DXの推進における中小企業が抱える課題とは?実際に現場が抱える問題も解説
2023年2月17日中小企業でDXを推進するに当たっては、リソース不足や技術的なノウハウ不足など、大企業とは異なる課題があります。
しかし、DX推進は決して実現不可能な課題ではありません。
適切なアプローチを選択していくことで、必ず達成できます。
本記事では、中小企業がDX推進に向けて直面する課題と、それらを克服するためのヒントについて解説します。
そもそもDXとは
まず、DXとは何かを確認しておきます。
DXとは英語のDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略で、企業がデジタル技術を活用して業務のプロセスを改革することを指します。
しばしばSNSやブログなどで「DX化」と言われたりしますが、DXの中に「変化する」という意味合いが含まれているので正しい用法ではありません。
「デジタル化」、または「DX推進」というのが正確な用法なので注意しましょう。
DX推進する際に企業が抱える課題
DX推進に向けて、第一歩を踏み出すことが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな方に向けて、DX推進に向けた第一歩を踏み出すためのヒントとして、実際に企業が抱える課題について解説します。
- どこから手を付ければ良いかわからない
- ツールを導入しても運用方法がいまいち掴めない
- ツールの比較方法が難しい
以下で順番に詳しく見ていきます。
どこから手を付ければ良いかわからない
DX推進は一種の流行り言葉・バズワードになっているので、ニュースなどで耳にして、「DXを進めたい、やってみたい」と感じる企業の担当者も多いでしょう。
しかし、「どこから手を付ければ良いかわからない」というのは、実はよくある悩みです。
巷にはDXに関わるツールやサービスが溢れていますが、どのツールやサービスから検討すればよいのか、どれが自社に合っているのか、企業担当者の悩みのタネになっています。
ツールを導入しても運用方法がいまいち掴めない
実際にツールを導入したはいいけれど、運用方法がよく分からないというのも非常に多い悩みです。
DX推進に向けてツールを導入することは大切ですが、適切な運用方法の把握が難しい場合もあります。
手を動かしながら運用方法を学ぶのが基本ですが、ツールのマニュアルやトレーニングを利用することや、専門家に相談することも解決に繋がります。
ツールの比較方法が難しい
DX推進に向けてツールの選定は重要なステップですが、比較が難しいケースもあります。
市場には多種多様なツールが存在し、どれが最適か判断が困難な場合があるので、時に専門性の高いプロに相談しましょう。
DXを推進する上でまず企業が始めるべきこと
ここからは、DXを推進する上でまず企業が始めるべきことについて解説します。
- アナログな業務で困っていることの洗い出し
- DX推進における社員の課題を抽出
- DXを推進することで得られるメリットを社員に理解してもらう
- 価格ではなく機能性を重視して選ぶ体制をつくる
- 社内で解決すると思うことを辞めること
以下で順番に詳しく見ていきます。
アナログな業務で困っていることの洗い出し
まずは、現行のアナログな業務における課題を洗い出しましょう。
従業員に対してアンケート調査を行ったり、現場にヒアリングを行うことで洗い出しが可能です。
数多くある業務の中から、最も困っていることを洗い出すことが大切です。
アナログな業務は手間がかかり、ミスも多いという問題点があります。
これらの課題を把握することで、DX推進の方針を明確化できます。
DX推進における社員の課題を抽出
社員の課題を抽出することは、DX推進の上で非常に重要です。
社員が困っていることを把握することで、DX推進の方針を明確化し、適切なツールや方法を選ぶことができます。
具体的には、作業の流れや業務効率、データ管理などを検討し、どのような課題があるかを明らかにします。
このような課題を解決することで、DX推進をより効率的かつスムーズに進められます。
DXを推進することで得られるメリットを社員に理解してもらう
DX推進によって得られるメリットを社員に理解してもらうのは重要です。
具体的には、作業効率の向上やデータ管理のスムーズ化などを、研修や掲示物などを通して社員にアピールすることです。
社員がDX推進のメリットを理解していると、モチベーションが高まり、適切なツールや方法を採用できます。
価格ではなく機能性を重視して選ぶ体制をつくる
DX推進においては、価格ではなく機能性を重視することが大切です。
高価なツールであっても、使い勝手が良く自社の環境にあっていれば選ぶべきです。
社内で適切なツールや方法を選ぶための体制をつくることで、DX推進のスピードが上がります。
社内で解決すると思うことを辞めること
DX推進に向けた社内の改革には、社員の考え方の変革も大切なポイントの一つです。
社内で解決すると思っていたことを辞めることも、変革の一歩となります。
これまで行ってきたやり方が効率的でないことに気づき、今後は他の方法を探すことが大切です。
外部の専門家の意見を聞くことや、新しいツールやシステムを導入することで、今までとは違った方法での解決が可能です。
