フランチャイズビジネスを構築する強みとは何か？本部構築のフローも解説
2023年4月14日
フランチャイズビジネスは、起業や事業拡大を考える際に注目されるビジネスモデルの一つです。
しかし、フランチャイズビジネスを展開するには、その仕組みや特徴を把握し、運営上の注意点や課題にも目を向ける必要があります。
本記事では、フランチャイズビジネスの市場規模や本部側の強み、注意点、フローなどについて解説します。
フランチャイズビジネスとは
フランチャイズビジネスとは、フランチャイズ本部が持つビジネスモデルやブランド価値をフランチャイジー（加盟店）に提供し、加盟店が独立して事業を展開するビジネスモデルのことです。
加盟店は、フランチャイズ本部からビジネスモデル、ブランドイメージ、経営ノウハウ、商品やサービスの提供、広告などの支援を受けながら、独立して経営します。
フランチャイズ本部は、加盟店からロイヤリティなどの収益を得られ、短期間で大きなマーケットシェアを獲得できます。
一方で、加盟店が不振に陥った場合には、全体の売り上げが下がるという注意点もあります。
フランチャイズの市場規模
日本全体のフランチャイズの市場規模はどれくらいなのでしょうか。
ここで、過去10年のデータを紹介します。
「フランチャイズチェーン統計調査」（LINK）を元に弊社作成
このグラフから分かるように、2019年度から2020年度にかけてはパンデミックの影響で売上が落ち込みましたが、市場環境の変化に柔軟に対応した結果、他の年度においては右肩上がりに成長を続けています。
フランチャイズビジネスの本部側の強み
フランチャイズビジネスの本部側の強みは、多くの加盟店が自社ブランドの下で統一的な商品やサービスを提供することで、顧客に対してブランド価値を高められる点です。
それに加えて、下記のようなポイントがあります。
- ロイヤリティで収益を得られる
- 短期間でマーケットシェアを獲得できる
- 自社資本を抑えて事業拡大を目指せる
- 地域ごとの戦略を立てられる
以下で順番に詳しく見ていきます。
ロイヤリティで収益を得られる
フランチャイズビジネスにおいて、本部側が収益を得る方法の一つが、加盟店からのロイヤリティです。
ロイヤリティは、加盟店が自社ブランド名や商品、サービスを使用し、その対価として支払うもので、本部側が提供する支援やノウハウを受けることが条件となります。
このロイヤリティは、フランチャイズ本部にとって安定した収益源となるため、投資リスクが少ないとされます。
また、フランチャイズビジネスは加盟店が独立した事業者として活動するため、本部側は自社での店舗展開とは異なり、自己資金による投資リスクが少なく、比較的少ないコストで事業拡大が可能となります。
一方で、加盟店の経営が不振に陥った場合には、ロイヤリティの減少に繋がることがあるため、加盟店の管理や支援が重要です。
短期間でマーケットシェアを獲得できる
短期間で大きなマーケットシェアを獲得できる点も、フランチャイズビジネスの本部側の強みの一つです。
フランチャイズ本部は、加盟店にブランドイメージやビジネスモデルを提供することで、多くの加盟店を獲得しやすくなります。
加盟店には、開業前にトレーニングを受けたり、マニュアルに従って運営することが求められるため、既にブランド認知度が高いとされるフランチャイズビジネスは、独立開業するよりも安定した経営を見込め、起業のハードルが低いとされます。
よって、短期間で多数の加盟店を開業させ、全国的な展開を実現でき、ビジネスの拡大や事業成長を目指す企業にとっては魅力的なビジネスモデルとなっています。
しかし、加盟店の数が増加しすぎると、本部側の管理が困難になるため、適切な加盟店の選定や、加盟店の経営サポートが重要です。
自社資本を抑えて事業拡大を目指せる
フランチャイズビジネスの本部側の強みの一つに、自社資本を抑えて事業拡大を目指せる点もあります。
フランチャイズビジネスでは、加盟店には独立した経営を求められるため、本部側は経営面での責任を分散できます。
そのため、フランチャイズ本部は自社資本を抑えて事業拡大を実現し、利益を最大化できます。
