No.87 職人の日当は「移動時間」に消えている。現場への直行直帰と資材配送の工夫で、1日2時間の利益を生み出す方法
2026年1月3日
No.87 職人の日当は「移動時間」に消えている。現場への直行直帰と資材配送の工夫で、1日2時間の利益を生み出す方法
「鈴木さん、うちの職人は朝が早くてねぇ。毎日6時に事務所に集まって、それから車で現場に向かうんだ。真面目なもんだろう?」
ある土木会社の社長が、自慢げにこう話してくれました。しかし、私はその言葉を聞いて、心の中で「もったいない!」と叫びました。
社長、はっきり言わせてください。
その「朝6時集合」の習慣が、あなたの会社の利益をドブに捨てている最大の原因かもしれません。
職人の日当は、現場で「手を動かしている時間」に対して支払われるものです。
渋滞に巻き込まれてイライラしている時間や、事務所で資材を積み込んでいる時間には、1円の価値もありません。
今回は、建設業界の悪しき習慣である「移動のムダ」を徹底的に削減し、職人の稼働時間を最大化して、1日2時間分の新たな利益を生み出すための具体的な方法をお話しします。
「移動時間」は、コストそのものである
まずは、現実を直視しましょう。
例えば、職人5人が事務所に集まり、トラックで往復2時間かけて現場に行くとします。
5人×2時間=合計10時間。毎日、職人一人分以上の労働時間が、ただ移動するためだけに消費されているのです。
これを金額に換算したら、年間で数百万円、規模によっては一千万円を超える損失になります。
「昔からの習慣だから」で済ませていい金額ではありません。
利益を生む「直行直帰」の3つの壁と、その突破口
「直行直帰がいいのは分かるけど、うちは無理だよ」と、多くの社長は言います。
その理由(壁)は、主にこの3つです。しかし、これらは全て突破可能です。
壁1:「道具や資材はどうするんだ?」 → 配送を外注化せよ
最大のネックはこれです。しかし、職人が資材運びの運転手になる必要はありません。
突破口:
資材や大型工具は、前日までに現場に配送しておく仕組みを作ります。
・運送会社と契約して、定期便で配送してもらう。
・資材置き場(ストックヤード)を現場の近くに借りる。
・手が空いているシニア人材やアルバイトを「配送専門スタッフ」として雇う。
配送コストはかかりますが、職人5人の移動時間の人件費と比べれば、はるかに安上がりなはずです。
壁2:「朝礼や打ち合わせはどうするんだ?」 → ITでオンライン化せよ
「顔を合わせないと伝わらない」は、思い込みです。
突破口:
・朝礼は、現場に着いてからスマホのビデオ通話(LINE WORKSやZoomなど)で行う。
・図面や指示書は、クラウドで共有して、各自のスマホやタブレットで確認できるようにする。
・日報も、帰宅後にスマホから音声入力で送信する。
これなら、事務所に寄る必要は一切ありません。
壁3:「職人がサボるんじゃないか?」 → 性善説+管理ツールで対応せよ
「直行直帰だと、何時に現場に着いたか分からない」という不安もあるでしょう。
突破口:
・スマホのGPS機能を使った勤怠管理アプリを導入し、現場到着時と退出時に打刻させる。
・「現場に着いたら、作業前の写真をグループLINEに送る」というルールを作る。
最初は抵抗があるかもしれませんが、「移動が楽になって、早く帰れる」というメリットを理解すれば、職人も協力してくれるはずです。
まとめ:職人を「運搬係」から解放せよ
職人は、物を運ぶプロではありません。現場で価値を生み出すプロです。
彼らを運転席から解放し、本来の仕事に集中させてあげてください。
移動時間が減れば、職人の体力的負担も減り、残業も減ります。
結果として、離職率が下がり、若い人材も集まりやすくなるでしょう。
社長、明日から「事務所集合」を禁止にしてみませんか?
その決断が、会社の未来を大きく変える一歩になるはずです。
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