No.114 「ITツールを入れれば何とかなる」は幻想。目的なく導入したDXが、現場を混乱させ、金をドブに捨てるだけの結果になる理由。
2026年1月30日
「ITツールを入れれば何とかなる」は幻想。目的なく導入したDXが、現場を混乱させ、金をドブに捨てるだけの結果になる理由。
「世間はDXだ、デジタル化だと騒いでいる。うちも何か始めないと取り残される…」
そう焦りを感じ、展示会で良さそうに見えた高機能なITツールを導入してみた。しかし、結果はどうだったでしょうか。
「使い方が分からない」「かえって手間が増えた」と現場からは不満の声が上がり、結局、高いお金を払ったシステムは誰も使わず、元の紙とエクセルの管理に戻ってしまった…。そんな経験はありませんか?
断言します。「ITツールを入れれば会社が良くなる」というのは、ベンダーが作り出した幻想に過ぎません。目的のないDXは、百害あって一利なし。会社のお金をドブに捨て、現場を混乱の渦に叩き込むだけの行為です。
なぜ、あなたの会社のDXは失敗するのか?
最大の原因は、「経営課題の解決(目的)」ではなく、「ツールの導入(手段)」が目的化してしまっていることにあります。
例えば、「残業を減らしたい」という目的があれば、そのボトルネックがどこにあるかを特定し、それを解消するための手段として適切なツールを選びます。しかし、多くの場合は「流行りのツールを入れること」が先行し、「入れてから何に使うか考える」という本末転倒な状態に陥っています。

その結果、現場では「今までのやり方」と「新しいツールの入力」という二重の負担が発生し、生産性はむしろ低下します。これが、DXが現場を疲弊させるメカニズムです。
DXを成功させるための「3つの鉄則」
DXは魔法の杖ではありません。泥臭い業務改革の積み重ねです。成功させるためには、ツールを入れる前にやるべきことがあります。
鉄則1:「何のために」を言語化する(Purpose)
「なぜ、今、この改革が必要なのか?」「それを実現すると、会社はどう良くなるのか?」。この問いに、社長自身の言葉で明確に答えられなければ、DXは絶対に成功しません。目的は具体的であるほど良いです(例:「移動時間を1日1時間削減し、その分を施工管理に充てる」など)。
鉄則2:まず「業務フロー」を見直す(Process)
ムダな業務をそのままデジタル化しても、「高速でムダなことをする」だけです。まずは現在の業務フローを棚卸しし、「やめる仕事」「減らす仕事」「変える仕事」を整理します。ツール導入は、その整理されたフローを効率化するための最終手段です。

鉄則3:現場を「共犯者」にする(People)
トップダウンで「明日からこれを使え」と押し付けても、現場は反発します。導入の検討段階から現場のキーマンを巻き込み、「自分たちの問題を解決するためのツールだ」という当事者意識を持ってもらうことが不可欠です。
まとめ:ツールは「武器」。使い手が未熟では怪我をする
最新のITツールは、強力な「武器」です。しかし、それを扱う兵士(社員)が訓練されておらず、戦う目的(戦略)も曖昧なまま戦場に送り出せば、どうなるかは火を見るよりも明らかです。
まずはツールありきではなく、「自社の課題は何か」「どうなりたいか」という経営の根幹に向き合うこと。それこそが、DX成功への遠回りのようで確実な第一歩なのです。
もう、IT投資で失敗したくない社長へ。
ツール導入の前に「設計図」を描け。
「DXを進めたいが、何から手をつければいいか分からない」「現場に定着する仕組みが作れない」。その悩みは、会社の課題と解決策を整理した「経営計画」がないことが原因です。
目的のないツール導入で資金を浪費するのは、今日で終わりにしましょう。自社の課題を明確にし、本当に必要なIT戦略を導き出すための「最強の経営計画書」の雛形を、今だけ無料で進呈します。現場が輝く本質的なDXを、ここから始めませんか?
執筆:鈴木 進一
エスエスコンサルティング株式会社 CFO (最高財務責任者)
建設業・製造業を中心に、累計1,400社以上の財務・経営支援に関わる。単なる計算屋ではなく、現場のリアルな動きを「お金」の視点から鋭く分析し、利益を生み出す強い財務体質へと変革する「建設の財務参謀」。
ITツール導入の費用対効果分析、業務フローの見直し、そして現場定着のためのプロジェクト管理まで。経営者が「ツールに使われる」ことなく、DXを武器として使いこなすための戦略的な支援を行う。