8ヶ月で利益率3.5%→21%に改善。足場土木企業が実現した「原価管理×営業×M&A戦略」
2026年7月2日
8ヶ月で利益率3.5%→21%に改善。足場・土木企業が実現した「原価管理×営業×M&A戦略」
支援事例 / 原価管理 / 営業精度化 / M&A戦略
売上はあるのに利益が残らない——これは足場・土木業界で特に多く見られる経営課題です。今回ご紹介するのは、粗利率3.5%という厳しい状態から、8ヶ月という期間で21%まで改善した、ある足場土木企業の支援事例です。
特別な裏技があったわけではありません。原価管理の精度を上げ、営業の質を見直し、単価交渉の進め方を整理する——ひとつずつ積み上げた結果としての数字です。
この事例のポイント
利益率の改善は、売上を追う前に「経営の土台」を整えることから始まる。
この会社が最初に着手したのは、営業でも広告でもなく、原価管理の見直しだった。
支援前の状況
支援開始時点でのこの企業の状況は、以下のようなものでした。
| 粗利率 | 約3.5% |
| 売上高 | 約5.6億円 |
| 年間利益 | 約1,960万円 |
| 主な課題 | 原価把握の不徹底、単価交渉の未整理、営業の属人化 |
売上規模自体は決して小さくありませんでした。問題は「どの現場でいくら利益が出ているか」が明確になっていなかったことです。原価が現場ごとに管理されておらず、単価交渉も現場担当者の裁量に任されている状態でした。
改善のプロセス|3つのステップ
STEP1:原価管理の精度化
最初に着手したのは、現場ごとの原価を正確に把握する仕組みづくりです。材料費・外注費・労務費を現場単位で集計し、どの現場がどれだけ利益を生んでいるかを可視化しました。これにより、これまで感覚で判断していた原価の実態が数字として見える化されました。
STEP2:単価交渉の仕組み化
原価が見える化されたことで、単価交渉にも根拠を持たせられるようになりました。「なんとなく安く受けている」現場を洗い出し、原価データに基づいた交渉材料を整理したうえで、元請けとの単価改定に着手しました。
STEP3:営業精度の向上とM&A戦略の検討
並行して、営業活動の質を見直しました。取引先を利益率で評価し、優良な元請けとの関係を強化する一方、採算の合わない取引を整理する方針に転換しました。さらに、事業基盤を強化する選択肢としてM&Aも検討し、実行に至っています。
8ヶ月後の結果
粗利率
3.5%
↓
21%
売上高
5.6億円
↓
9.5億円
年間利益
1,960万円
↓
2.1億円
※本事例の数値は支援先企業の実績に基づくものです。改善の度合いは企業ごとの状況により異なります。
この事例から見える、利益率改善の共通点
この支援事例が示しているのは、「売上を増やせば利益が増える」という単純な話ではないということです。むしろ、この企業は原価管理という地味な取り組みから着手し、その土台の上で単価交渉と営業の見直しを進めています。
建設業、特に下請け構造の中で事業を行う企業にとって、利益率の改善は次のような順序で進めるのが基本になります。
- 現場ごとの原価を正確に把握する
- 原価データを根拠に単価交渉を行う
- 取引先を利益率で評価し、営業方針を見直す
- 必要に応じて事業基盤強化(M&A等)を検討する
この順序を飛ばして営業を強化しても、原価の把握が甘いままでは「受注は増えたが利益は増えない」という結果になりがちです。まず整えるべきは、経営の土台となる数字の管理体制です。
建設の参謀について
建設の参謀は、こうした原価管理・単価交渉・営業体制の見直しを、経営者と並走しながら整理していく経営コンサルティングサービスです。今回ご紹介したような改善プロセスは、業種や規模によって最適な進め方が異なります。まずは自社の現状を整理するところから、無料相談で承っています。