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No.165 「売上は増えたがキャッシュがない」。建設業特有の「どんぶり勘定」を破壊し、利益率10%超えを実現する原価管理。

2026年6月10日
No.165 「売上は増えたがキャッシュがない」。建設業特有の「どんぶり勘定」を破壊し、利益率10%超えを実現する原価管理。|エスエスコンサルティング株式会社
No.165

「売上は増えたがキャッシュがない」。建設業特有の「どんぶり勘定」を破壊し、利益率10%超えを実現する原価管理。

【Executive Summary】結論と戦略的アクション

【結論】「現場は常に動いていて売上も過去最高。しかし、なぜか口座にキャッシュが残らない」。この現象の正体は、建設業に蔓延する「どんぶり勘定(原価管理の欠如)」という罠(Trap)です。現場のノリや過去の経験則に頼る見積もりを捨て、見えないコストを極限まで可視化する科学的な「原価管理の仕組み」を導入しなければ、会社は突然の資金ショート(致命傷)を迎えます。

【要点(3つのアプローチ)】
1. 現状の直視(情報の非対称性の排除): 経営陣と現場の間にある「実際にかかったコスト」のズレを認識せよ。資材高騰や想定外の残業代など、利益を食いつぶす隠れた原価を直視することが第一歩である。
2. 「どんぶり勘定」の破壊と可視化: 一式見積もりを廃止し、材料費・労務費・外注費・経費を案件ごとに細分化して管理(仕組み化)せよ。実行予算と実際原価の差異をリアルタイムで把握できる体制を作れ。
3. 価格交渉の武器とする: 正確な原価データは、顧客や元請けに対する「価値に基づく価格交渉」の最強の武器となる。利益が出ない仕事を勇気を持って断り、利益率10%超えの案件にリソースを集中せよ。

【次アクション】今すぐ直近で完了した3つの工事案件について、「当初の見積もり粗利」と「実際にかかった最終的な粗利」を算出し、その差異が生じた原因を特定する。

社長、毎日遅くまで現場を回し、売上目標は達成しているのに、決算書を見ると利益がほとんど残っていない。そんなジレンマに陥っていませんか?

資材価格の高騰や人手不足による人件費の上昇が続く現代において、過去の経験則に基づいた「大体これくらいだろう」という現場のノリの原価計算は、もはや通用しません。「どんぶり勘定」は、知らず知らずのうちに会社の体力を奪い、黒字倒産を引き起こす最も危険な経営の致命傷(Trap)です。

会社は「バケツ」、売上は「水」、どんぶり勘定は「底の穴」

中学生にも分かるように例えてみましょう。御社を一つの「バケツ」だとします。日々の営業努力や現場の汗水によって、バケツには次々と「水(売上)」が注ぎ込まれています。

しかし、バケツの底に「見えない無数の穴(どんぶり勘定によるコスト漏れ)」が空いていたらどうなるでしょうか?

職人の待機時間、発注ミスによる余剰資材、急な仕様変更による持ち出し。これらの穴を放置したまま、いくら上から大量の水を注いでも、バケツに「水(キャッシュ)」が溜まることは永遠にありません。利益率10%超えを実現するには、水を注ぐ量を増やす(集客)前に、まずはこの「底の穴を完全に塞ぐ(原価管理)」仕組みが必要不可欠なのです。

なぜ建設業は「どんぶり勘定」に陥りやすいのか?

それは、建設業が「一品受注生産」であり、現場ごとに条件が大きく異なるからです。天候、地盤、職人のスキルなど、不確定要素が多く、製造業のように一定のラインで原価を固定することが困難です。

この「情報の非対称性(現場で何が起きているか経営陣がリアルタイムで把握できない状況)」が、原価管理を曖昧にしています。現場が終わってから数ヶ月後に「実は赤字でした」と報告が上がるのは、仕組みが欠如している証拠です。

利益率10%超えを実現する「原価管理の仕組み化」

この罠から抜け出すための具体的なステップは以下の通りです。

  • 実行予算の徹底と「一式」の廃止: 見積もりの段階で「〇〇工事一式」というブラックボックスを許さず、すべての部材と人工(にんく)を細分化して可視化せよ。
  • リアルタイムの予実管理: 現場の勘に頼るのではなく、ITツール(DX)を導入し、日々の発注や労務費を入力する仕組みを作れ。現場の進行度に対して、原価が予算内に収まっているかを毎週確認せよ。
  • 「良い仕事」の定義を変える: 「赤字でもお客様のために最高のものを造る」という職人の美学は尊いですが、それは経営においては自己満足です。適正な利益を確保した上で高品質を提供するルール(仕組み)を社内に教育せよ。

まとめ:正確な原価管理は、最強の「価格交渉力」になる

正確な原価データを把握することは、単なるコストカットではありません。「なぜこの価格になるのか」を顧客に論理的に説明し、正当な利益を確保するための「攻めの武器(文化的レバレッジ)」となります。どんぶり勘定を破壊し、数字に基づいた経営へとシフトすることこそが、会社を永続させる最強の企業防衛なのです。

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「現場が終わるまで利益が出ているか分からない」「資材高騰を価格に転嫁できない」「どんぶり勘定から脱却する具体的な手順が知りたい」。

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見えないコストを可視化し、現場の負担を増やさずに利益を最大化する「原価管理の仕組み化」を共に実行しましょう。赤字体質からの脱却は急務です。秘密は厳守いたします。

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執筆:鈴木 進一

エスエスコンサルティング株式会社 代表取締役
建設業・製造業を中心に、累計1,400社以上の財務・経営支援に関わる。正確な原価管理と価値に基づく価格交渉力の強化を通じた「企業防衛体制」の構築を得意とする。現場の声を数字に変え、会社を永続させる「経営の財務参謀」。