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No.76 インスタで職人が集まるって本当?「キラキラ投稿」はいらない、泥臭い建設会社がやるべきSNS採用の勝ち筋

2025年12月23日

No.76 インスタで職人が集まるって本当?「キラキラ投稿」はいらない、泥臭い建設会社がやるべき「ありのまま」のSNS採用戦略

「鈴木さん、最近よく聞くんだけどさ。インスタグラムだかティックトックだかで、若い職人が採用できるって、あれ本当なのかい?」

先日、ある塗装会社の社長から、半信半疑といった顔でこんな質問をされました。
社長の気持ち、痛いほど分かりますよ。

ハローワークに求人を出しても、音沙汰なし。高い掲載料を払って大手の求人サイトに載せても、応募してくるのは現場を知らない未経験者や、すぐに日払いを要求してくるような短期希望者ばかり。

「もう、日本の若者は建設業になんか興味がないんじゃないか…」

そんな諦めムードが漂う中で、「SNSで採用ができる」なんて言われても、にわかには信じられないでしょう。

「まさか、うちの強面の職人たちに、流行りの音楽に合わせてダンスでも踊れっていうのか? そんな恥ずかしいこと、できるわけねぇだろ!」

そう思った社長、安心してください。
私が提案したいのは、そんな薄っぺらい「SNSごっこ」ではありません。

断言します。建設業のSNS採用に、「映え」や「キラキラ」なんて一切必要ありません。
むしろ、そんなものは邪魔です。

今、若者が求めているのは、加工された嘘の姿ではなく、汗と泥にまみれた「現場のリアル」そのものなんです。

今回は、なぜ「泥臭い」建設会社こそSNSをやるべきなのか。そして、どうすれば若者の心をつかみ、採用につなげることができるのか。その具体的な戦略を、私の視点でお話しします。

これは単なる採用テクニックの話ではありません。社長が命がけで守ってきた会社の「魂」を、どうやって次の世代に伝えていくかという、会社の未来の話です。


1. なぜ、若者は「求人票」を見ずに「SNS」を見るのか?

まず、敵を知る…いや、若者を知ることから始めましょう。
社長は仕事を探すとき、どうしますか? まあ、我々の世代なら、知り合いのツテを頼るか、ハローワークに行くか、求人情報誌を見るか、そんなところでしょう。

でも、今の10代、20代は違います。彼らは、何かを知りたいとき、まずGoogleやYahoo!で検索しません。
Instagram(インスタグラム)、TikTok(ティックトック)、YouTube(ユーチューブ)といったSNSで検索するんです。

「美味しいラーメン屋に行きたい」と思ったら、インスタで「#地域名+ラーメン」で検索して、写真や動画を見て店を決めます。
それと同じ感覚で、「仕事」も探しているんです。

求人票の「嘘」を見抜くデジタルネイティブたち

彼らは、生まれた時からインターネットがある「デジタルネイティブ」です。
だから、ネット上の情報、特に企業が発信する「公式情報」に対する警戒心がめちゃくちゃ強い。

求人票に書かれている「アットホームな職場です」「未経験でも丁寧に教えます」なんて言葉、彼らは1ミリも信じていません。
「どうせ良いことしか書いてないだろ」「入ってみたらブラックに決まってる」と、最初から疑ってかかっています。

そんな彼らが信じるのは何か。
それは、加工されていない動画に映る、働く人のリアルな表情や、現場の生々しい雰囲気です。

フィルターのかかっていない動画で、ベテラン職人が汗だくになりながら真剣な眼差しで作業している姿。
休憩時間に、若手と親方が馬鹿スカ笑いながら缶コーヒーを飲んでいる姿。

そういう「嘘のない日常」を見たとき、初めて彼らは「あ、この会社、なんかいいな」「ここなら自分も働けるかもしれない」と心を動かされるんです。

だから社長、SNSで「良い会社」を演じる必要なんてありません。
あなたの会社の「ありのまま」を見せることが、最強の求人広告になる時代なんです。

2. 「キラキラ投稿」が逆効果になる理由

たまに見かけませんか? 建設会社なのに、なぜかカフェみたいな洒落たオフィスの写真ばかり載せていたり、モデルみたいな美男美女が作業着を着てポーズをとっていたりするアカウント。

