【事例】単月1.5億円受注を実現した建設会社の戦略とは? ― セキワトランデック
2025年9月12日
【事例】単月1.5億円受注を実現した建設会社の戦略とは? ― セキワトランデック
セキワトランデックは、需要創出(入札・紹介・直販)の比率設計、標準見積×単価戦略、
資金繰りの前倒し、そして施工キャパの動的運用という4本柱で、単月1.5億円の受注を実現。
本記事では、数字の裏付けと運用の実際をKPIで整理し、再現可能な形で解説します。
目次
1. 会社プロフィールと前提
セキワトランデック(概要)
- 領域:設備・機器据付/改修/小規模~中規模の元請・下請混在
- 受注チャネル:入札・紹介・直販(web/紹介/リファラル)
- 強み:工程管理・狭小現場対応・夜間/短工期
前提(モデル化)
- 案件単価の中央値:2,500万円(レンジ1,000万~5,000万)
- 粗利率目標:23~26%/失注基準:粗利20%未満は原則棄却
- 見積SLA:48時間で初期見積提示(標準テンプレ)
※記載の数値は当社のコンサルモデルでの一般化値を含みます。実数は会社の実情に合わせて設計します。
2. KPIサマリー(Before/After)
月受注額:8,000万円 → 1.5億円
粗利率:18% → 24%
平均見積リードタイム:7日 → 48時間
入金サイト:90日 → 45日
| 指標 | 導入前 | 導入後 | ドライバー |
|---|---|---|---|
| 直販比率 | 20% | 40% | LP/紹介/リファラルの複線化 |
| 失注率 | 45% | 30% | 標準見積×価値項目提示 |
| 案件選別 | 基準なし | 粗利20%・与信Cは前受必須 | 赤字案件の事前棄却 |
3. “1.5億/月”を作るパイプラインの数式
必要商談数 = 目標受注額 ÷(平均単価 × 受注率)
| パラメータ | 設定 | 根拠 |
|---|---|---|
| 目標受注額 | 150,000万円 | 単月1.5億円 |
| 平均単価 | 2,500万円 | 中央値レンジ |
| 受注率 | 35% | 標準見積×価値提示で改善 |
| 必要商談数 | 17件/月 | 150,000÷(2,500×0.35)=17.1 |
商談の供給源は 入札:紹介:直販 = 4:3:3 を目安に分散。月17件を 入札7・紹介5・直販5 で配分し、チャネルごとにKPIを管理します。
4. 4本柱の実行戦略
| 柱 | 狙い | 施策 | KPI |
|---|---|---|---|
| ① 需要創出の比率設計 | チャネル分散でブレを抑える | 入札の選別(仕様×粗利×与信)、紹介の定例報告、直販LP+事例+CTA(予約) | 商談数/チャネル、直販CVR3~5% |
| ② 単価・見積の標準化 | “価値ベース”で単価を守る | 安全・夜間・狭小・短工期・保証の価値項目をテンプレ化し追加単価を明示 | 粗利率24%±3pt、値引率上限設定 |
| ③ キャッシュの前倒し | 運転資金の安定化 | 前受20~30%、出来高請求、支払サイト30→45日交渉、案件別CF表 | 最小残高/サイト差(日)、短期借入比率 |
| ④ 施工キャパ運用 | “受けられる量”を広げる | 自社×外注の平準化、週次の山崩し、資格者マップ、クリティカル職種の先行手配 | 稼働率80~90%、手戻り率、遅延ゼロ |
5. 資金繰りと与信の運用
与信ルール(例)
- A:上限なし/B:上限2,000万/C:前受30%+出来高
- 初回取引は必ず少額テスト→支払実績で枠拡張
資金繰り早見表
- 4~8週間の入出金を日次で可視化
- 不足日が出たら優先的に前受/出来高の前倒し交渉
銀行は“利益よりキャッシュ”。月次資金繰りの説明力が評価を左右します。
6. 施工キャパの平準化(人員・外注)
| 観点 | 内容 | 運用ルール |
|---|---|---|
| 要員計画 | 職種×資格×出勤形態でマップ化 | 週次で山崩し、ピークは外注で吸収 |
| 品質・安全 | 着工前の標準チェックリスト | 手戻り率1%未満をKPI |
| 工程管理 | マイルストーン+リスクレビュー | 遅延ゼロの文化(前倒し是正) |
7. 想定リスクと回避策
- 入札依存で粗利が痩せる → 直販・紹介比率40~60%を維持
- 赤字案件の混入 → 粗利20%・与信C・短工期の三条件で要注意
- キャパ超過 → 稼働率90%超は新規受注を一時制限
- 価格改定の反発 → 価値項目と作業範囲を見積に明記し根拠を添付
8. まとめ/再現チェックリスト
- チャネルを分散(入札・紹介・直販)し、月17商談を安定供給
- 標準見積+価値項目で粗利24%を維持
- 前受・出来高・サイト交渉で最小残高を底上げ
- 施工キャパを動的に運用し、遅延ゼロと手戻り最小化
FAQ
Q. 小規模会社でも再現できますか?
A. 可能です。平均単価が小さい場合は商談数を増やすか、グロス単価の大きい領域にピボットします。
Q. 直販を増やす最短ルートは?
A. 事例記事×LP×予約CTA(Timerex)の三点セットを用意し、紹介経路と広告を“少額で継続”運用することです。
Q. 粗利とキャッシュ、どちらを優先?
A. まずキャッシュです。資金繰りが安定すれば、値上げや案件選別の自由度が増し、粗利も上がります。