CFOが語る『経営者の資産承継戦略』
2025年11月15日
CFOが語る『経営者の資産承継戦略』
会社の資産と経営者個人の資産をどう守り、どう引き継ぐか。これは単なる“相続”ではなく、“経営設計”の問題です。CFO視点で「会社・家族・金融機関」を同時に納得させる資産承継戦略を体系的に解説します。
無料財務相談を予約する序章:なぜ“資産承継”は経営課題なのか
経営者の資産承継は「相続対策」と混同されがちですが、本質は異なります。 相続は「分け方」ですが、資産承継は「残し方」です。 税金を減らすことではなく、会社・家族・後継者が次世代でも成長できる“資産構造”を設計することが目的です。
建設業をはじめとする中小企業では、社長個人の保証・担保・不動産が会社と密接に絡み合っています。 つまり、“会社の資産”と“経営者の資産”は切っても切れない構造になっているのです。
第1章:経営者の資産は「5つの層」で構成されている
CFOの視点から見れば、経営者の資産とは単なる現金や不動産だけではありません。 以下の5つの層で管理する必要があります。
| 層 | 内容 | 主な承継課題 |
|---|---|---|
| ① 事業資産 | 会社の現預金・機械設備・在庫など | 事業評価・後継者への移転 |
| ② 株式資産 | 自社株・持株会社株 | 評価引下げ・分散防止・議決権設計 |
| ③ 個人資産 | 不動産・保険・現預金・個人保証 | リスク分離・節税設計 |
| ④ 家族資産 | 配偶者・子の保有資産 | 資金偏在・連帯保証リスク |
| ⑤ 経営資産 | 信用・知識・人脈・信頼 | 引継ぎ・教育・文化共有 |
この5層を一体で整理しなければ、承継後に“バランスが崩れる”リスクが高まります。
第2章:税理士では語れない「経営としての承継戦略」
税理士が扱うのは税の最適化、銀行が見るのは融資安全性。 しかしCFOが見るのは“経営全体のバランス”です。 税を減らしても資金が詰まれば意味がなく、融資が通っても後継者が育っていなければ承継は崩壊します。
CFO視点では、承継戦略を次の3視点で見ます。
- ① 財務視点:自社株・債務・保証を含めた“経営者B/S”を可視化。
- ② 組織視点:後継者の権限委譲と報酬構造を連動。
- ③ 感情視点:家族間・幹部間の“感情の承継”も設計対象。
第3章:資産承継の成否を分ける「経営者B/S」の整備
資産承継の出発点は、経営者の「個人バランスシート(経営者B/S)」です。 会社と個人の資産・負債を統合した“見える化”が、承継のすべてを決めます。
3-1. 経営者B/Sに含めるべき7項目
- 自社株評価
- 借入金の個人保証額
- 保険解約返戻金
- 賃貸・自社所有不動産
- 相続税評価額
- 退職金予定額
- 後継者への贈与計画
第4章:5ステップで実践する資産承継プロセス
- STEP1:経営者B/Sの作成(個人と会社の資産・負債を整理)
- STEP2:株式評価・財務シミュレーション
- STEP3:後継者への分散リスクの回避(議決権・役職設計)
- STEP4:信託・保険・M&Aなどツールの選定
- STEP5:CFO・税理士・金融機関を交えた年次レビュー
この5ステップを「経営計画」として年次化すれば、税務対策ではなく“経営承継”として機能します。
第5章:資産承継を成功させるCFOの役割
CFOは、経営者・税理士・銀行・家族をつなぐ“翻訳者”です。 数字を感情に変え、リスクを計画に変換することが仕事です。
特に建設業では、個人保証・買掛・支払サイトが複雑に絡み、承継時の資金リスクが大きくなります。 CFOはこの構造を俯瞰し、銀行との対話で格付けを維持しながら、リスク移転を段階的に設計します。
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