あれ、はっきり言って逆効果です。

建設業の仕事をナメているようにしか見えませんし、本気で建設業で働こうと思っている骨のある若者ほど、そういうチャラチャラした投稿を見て「ここは違うな」と離れていきます。

彼らが知りたいのは、オフィスの綺麗さじゃありません。
「夏はどれくらい暑いのか」「親方はどれくらい怖いのか」「どんな道具を使っているのか」「自分にもできる仕事なのか」という、現場のリアルな情報です。

現場は汚くて当たり前。作業はキツくて当たり前。
それを隠して「楽な仕事だよ」「綺麗な職場だよ」と嘘をついて入社させても、そのギャップですぐに辞めてしまうだけです。

「うちはキツいぞ。汚れるぞ。でも、腕一本で稼げるようになるまで、とことん面倒見てやるぞ」
そうやって、最初からネガティブな部分も含めてさらけ出している会社のほうが、結果的に「覚悟を持った良い人材」が集まり、定着するんです。

3. 泥臭い建設会社がやるべきSNS戦略「3つの神器」

では、具体的に何をどう発信すればいいのか。私が推奨する「泥臭いSNS戦略」のポイントをお伝えします。

① ターゲットを絞り込め:「誰でもいい」は「誰も来ない」

まず、「どんな若手が欲しいのか」を明確にしてください。
「若くて元気なら誰でもいい」では、発信内容がブレて、誰の心にも刺さりません。

例えば、
「勉強は嫌いだけど、体を動かすのは好きな地元のヤンキーあがり」
「バイクや車いじりが趣味で、機械に触れる仕事がしたい工業高校生」
「一度は他の仕事に就いたけど、やっぱり手に職をつけたいと思っている20代後半」

ターゲットが違えば、響く言葉も映像も変わります。
ヤンキーあがりがターゲットなら、職人の「漢気」や「稼ぎ」をアピールしたほうがいいかもしれない。機械好きがターゲットなら、マニアックな重機や工具の紹介動画が刺さるかもしれない。

たった一人の「来てほしい誰か」を思い浮かべて、その一人に向けて語りかけるように発信することが重要です。

▼ 関連記事:どんな人材が欲しいか決まっていますか?
No.64 「若い力」が欲しいなら、ターゲットを絞れ。「誰でもいい」は「誰も来ない」のと同じだ

② 「映え」を捨てろ:「現場のリアル」が最強のコンテンツ

撮影のために現場を片付ける必要はありません。職人に笑顔を強要する必要もありません。
いつも通りの、生の現場を切り取ってください。

  • 職人の「神業」動画:
    ベテランにとっては当たり前の作業でも、素人から見れば「魔法」に見える瞬間があります。左官のコテさばき、鉄筋の結束スピード、足場の華麗な組み立て。その技術をスローモーションやアップで撮影するだけで、バズる(多くの人に見られる)コンテンツになります。「すげぇ!」「自分もやってみたい!」と憧れを抱かせることができます。
  • ビフォーアフターの達成感:
    何もない土地に基礎ができ、骨組みが立ち、建物が完成していく。その過程は、建設業ならではの醍醐味です。タイムラプス(早回し動画)などでその変化を見せれば、この仕事のスケールの大きさや達成感が直感的に伝わります。
  • 休憩時間の「素の表情」:
    作業中は真剣で怖い顔をしている親方が、休憩時間にクシャクシャの笑顔で若手と談笑している。そんなギャップ萌えも効果的です。「怖いけど、実は優しい」という人間関係が伝われば、入社への心理的ハードルが下がります。
  • 社長の「本音」語り:
    これ、すごく大事です。社長であるあなたが、なぜこの会社を始めたのか、どんな想いで仕事をしているのか、職人たちをどう思っているのか。飾らない言葉で語る動画は、どんなプロが作ったPR動画よりも心に響きます。

