成長企業が実践する「管理会計×経営会議」運用法
- 経営構造
「毎月の経営会議が、単なる『過去の報告会』になっていないか?」
年商5億円から10億円へのスケールを目指す建設業社長にとって、最大の障壁は「意思決定の遅れ」です。現場は忙しく稼働しているのに、月末に締めてみなければ利益が出ているかわからない。この状態は、目隠しをして高速道路を走るようなものです。
本稿では、成長企業が例外なく導入している「管理会計」をベースとした経営会議の運用手法について、その構造と実践手順を解説します。
1. 問題提起:なぜ、あなたの会社の会議は「何も決まらない」のか
多くの下請け建設企業において、経営会議は「試算表(決算書)」を確認する場になっています。しかし、ここに構造的な欠陥があります。
税理士が作成する財務会計(試算表)は、あくまで「過去の税務申告用」のデータであり、「未来の経営判断」に使うためのデータではないからです。
「先月は赤字だった」「資材費が上がった」と過去を嘆いても、数字は1円も改善しません。必要なのは、過去の解釈ではなく、未来の制御です。
2. 本質:経営会議とは「コックピット」である
経営会議の目的は、報告ではなく「軌道修正(Navigation)」です。
具体的には、進行中の現場の「着地見込み(予想最終粗利)」を週次でモニタリングし、目標粗利を下回りそうな現場に対して、即座に追加請求やコスト削減の指示を出す場であるべきです。
これを実現するために不可欠なのが、独自の「管理会計シート」です。
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明日からの会議にご活用ください。
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3. 仕組み:データを意思決定に変える3ステップ
では、具体的にどのようなデータをどう扱えばよいのか。外資系コンサルティングファームが導入支援を行う際の標準フレームワークは以下の通りです。
Step 1. ユニット・エコノミクス(単位別採算)の可視化
会社全体の売上ではなく、「現場ごと」「顧客ごと」の粗利率を算出します。ドンブリ勘定を廃止し、実行予算と実績の差異を毎週更新します。
Step 2. 「異常値」のアラート設定
全ての現場を議論する必要はありません。「粗利率が当初予算より5%低下した現場」や「追加工事の承認が未完了の現場」のみを抽出し、会議の議題とします。
Step 3. 具体的アクションの決定
会議のゴールは「誰が、いつまでに、何をするか」を決めることです。「頑張って利益を出そう」ではなく、「A現場の追加工事見積もりを、金曜日までにB社へ提出する」というレベルまで落とし込みます。
4. 成功事例:年商7億企業のV字回復
実際にある地方の建設会社(年商7.2億円)が、この管理会計システムを導入した結果です。
- 課題:売上は伸びていたが、資金繰りが悪化。不採算現場が後から発覚することが常態化していた。
- 施策:「週次粗利管理シート」を導入し、毎週月曜朝に30分の経営会議を実施。粗利20%未満の案件に対し、即座に是正処置(交渉または撤退)を行った。
- 成果:半年で全社粗利率が18%→22%へ改善。営業利益は前年比140%を達成。
まとめ:経営の再現性は「データ」で作られる
年商10億円の壁を越える企業と、そこで停滞する企業の違い。それは、社長のカリスマ性ではなく、「誰がやっても同じ判断ができる仕組み(管理会計)」を持っているかどうかです。
まずは会議のやり方を変えてください。過去の報告をやめ、未来の利益を作るための「コックピット」を構築しましょう。
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