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No.80 いきなり新築元請けは無理でも、「小さな修繕」なら今日から取れる。下請けが最初の「直接客(エンド)」を掴む戦術

2025年12月27日

No.80 いきなり新築元請けは無理でも、「小さな修繕」なら今日から取れる。下請けが最初の「直接客(エンド)」を掴む戦術

「鈴木さん、うちもいつかは元請けの言いなりじゃなく、お客さん(施主)と直接やり取りして、納得のいく単価で仕事がしたいですよ。でもね…」

私が「下請けからの脱却」を提案すると、多くの社長がこう言って口ごもります。
「営業マンもいないし、設計もできない。いきなり新築や大規模リフォームなんて取れるわけがない。何から始めればいいか、さっぱり分からないんです」

社長、その感覚は正しいです。ずっと現場で腕を磨いてきた職人集団が、いきなりハウスメーカーの真似事をしようとしても、火傷するだけです。
営業力、資金力、アフターフォロー体制…土俵が違いすぎます。

でも、だからといって「一生、下請けのままでいい」と諦める必要はありません。

あなたには、大手ハウスメーカーの営業マンが逆立ちしても勝てない「最強の武器」があります。
それは、現場で培ってきた「本物の技術」です。

今回は、その技術を活かして、今日からでも「最初の直接客(エンドユーザー)」を獲得するための、具体的かつ現実的な戦術をお話しします。
狙うのは、新築ではありません。「小さな修繕」です。

なぜ「小さな修繕」が、最強の入り口になるのか?

「えっ、雨樋の修理とか、壁紙の補修とか、そんな面倒な小仕事をやれって言うの?」

そう思った社長、考え方を180度変えてください。
その「面倒な小仕事」こそが、下請け脱却の鍵を握る「宝の山」なのです。

① 競合がいない「ブルーオーシャン」

大手リフォーム会社や工務店は、数万円の小さな工事を嫌がります。利益が薄く、手間ばかりかかるからです。
一方、お客さんは「どこに頼めばいいか分からない」と困っています。便利屋では技術が不安だし、シルバー人材センターでは高所作業ができない。

ここに、プロの職人集団であるあなたの会社が入り込む隙(すき)があります。
「小さな困りごとを、プロの技術で、適正価格で解決してくれる」。これだけで、お客さんにとっては救世主なんです。

② 絶大な「信頼」を獲得できる

トイレの水漏れ、台風で外れた波板、ドアの建付け不良…。お客さんにとって、日常の小さな不便は大きなストレスです。
それを迅速に、きれいに直してあげたらどうなるか。

「ありがとう、本当に助かったわ!」と感謝され、絶大な信頼を得られます。
この信頼関係さえ築ければ、将来その家で外壁塗装や水回りのリフォームが必要になったとき、真っ先に声をかけてくれるのは誰でしょうか? 間違いなくあなたです。

つまり、小さな修繕は、将来の大きな仕事につながる最強の「ドアノックツール(入口商品)」なのです。

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今日から始める、直接客獲得の「3ステップ戦術」

では、具体的にどう動けばいいのか。難しいマーケティング理論は必要ありません。泥臭く、確実にいきましょう。

ステップ1:自社の「強み」を活かせる修繕メニューを作る

「何でも修理します」はダメです。何屋か分からなくなります。
自社の本業の技術を活かせて、かつ、一般のお客さんが困っているメニューに絞り込みます。

  • 塗装・防水屋なら → 「雨樋の詰まり・破損修理」「ベランダのひび割れ補修」
  • 内装屋なら → 「壁の穴・傷の補修」「ふすま・障子の張り替え」
  • 大工・工務店なら → 「建具の調整」「棚板一枚の取り付け」「手すりの設置」

ポイントは「プロにしかできない(素人DIYでは難しい)が、プロならすぐに終わる仕事」を選ぶことです。

ステップ2:半径2キロの「ご近所」に存在を知らせる

遠くの客を狙う必要はありません。まずは車で10分〜15分で駆けつけられる、地元の商圏に絞ります。

  • チラシを撒く:手書きでも構いません。「近くの〇〇工務店です。電球交換ひとつから、プロがお伺いします」と、顔写真入りでポスティングします。
  • Googleビジネスプロフィールに登録する:「地域名+修理」で検索されたときに表示されるよう、無料のGoogleマップ情報に登録し、修繕メニューの写真を載せます。
  • 現場の足場幕や看板を活用する:元請けの仕事中も、「小さな修繕承ります(直通電話〇〇)」と書いた小さな看板を出しておく(もちろん元請けの許可は必要ですが、嫌がる監督ばかりではありません)。

ステップ3:プロの対応で「リピーター」に変える

いざ依頼が来たら、ここが勝負です。技術が良いのは当たり前。
一般のお客さんは、職人の「態度」や「マナー」を厳しく見ています。

  • 約束の時間を守る。
  • 清潔な作業着で訪問し、元気よく挨拶する。
  • しっかり養生し、作業後は来たときよりもきれいにして帰る。

この「安心感」を提供できれば、お客さんは必ずリピーターになり、近所の人にも口コミで広げてくれます。

▼ 関連記事:職人のマナーが会社の価値を決める
No.82 汚いトラックと作業着が、会社の「信用」を落としている。1円もかけずに単価を上げる、現場の「見せ方」改革
※リンク先は仮定のものです

まとめ:修繕は「面倒な小仕事」ではない。未来の種まきだ

社長、下請け根性は捨てましょう。
これからは、あなたの会社が主役です。

小さな修繕の依頼電話が鳴ったとき。それが、あなたの会社が「下請け工事業者」から「地域に愛されるサービス業」へと生まれ変わる、最初の合図です。

馬鹿にせず、たった一人の目の前のお客さんの困りごとを、全力で解決してあげてください。
その積み重ねが、やがて元請けに依存しなくても食っていける、強い会社の基盤になるのです。


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