地域ごとの戦略を立てられる
地域ごとの戦略を立てられる点もフランチャイズビジネスの強みです。
フランチャイズ本部は、加盟店を展開する地域ごとに、市場環境や顧客ニーズなどを分析し、最適な展開戦略が立てられます。
例えば、都市部と地方では、消費者の嗜好や生活習慣、所得水準などが異なるため、その地域に合った商品やサービス、プロモーション戦略などを考慮する必要があります。
このように、地域ごとに異なる戦略を立てることで、より効率的な展開が実現でき、競争力の強いフランチャイズビジネスを構築できます。
フランチャイズビジネスの本部側の注意点
フランチャイズビジネスの本部側にも、注意点があります。
- 加盟店の不振で全体の売り上げが下がる
- ノウハウの伝達に労力を割く必要がある
- 加盟店募集の広告費がかかる
- 自社である程度実績がないと成り立たない
これらの注意点に対処するためには、加盟店の適切な選定や支援、ノウハウの伝達、広告戦略の構築などが必要となります。
以下で順番に詳しく見ていきます。
加盟店の不振で全体の売り上げが下がる
フランチャイズビジネスは、本部側がブランドイメージやビジネスモデル、商品やサービスを提供し、加盟店がそれらを活用して事業を展開することで、両者が共に利益を得られるビジネスモデルです。
そのため、加盟店の経営状況が悪化すると、本部側の収益にも悪影響が及ぶことがあります。
加盟店の不振を防ぐためには、加盟店の適切な選定や、トレーニングやマニュアルの提供、広告戦略の構築などが必要です。
また、本部側が加盟店の事業状況に対して迅速かつ適切に対応することで、フランチャイズビジネスの健全な運営を実現できます。
ノウハウの伝達に労力を割く必要がある
フランチャイズビジネスでは、本部側が加盟店に対して、ビジネスモデルや営業戦略、商品やサービスの提供方法など、成功のために必要なノウハウを伝えることが求められます。
そのため、本部側はトレーニングやマニュアルの作成、セミナーや研修の実施、加盟店の経営サポートなど、多くの労力を割く必要があります。
ノウハウの伝達においては、本部側が加盟店とのコミュニケーションを密にし、問題点を共有し、改善策を提案することが求められます。
加盟店募集の広告費がかかる
フランチャイズビジネスの成長には、加盟店数の増加が不可欠であり、そのためには広告費の投資が必要です。
広告費は、加盟店募集のための広告宣伝費用や、展示会やセミナーなどのイベント参加費用が含まれます。
また、フランチャイズビジネスにおいては、本部側が加盟店を選定するために、広告媒体を利用して募集要項を配信することもあります。
このように、広告費用をかけることで、本部側は加盟店を増やし、フランチャイズビジネスの成長につなげられます。
ただし、広告費用の投資にあたっては、適切な広告媒体の選定や、効果測定などが必要です。
自社である程度実績がないと成り立たない
フランチャイズビジネスは、本部側が加盟店に対してビジネスモデルやノウハウを提供し、加盟店がそれを活用して事業を展開することで、両者が共に利益を得るビジネスモデルです。
そのため、フランチャイズビジネスを展開するためには、本部側が自社でビジネスモデルを確立し、それを実践して一定の実績を積み上げることが求められます。
加盟店が本部側の提供するビジネスモデルを信頼し、それを活用して事業を展開するためには、本部側が自身でそのビジネスモデルを実践して成功していることが必要だからです。
フランチャイズ本部構築のフロー
フランチャイズ本部構築のフローは、以下のような順番になります。
- コンセプトワーク
- プロトタイプ店による検証
- フランチャイズパッケージの構築
- 契約内容の確立
- 加盟店への意識統一のためのマーケティング
このように、フランチャイズビジネスを展開するには、本部側が徹底的な計画と準備が必要です。
以下で順番に詳しく見ていきます。
コンセプトワーク
フランチャイズ本部構築のフローの中で最初に進めるのが、コンセプトワークです。
