下請け構造を“変える”時代が始まった
2025年10月22日
下請け構造を“変える”時代が始まった
「うちは下請けだから仕方ない」——その常識が、いま崩れつつあります。
建設業の中小企業が元請け依存から脱却し、“自ら価格を決める側”へと進化する時代が始まりました。
1. なぜ「下請け構造」は限界を迎えているのか
価格決定権を持たない構造では、どれだけ現場を頑張っても粗利率は上がりません。材料費・人件費・燃料費が上昇する一方で、単価は元請け主導で固定。結果として、優秀な人材も育ちにくい負の循環が続きます。
- 元請けの発注単価が上がらない
- 現場負担が増える一方、利益が残らない
- 将来の投資資金(設備・採用)が確保できない
構造を変えない限り、「がんばっても儲からない」現実は続きます。
2. 「構造改革」とは、元請けを切ることではない
多くの経営者が誤解していますが、「構造を変える」とは元請けとの関係を絶つことではありません。むしろ、元請けに選ばれる側から、“選ぶ側”へシフトするということです。
旧構造 | 新構造(下請けの味方モデル) |
---|---|
価格提示:元請け主導 | 価格設計:自社主導 |
営業:待ちの姿勢 | 営業:元請け紹介+提案営業 |
原価管理:現場任せ | 原価管理:月次KPIと連動 |
資金繰り:案件ごとに不安定 | 資金繰り:会計設計で安定化 |
3. 下請けから「選ばれる企業」への変革ステップ
- 見える化: 月次損益・工事別粗利を明確化
- 差別化: 専門領域を明示し、元請けに「頼られる理由」を作る
- 発信化: 自社の強みをWeb・SNS・紹介で発信し、直請けを増やす
「脱下請け」とは、独立ではなく“構造の再設計”である。
4. 実際の変革事例
会社名 | Before | After(1年後) |
---|---|---|
リベルタ機工 | 元請け依存90% | 直請け30%+粗利率25%→32% |
有技株式会社 | 下請け中心・年商1.5億 | 直請け増で年商3億、借入成功 |
mix-pro | 営業人員ゼロ | 営業導入で元請紹介6社 |
5. “構造”を変えるための3つの領域
- ① 営業構造: 紹介・提案・リピートの3軸を構築
- ② 財務構造: 銀行格付けを上げ、資金調達余力を確保
- ③ 人材構造: 組織的に利益を生むチーム体制へ移行
「構造改革」は経営の再構築であり、数字の結果を変える最短ルートです。
6. 下請けの味方プログラム ― 経営構造を変える実践支援
エスエスコンサルティングでは、建設業に特化した経営支援プログラム「下請けの味方」を通じ、構造改革を実践的に支援しています。
- 初期設計: 経営構造診断・元請紹介設計
- 実装支援: 月次KPI設計・Web導線構築
- 改善運用: 銀行格付け改善・資金繰り安定化