③ 媒体を使い分けろ:「TikTokで認知」し、「インスタで信頼」を得る

SNSにはそれぞれの特徴があります。建設業の採用で使うべきは、主にこの二つです。

  • TikTok(ティックトック)/Instagram リールズ:
    これは「飛び道具」です。短い動画が次々と流れてくるので、フォロワーがいなくても、面白い動画であれば一気に拡散(バズる)される可能性があります。
    ここでは、インパクト重視の「神業動画」や、現場の「あるあるネタ」など、まず会社の存在を知ってもらうための「認知獲得」を狙います。
  • Instagram(インスタグラム)フィード・ストーリーズ:
    TikTokで興味を持ってくれた人が、「もっとこの会社のことを知りたい」と思ったときに見に来るのがインスタのプロフィール画面です。
    ここでは、日々の現場の様子、社員紹介、会社のイベント、福利厚生の情報など、会社の「信頼」を深めるための情報をカタログのように蓄積していきます。ストーリーズ(24時間で消える投稿)を使って、リアルタイムな現場の雰囲気を伝えるのも効果的です。

4. 「誰がやるか」問題と、継続のコツ

「理屈はわかったけど、俺にはそんな動画編集なんてできないよ…」

大丈夫です、社長。あなたがやる必要はありません。
むしろ、おっさんが無理して若者の真似事をするより、適任者がいます。

若手社員を「広報部長」に任命しろ

社内に、スマホばかりいじっている20代、30代の社員はいませんか?
彼らはデジタルネイティブです。普段からSNSを見ているので、「どんな動画が面白いか」「何がダサいか」を感覚的に知っています。

彼らに「SNS手当」として月数万円渡してでも、会社の広報担当に任命してください。
「会社の魅力が伝わるなら、何をやってもいい。現場のルールさえ守れば、怒らないから好きにやってみろ」と権限を与えれば、彼らは水を得た魚のように、大人たちが思いつかないような面白い動画を作ってくれます。

自分たちが主体となって情報発信することで、彼ら自身の会社への愛着(エンゲージメント)が高まるという副次効果も期待できます。

完璧を目指すな、継続こそが力なり

最初は、全然見てもらえないかもしれません。「いいね」が数個しかつかない日が続くでしょう。
でも、そこで諦めないでください。SNS採用は「農耕型」の戦略です。種をまき、水をやり、時間をかけて信頼を育てていくものです。

毎日投稿が理想ですが、難しければ週に2〜3回でも構いません。重要なのは「止めないこと」です。
更新が止まっているアカウントは、「この会社、もう活動していないのかな?」と不安を与えてしまいます。

まとめ:ありのままの姿を、誇りを持って発信せよ

建設業は、決して楽な仕事ではありません。夏は暑いし、冬は寒い。体力的にもキツいし、危険とも隣り合わせです。
でも、だからこそ、そこで働く職人たちの姿は、理屈抜きに「かっこいい」んです。

自分たちの仕事に誇りを持ってください。
泥だらけの作業着は、一生懸命働いている証拠です。油にまみれた手は、技術者の勲章です。

▼ 関連記事:現場の「かっこよさ」を伝えるには?
No.82 汚いトラックと作業着が、会社の「信用」を落としている。1円もかけずに単価を上げる、現場の「見せ方」改革

その「ありのままのかっこよさ」を、デジタルの力を借りて、少しだけ外の世界に伝えてあげる。
それが、建設業におけるSNS採用の本質です。

飾る必要はありません。嘘をつく必要もありません。
あなたの会社が、今日まで積み上げてきた現場のリアルを、そのまま発信するだけでいい。

それを見て「かっこいい」と共感してくれる若者は、必ずどこかにいます。
そして、そういうルートで入ってきた若者こそが、将来のあなたの会社を背負って立つ、骨のある職人に育つのです。

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No.86 「ボーナスを出したのに辞めていく」のはなぜか?金銭報酬だけでは動かない、若手職人の「承認欲求」を満たす仕組み

さあ、社長。スマホを持って、現場に出かけましょう。
そこには、まだ世の中が知らない、最高の「コンテンツ」が転がっていますよ。


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