コンセプトワークとは、ビジネスモデルの基本的な考え方をまとめることであり、そのビジネスモデルが展開する事業においてどのような価値を提供するのか、どのような顧客層をターゲットにするのか、どのようなサービスや商品を提供するのか、などを言葉で明確化する作業です。
コンセプトワークは、フランチャイズビジネスの成功にとって非常に重要な作業であり、本部側は十分な時間をかけて取り組むことが求められます。
プロトタイプ店による検証
フランチャイズ本部構築のフローの中で、次に進めるのがプロトタイプ店による検証です。
プロトタイプ店とは、フランチャイズビジネスを展開する際に、最初に開設される店舗のことであり、展開するビジネスモデルを実際に試し、改善するための重要な役割を果たします。
プロトタイプ店による検証は、ビジネスモデルの実践的な検証ができるため、ビジネスモデルの改善や課題の解決策を見つけるために欠かせない作業です。
また、プロトタイプ店は、加盟店に対しても重要な役割を果たします。
プロトタイプ店での成功事例を元に、加盟店にビジネスモデルの実践方法や成功の秘訣を伝えられ、加盟店の成功につながるため、本部側はプロトタイプ店に注力することが必要です。
フランチャイズパッケージの構築
フランチャイズ本部構築のフローの中で、次に進めるのがフランチャイズパッケージの構築です。
フランチャイズパッケージとは、本部側が加盟店に提供するビジネスモデルや運営方法、ノウハウ、マニュアルなどをまとめたものであり、加盟店がフランチャイズビジネスを展開するための基礎となります。
フランチャイズパッケージを構築するためには、本部側が展開するビジネスモデルを細かく分析し、加盟店に提供する必要な情報をまとめることが必要です。
また、フランチャイズパッケージには、加盟店のビジネス運営に必要な情報だけでなく、加盟店のマーケティングや広告活動に必要な情報も含める必要があります。
フランチャイズパッケージは、加盟店の事業成功に不可欠なものであるため、本部側は慎重に作成することが求められます。
契約内容の確立
フランチャイズ本部構築のフローの中で、次に進められるのが契約内容の確立です。
契約内容とは、本部と加盟店との間で取り交わされる契約書のことであり、加盟店がフランチャイズビジネスを展開する際のルールや条件が明確に記載されています。
契約内容を確立することで、加盟店と本部の間でトラブルが発生する可能性を減少できます。
契約内容の中には、加盟店に対する支援内容やサポート、加盟店が守るべきルールや手続きなどが含まれます。
本部側は、契約内容を十分に検討し、加盟店との間で不必要なトラブルが発生しないような内容を確立する必要があります。
また、契約内容は、フランチャイズビジネスの成功に直結する重要な要素の1つであり、本部側は適切な契約内容を確立することで、加盟店の信頼を得られます。
加盟店への意識統一のためのマーケティング
フランチャイズ本部構築のフローの中で、最後に進めるのが加盟店への意識統一のためのマーケティングです。
加盟店への意識統一とは、フランチャイズビジネスを展開する加盟店が本部側のビジネスモデルや運営方法に共感し、その実践に向けて取り組んでいくことを指します。
本部側は、加盟店に対して意識統一を図るためのマーケティング活動を展開する必要があります。
具体的には、本部側が加盟店に提供するマニュアルやトレーニングを充実させることで、加盟店が本部側のビジネスモデルや運営方法に共感しやすくなるようにすることが求められます。
また、本部側は、加盟店同士の交流会を開催することで、加盟店同士が情報交換をし、意識の統一ができます。
加盟店への意識統一は、フランチャイズビジネスの成功に欠かせない要素の1つであり、本部側は積極的に取り組むことが必要です。
フランチャイズビジネスの悩みは経営コンサルタントに依頼すべき
フランチャイズビジネスを展開する際には、さまざまな問題や悩みが発生することがあります。
そのようなときには、経営コンサルタントに依頼することが有効です。
経営コンサルタントは、企業の経営に関するアドバイスを行う専門家であり、フランチャイズビジネスの展開においても有用なアドバイスを提供できます。
