No.67求人を出しても来ないなら、「会社ごと買う」のが正解だ。建設業における“人材獲得型M&A”の勝ち筋
2025年12月16日
No.67 求人を出しても来ないなら、「会社ごと買う」のが正解だ。建設業における“人材獲得型M&A”の勝ち筋
「ハローワークに求人を出しても、全く反応がない」
「高い金を払って求人広告を出しても、来るのは未経験者ばかり」
「やっと採用できた若手も、すぐに辞めてしまう」
建設業の人手不足は、もはや限界を超えています。
「3K(きつい、汚い、危険)」というイメージに加え、少子高齢化による若者減少の直撃を受け、いくら求人をかけても人が来ない「採用氷河期」に突入しています。
そんな中、一部の賢い建設会社は、全く異なるアプローチで人材を確保し始めています。
それが、「M&A(企業の合併・買収)」です。
「会社を買うなんて、大企業のやることだろう?」
そう思うかもしれません。しかし、今増えているのは、大掛かりな買収ではなく、「後継者がいなくて廃業しようとしている地元の小さな建設会社」を引き継ぐ形のM&Aです。
今回は、人が来ない時代の最強の採用戦略、「人材獲得型M&A」について解説します。
なぜ、M&Aが「最強の採用」なのか?
M&Aの最大のメリットは、「即戦力の人材を、まとめて確保できる」ことです。
通常の採用活動では、一人採用するのに数十万円〜数百万円のコストと、数ヶ月の時間がかかります。しかも、採用できたとしても、自社の戦力になるまでには育成期間が必要です。
しかし、M&Aであれば、
- 熟練の職人・技術者
- 資格保有者(施工管理技士など)
- 顧客(元請け)とのパイプ
- 施工実績・ノウハウ
これらを、「会社ごと」一括で手に入れることができます。
育成期間はゼロ。買収したその日から、彼らはあなたの会社の戦力となります。
特に、後継者不在で廃業を考えている会社の場合、経営者は「従業員の雇用をどう守るか」を一番に考えています。
そのため、譲渡価格(買収金額)よりも、従業員を大切にしてくれる相手かどうかを重視する傾向があり、想像以上にリーズナブルな価格で譲り受けられるケースも少なくありません。
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M&Aの成否を分ける「PMI(統合プロセス)」
ただし、M&Aは「買ったら終わり」ではありません。むしろ、買った後が勝負です。
これをPMI(Post Merger Integration:買収後の統合作業)と呼びます。
異なる企業文化を持つ会社が一緒になるわけですから、当然、摩擦が生まれます。
- 「前の会社ではこうだったのに」という不満
- 新しい給与体系や人事制度への不安
- 人間関係の衝突
これらを放置すれば、せっかく獲得した貴重な人材が、次々と退職してしまうリスクがあります。
成功の鍵は、「対話」と「尊重」です。
相手企業の文化ややり方を尊重しつつ、自社のビジョンや方針を丁寧に説明し、納得してもらうプロセスが不可欠です。
買収した側の社長が、新しい仲間となった従業員一人ひとりと面談し、「皆さんの力が必要だ。一緒に良い会社を作ろう」と真摯に伝えることが、統合を成功させる第一歩となります。
まとめ:「時間を買う」という経営判断
M&Aは、単なる企業の売買ではありません。
「人材育成にかかる膨大な時間」をお金で買う行為です。
人手不足で受注機会を逃し続ける損失と、M&Aにかかる費用を天秤にかけてみてください。
将来の成長スピードを考えれば、M&Aは最も合理的な投資になるはずです。
「うちの地域で、後継者がいなくて困っている会社はないか?」
一度、地元の銀行やM&A仲介会社に相談してみる価値は十分にあります。
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