、経営課題をはっきりさせます。

課題が無い場合や課題はあっても自社だけで解決できる場合、経営コンサルタントを雇う必要は無いことになります。

まずは、何が問題なのか、何を解決したいのかを明確にすることが重要です。

一方で、「経営課題の明確化」自体を経営コンサルタントに依頼する場合、それを課題とした上で次のステップに進みます。

2.依頼する業務内容の決定

次に、経営コンサルに依頼する仕事内容を決定します。

特に低コストで経営課題を解決する必要がある場合は、課題を細分化して自社で対応できる部分は自社だけで行えるよう段取りを組むことがポイントになります。

また、経営課題が複数あった場合も、細分化しておくことが望ましいです。例えば、業務関連とIT関連の二つの課題があった場合、別々の課題として扱えるよう分けて管理することが推奨されます。

課題ごとにその専門のコンサルタントに仕事を依頼することで、より効率的に課題を解決できるようになります。

3.選定基準を明確化

前述した通り、経営コンサルタントを採用する際の選定基準を社内で取り決めます。

「経営コンサルタントを雇用することで何を達成したいのか?」、「その目的を成し遂げるために、どんな経験や実績を持つ人を雇いたいのか?」などを明確にします。

社内の関係者の意見も聞いた上で進めることで、ミスマッチのリスクを下げることができるでしょう。

4.募集活動

経営コンサルタントに実際に依頼を出します。依頼する方法は以下のようにいくつか手段があります。

・企業(コンサルティングファームなど)のホームページから申し込む

・過去に契約した経営コンサルタントに直接依頼

・求人サイトで経営コンサルタントを募集する

適切な手段は場合によりますが、候補となる依頼先をいくつか用意することが推奨されます。コンペのような形で、候補者を比較し選定することで、適任のコンサルタントと契約できる可能性が高くなります。

5.候補者の中から選定

最後に候補者の中から選定を行います。各候補者が選定基準にマッチするかどうか詳細に確認することが重要になります。複数の採用担当者がそれぞれ独自で評価を行う、などより客観的に評価できるような工夫をすることが望ましいです。

経営コンサルタントを選定する際は多角的な見方と社内の理解が重要

今回は経営コンサルタントの選び方に関して説明しました。

経営コンサルタントの選定は、その場合により適切な方法が異なるため、どうしても難易度が高くなります。

しかし、経営戦略の改善や新規事業計画の策定を行う場合など、経営コンサルタントの支援を受けることが企業にとって有益である場合は多いです。検討する際はそのポイントをしっかり理解し取り組むことが大切です。

  • エスエスコンサルティング株式会社 会長
    鈴木 進一

    運輸業や建設業、製造業を始め累計1,300社以上の企業を支援し、多くの経営課題を解決に導いた実績がある。戦略立案からオペレーション改革、サプライチェーンマネジメントを主とした施策を得意とする。

    業務分野として、調達コストの削減から製造拠点の再設計、生産性の改善、研究開発から製品開発の強化など幅広く対応。
    BtoB向けサービスを行う企業が抱える、様々な課題に対して豊富な実績と経験から今も現場で手腕を振るっている。

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