具体的には以下のようなメリットがあります。
- ビジネスモデルを第三者視点で指摘してもらえる
- フランチャイズビジネス以外のマネタイズの方法を教示してもらえる
- 運営における課題抽出を手伝ってもらえる
以下で順番に詳しく見ていきます。
ビジネスモデルを第三者視点で指摘してもらえる
フランチャイズビジネスを展開する際には、ビジネスモデルの見直しや改善が必要となることがあります。
そのようなときには、経営コンサルタントにビジネスモデルを第三者視点で指摘してもらうことが有効です。
経営コンサルタントは、フランチャイズビジネスに精通しており、ビジネスモデルの改善点を指摘できます。
例えば、ビジネスモデルの収益性の改善や、新たな事業展開のアイデアなどを提供してもらえます。
ビジネスモデルの改善は、フランチャイズビジネスの成長にとって重要な要素の1つであり、経営コンサルタントのアドバイスを受けることで、ビジネスモデルの改善や拡大につながることが期待できます。
フランチャイズビジネス以外のマネタイズの方法を教示してもらえる
経営コンサルタントに依頼するメリットの1つは、フランチャイズビジネス以外のマネタイズの方法を教示してもらえる点です。
優秀な経営コンサルタントは、幅広い業界やビジネスモデルに精通しており、フランチャイズビジネス以外のビジネス展開に関するアドバイスを提供できます。
例えば、インターネットビジネスやオンラインショップの立ち上げ、フランチャイズ以外の事業展開など、様々なアイデアを提供してもらえます。
フランチャイズビジネス以外のマネタイズの方法を教示してもらうことで、ビジネス展開の幅を広げられ、新たなビジネスチャンスを見つけられるかもしれません。
運営における課題抽出を手伝ってもらえる
フランチャイズビジネスを展開する上で、運営に関する課題が発生することがあります。
そのようなときには、経営コンサルタントに依頼して課題抽出を手伝ってもらうことが有効です。
経営コンサルタントは、フランチャイズビジネスに関する豊富な知識と経験を持ち、運営上の問題点を抽出できます。
例えば、店舗運営における問題や、集客力の向上など、運営に関する多くの課題についてアドバイスを受けられます。
また、経営コンサルタントは、問題の根本原因を見つけ出し、解決するための具体的なアドバイスも提供してくれます。
経営コンサルタントに課題抽出を手伝ってもらうことで、フランチャイズビジネスの運営上の課題解決につながることが期待できます。
エスエスコンサルティングのフランチャイズに関する事例
フランチャイズビジネスを開始したい方に向けて、弊社の支援事例をご紹介いたします。
これから、フランチャイズビジネスをしたいという方で事例が気になった方は参考にしてみてください。
チキンワークス
チキンワークスは、健康的で美しい身体作りにつながるチキンをメインとしたダイエット・トレーニングフードを提供する会社です。
当社の支援開始時点では、白金店・自由が丘店・外苑前店の3店舗で年商は1.5億円ほどでした。
コンサルティング開始し、以下の施策を実施。
- LP施策
- SNS運用
- 営業支援
- 営業実行
支援を続け、施策開始から3年でフランチャイズ店舗が15店舗に増え、年商も7億円まで伸びています。
フランチャイズビジネスに悩んだら経営コンサルタントに依頼しよう
フランチャイズビジネスは、多くの経営課題や困難が発生することがあります。
そのようなときには、経営コンサルタントに依頼してアドバイスを受けることが有効です。
経営コンサルタントは、豊富な経験や知識を持ち、フランチャイズビジネスの課題解決に取り組んでいます。
経営コンサルタントに依頼することで、より効率的にビジネスを運営するための知見を得られます。
フランチャイズビジネスに悩んだら、迅速かつ適切なアドバイスを提供してくれる経営コンサルタントに依頼して、ビジネスの発展に取り組んでみてはいかがでしょうか。
エスエスコンサルティングでは随時ご相談を受け付けております。お気軽にご連絡ください。
