No.96 「こんな借金だらけの会社、継ぎたくない」と息子に言われた社長が、5年かけて財務体質を改善し、笑顔で事業承継できた理由
2026年1月12日
「こんな借金だらけの会社、継ぎたくない」と息子に言われた社長が、5年かけて財務体質を改善し、笑顔で事業承継できた理由
こんな借金だらけで、将来が見えない会社なんて」
地方都市で祖父の代から続く総合建設業、田中建設(仮名)の三代目社長、田中健一氏(62歳)は、一人息子のその冷徹な言葉に、返す言葉を失いました。いつかは息子に…そう願いながら必死に守ってきた会社でしたが、現実はあまりにも残酷でした。
バブル崩壊後の負債、公共事業の減少による売上低迷。気がつけば借入金は年商の半分に達し、毎月の資金繰りは綱渡り状態。「自分の代で潰すわけにはいかない」という意地だけで会社を支えていましたが、息子にその莫大な「負の遺産」を背負わせることに、田中社長自身も心の奥底で深い罪悪感と葛藤を抱えていたのです。
これは、事業承継の崖っぷちに立たされた一人の社長が、経営のプロフェッショナルである「社外参謀」と共に、泥まみれになりながら5年の歳月をかけて会社を再生させ、笑顔でバトンを渡すまでの、血と汗と涙の実話に基づく物語です。
1. 絶望の淵:「どんぶり勘定」が招いた息子の拒絶
息子からの拒絶宣告を受けたその夜、田中社長は一人、埃っぽい会社の事務所で現実と向き合っていました。

▲ 机を埋め尽くす督促状と赤字の決算書。「現場が忙しければ儲かっている」という長年の甘い認識が、会社をここまで追い詰めていた。
「技術力には自信がある」「職人を大切にしてきた」。そう自分に言い聞かせてきましたが、プロの目で冷徹に分析された財務状況は惨憺(さんたん)たるものでした。利益が出ていると思い込んでいた主力工事が実は大赤字だったり、資材の仕入れ値が高止まりしていたり。いわゆる昔ながらの「どんぶり勘定」が、会社の体力を静かに、しかし確実に奪っていたのです。
「息子が継ぎたくないと言うのも無理はない…」。田中社長は初めて、自社が抱える闇の深さに絶望し、一人孤独に打ちひしがれました。
2. 運命の出会いと「泥まみれの5年改革」
「もう、会社を畳むしかないのか…」。そう諦めかけた時、メインバンクの支店長から紹介されたのが、建設業の再生を専門とする「社外参謀」、佐藤氏(仮名)でした。
佐藤氏は現場の事務所に現れるなり、開口一番、こう言いました。「社長、息子さんに胸を張って継がせたいのなら、まずは会社を『継ぎたくなる会社』に変えなければなりません。並大抵のことではありません。痛みを伴います。それでもやりますか?」
田中社長は腹を括りました。「お願いします。息子のためにも、この会社を生まれ変わらせたい」

▲ 決してきれいごとではない、泥まみれの改革。佐藤参謀(右)は現場に泊まり込み、社長と膝を突き合わせて、数字と現実に向き合い続けた。
断行した「血の滲むような」聖域なき改革
佐藤参謀の指導のもと、田中建設はこれまでの常識を覆す、聖域なき改革に着手しました。
- 不採算工事の徹底排除: 利益が出ていない、あるいは赤字確実な案件は、どんなに付き合いが長くても、勇気を持って「お断りする」決断をしました。
- 原価管理のデジタル化と見える化: 長年の「感覚」と「経験」に頼った見積もりを完全に廃止。ITツールを導入し、工事ごとの収支をリアルタイムで全社員が把握できるようにしました。
- 金融機関との粘り強い交渉: 佐藤氏が全ての交渉に同席し、実現可能な5カ年の経営改善計画を提示。信用を勝ち取り、返済計画の大幅な見直し(リスケジュール)に成功し、資金繰りの危機を脱しました。
3. 劇的な変化と、息子の決意
改革は苦難の連続でした。古参社員の反発、一時的な売上の減少。しかし、田中社長と佐藤参謀は決して諦めませんでした。その熱意は徐々に社員に伝播し、現場の空気も変わり始めました。
取り組み開始から3年目、ついに単年度黒字を達成。そして約束の5年が経過する頃には、借入金はピーク時の半分以下にまで圧縮され、自己資本比率も大幅に改善。田中建設は、誰もが認める筋肉質で健全な優良企業へと生まれ変わろうとしていました。

▲ 5年にわたる苦闘が実を結び、会社は生まれ変わった。その姿を見ていた息子(左)がついに決意を固め、親子の絆と事業の未来が再び結ばれた瞬間。
そして、何よりも大きな変化は、その様子を外からじっと見ていた息子さんの心境に現れました。借金体質から脱却し、社員が活き活きと働く会社の姿、そして何より、自信と誇りを取り戻した父親の背中を見て、彼の考えは変わったのです。
その言葉を聞いた時、田中社長の目には熱い涙が浮かんでいました。「社外参謀」という強力なパートナーを得て、泥まみれになりながら歩んだ5年間が、会社だけでなく、かけがえのない親子の絆と、事業の未来を取り戻した瞬間でした。
あなたの会社も、必ず変われます。
「借金が多くて息子に継がせられない」「後継者が育たない」
そんな深い悩みを、社長お一人で抱え込んでいませんか?
田中社長のように、本気で会社を変えたいと願うなら、私たち「社外参謀」が全力で支えます。
まずは、あなたの現状と、胸の内にある課題をお聞かせください。