お問い合わせ 資料請求

粗利率15%→25%を実現した下請けの経営改革

2025年11月1日
粗利率15%→25%を実現した下請けの経営改革|エスエスコンサルティング

粗利率15%→25%を実現した下請けの経営改革

― 外資系コンサルタントが導く「利益構造の再設計」メソッド ―

1. 課題:受注はあるのに、利益が残らない構造

この事例の企業は、年商1.2億円規模の電気工事業者。元請けとの関係性は良好で、 毎月安定した受注を確保していました。しかし、粗利率はわずか15%前後。 「仕事はあるのに資金繰りが苦しい」という典型的な“下請け構造の罠”に陥っていました。

問題の核心は「利益構造の設計不在」でした。 現場単位の原価把握が曖昧で、見積・実行予算・請求の一貫管理ができておらず、 最終的な利益は“現場の出来高次第”という属人的な経営スタイルでした。

2. 改革ステップ①:原価構造の再定義

最初に着手したのは、「粗利の源泉を分解する」ことでした。 すべての工事案件を「材料費・外注費・労務費」に分解し、 現場別に利益率を算出。どの現場が赤字要因なのかを特定しました。

項目改革前改革後
材料費率52%45%
外注費率23%20%
労務費率10%10%(固定)
粗利率15%25%

原価を「可視化」したことで、どの仕入れ業者の条件が不利か、どの現場で外注費が膨らんでいるかが明確になりました。 結果、購買交渉・現場別発注の最適化によって、年間で約700万円のコスト削減を達成しました。

3. 改革ステップ②:管理会計の導入と意思決定スピードの向上

次に導入したのは「管理会計システム」。Excelとクラウドを連動させ、 月次で「現場別・担当者別・粗利率・受注残」を可視化しました。 経営会議では「売上」ではなく「粗利率」「キャッシュ残高」「原価乖離率」で意思決定。

「数字がリアルタイムで見えるようになってから、会議の質が180度変わった」 ― 社長談

さらに、社員へのインセンティブ制度を「売上」ではなく「粗利額ベース」に変更。 チーム全体で“利益を意識する文化”が根づき、利益率向上の自走が始まりました。

4. 改革ステップ③:営業構造の再構築

利益を増やすには、原価を減らすだけでなく「良質な案件を取る」ことが不可欠です。 そこで、元請け依存度を70%→50%へ引き下げるため、 自社のホームページ・SNS・紹介経路を活用した「直請け営業フロー」を設計しました。

弊社のマーケティングチーム「獅子ウェブ」と連携し、施工実績・得意分野を可視化するLPを制作。 リード獲得から受注までのコンバージョン率を3倍に引き上げ、 “安定受注”から“選ばれる下請け”への転換を実現しました。

5. 改革の成果

  • 粗利率:15% → 25%(+10pt改善)
  • 月次営業利益:+280万円増加
  • 銀行格付け:6 → 8 へ上昇
  • 内部留保:前年対比 +35%増
  • 社員の平均賞与:年2回→3回に拡充

改革の鍵は「感覚経営から構造経営への転換」でした。 現場・経理・営業の情報を一元化し、経営が“設計図で動く”仕組みをつくったことで、 単なる利益改善ではなく、企業文化そのものが変わりました。

まとめ:粗利率改善の本質は「構造設計」にある

多くの下請け企業が“気合いと根性”で経営を行う中、 粗利率25%を実現した企業は、明確な「構造」を持っていました。 原価の見える化 → 管理会計の導入 → 営業構造の再設計。 この三位一体の改革こそ、持続的に利益を残す仕組みです。

【無料相談】あなたの会社の「粗利構造」を診断します

エスエスコンサルティングが、貴社の原価構造と利益率を徹底分析し、 粗利率+10%改善を実現する構造改革プランを提案します。

無料相談を予約する

関連記事