No.24 「いつかは元請けに」その夢は、準備なしだと悪夢になる。下請け脱却で失敗する社長の3つの誤算
2025年11月26日
「いつかは元請けに」その夢は、準備なしだと悪夢になる。下請け脱却で失敗する社長の3つの誤算
「元請けに中抜きされるのはもう嫌だ。これからは自分たちで直接客を取る」
「リフォーム需要があるから、下請けを辞めてBtoCに転換したい」
利益率の低い下請け仕事に疲れた社長が、一度は夢見る「元請け化(直請け)」。
その心意気は素晴らしいですが、勢いだけで看板を上げると、半年後には資金がショートして地獄を見ることになります。
なぜなら、「モノを作る能力(施工)」と「モノを売る能力(集客・営業)」は、全く別のスキルだからです。
今回は、多くの下請け社長が陥る「元請け化の誤算」と、失敗せずに商流を変えるための現実的なステップについて解説します。
誤算1:「いい腕があれば、客は勝手に来る」という幻想
下請け時代は、元請けが営業して仕事を取ってきてくれました。
しかし、元請けになると、誰も仕事を持ってきてくれません。
「うちは技術があるから」とチラシを撒いても、Webサイトを作っても、知名度のない工務店に電話が鳴ることはありません。
元請けになるということは、「施工会社」から「マーケティング会社」に生まれ変わるということです。
年間数百万円単位の広告宣伝費をかけ、反響を分析し、見込み客を追いかける。
この「集客の仕組み」を作る覚悟と予算がないなら、元請け化は諦めた方が賢明です。
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誤算2:個人客(エンドユーザー)は「神様」のように厳しい
プロ同士(BtoB)の取引なら、「ここの納まりはこうなるのが常識」で通じましたが、素人である個人客(BtoC)には通じません。
「イメージと違う」「壁紙の継ぎ目が気になる」「職人の態度が怖い」
日曜日の夜だろうと構わず電話がかかってきて、細かなクレーム対応に追われることになります。
あなたの会社の職人は、お客様の家のリビングで、笑顔で挨拶ができますか?
もし「職人は腕さえ良ければいい」と思っているなら、直接取引はトラブルの元です。CS(顧客満足)意識の低い会社は、口コミであっという間に悪評が広まります。
誤算3:入金サイトが変わり、資金繰りが死ぬ
下請けなら「月末締め翌月末払い」などで定期的に入金がありましたが、元請け工事(特にリフォーム)は「完工後払い」や、集金の手間が発生します。
さらに、広告費やショールーム維持費などの「先行投資」が必要です。
売上はまだ上がっていないのに、経費だけが出ていく。
この「死の谷(デスバレー)」を乗り越えるだけのキャッシュがなければ、夢の元請け化が原因で倒産することになります。
正解は「いきなり元請け」ではなく「ハイブリッド」
失敗しないための唯一の戦略は、「下請け仕事を8割残しながら、2割の力で元請け事業を育てる」ことです。
いきなり元請け100%を目指してはいけません。
下請けで固定費を稼ぎつつ、WebサイトやSNSで少しずつ直接受注を増やし、ノウハウと実績を蓄積する。
そして、直接受注の比率が安定してきたら、徐々に下請けの比率を下げていく。
この「グラデーション」こそが、最も安全で確実な下請け脱却のロードマップです。
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