社員が新しいアイデアを生み出すことができる環境作りも重要です。
DX推進のためには、自分たちの既成概念にとらわれず、新しいアプローチを試みることが大切です。
DXを推進する上でのツールの選び方
ここからは、DXを推進する上でのツールの選び方について説明します。
主なポイントは以下の3点です。
- 担当の丁寧さで選ぶ
- 自社の業界の事例が豊富なツールを選ぶ
- トライアル期間があるツールを選ぶ
担当の丁寧さで選ぶ
DX推進に向けたツール導入には、担当者の丁寧さが大切です。
選ぶツールによっては、導入から運用までの流れが複雑になることもあります。
そのため、丁寧にサポートを行ってくれる担当者を選ぶことが大切です。
導入後にトラブルが発生した場合も、担当者が丁寧に対応することで、迅速かつスムーズに問題を解決できます。
自社の業界の事例が豊富なツールを選ぶ
DX推進に向けたツール選定には、自社の業界の事例が豊富なツールを選ぶことが大切です。
自社の業界での実績があるツールは、同じような課題に対しての解決策がすでに提供されている可能性が高く、導入から運用までのスムーズさが期待できます。
また、他社の業界と異なるニーズにも対応している可能性が高いため、自社に合ったソリューションを選べます。
トライアル期間があるツールを選ぶ
DX推進に向けてツールの導入を検討しているとき、トライアル期間があるツールを選ぶことが大切です。
トライアル期間を利用することで、実際に使ってみてツールの機能や運用方法などについて理解できます。
また、トライアル期間中に問題が発生した場合や、自社のニーズに合わないと判断した場合も、無料で解約できます。
これにより、負担をかけずにDX推進に向けたツールの選定を行えます。
さらに、トライアル期間中に提供されるサポートやカスタマーサポートなども重要なポイントになります。
わからないことがあったときに迅速に対応してもらえるツールを選ぶのが望ましいと言えます。
DXを推進することで企業が得られるメリット
続いて、DXを推進することで企業が得られるメリットについて解説します。
- 助成金を受けられる可能性がある
- 社内の業務効率化につながる
- BCPにつながる
- 従業員満足度の向上につながる
以下で順番に詳しく見ていきます。
助成金を受けられる可能性がある
DX推進によるビジネスモデルの変革や技術革新に対し、助成金が政府から提供されるケースがあります。
たとえば、経済産業省が行っている「ものづくり補助金」は、中小企業や小規模事業者が直面している制度変更等(働き方改革や社会保険の適用拡大、インボイス、DXなど)を意識した補助金です。
DX推進を後押しする「デジタル枠」も設けられており、通常枠よりも高い補助率で支給を受けられます。
このように、自社の状況や規模に合った助成金プログラムを探し、DX推進を支援できます。
社内の業務効率化につながる
DX推進によって、従来のアナログな業務からデジタル化されることで、作業効率が向上します。
効率化することで、従業員のタスクをスムーズかつスピーディーに行えるようになり、生産性も高まります。
BCPにつながる
DX推進を進めることで、デジタルシステムの構築が進み、ビジネスの継続性を担保するためのBCP(防災・復旧計画)も同時に強化されます。
システム障害や人的事故などのトラブル時に備えて、ビジネスの継続性を確保できます。
従業員満足度の向上につながる
DX推進によって、従業員のタスクがスムーズかつ効率的に行えるようになります。
従業員は作業効率の向上や、スマートフォンやタブレットなどでの作業など、新しい業務スタイルに馴染めることで、よりモチベーションが高まります。
これにより、従業員のワークライフバランスの改善やキャリアアップなどにもつながり、従業員満足度の向上につながります。
DX推進における注意点
ここからは、DX推進における注意点についても解説します。
主な注意点は2点あります。
- 強引なDX推進は社員の反感を買う
- 形だけ進めても浸透しない
以下で順番に詳しく見ていきます。
強引なDX推進は社員の反感を買う
DX推進は、組織全体が一丸となって進めることが大切ですが、強引な方法で進めてしまうと、社員に反感を買ってしまう可能性があります。
DX推進に当たっては、社員の意見やアイデアを尊重し、共通の目的を達成するために協力していきましょう。
形だけ進めても浸透しない
DX推進は、形だけ進めても結果は上がりません。
社内の文化や習慣に根本的に変革をもたらす施策が重要となります。
これには、社員のモチベーション向上や社内の課題解決など、様々な要素が関係しています。
DX推進には時間と努力がかかりますが、結果として得られるメリットは大きいものです。
DX推進の課題は社内のヒアリングが大切!効率的な進め方で業績を上げよう
本記事では、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の課題に焦点を当て、その解決策について解説してきました。
DX推進をする上での最初の一歩として、アナログな業務で困っていることを洗い出し、DXを推進することで得られるメリットを社員に理解してもらうのが重要となります。
ツールの選び方としては、担当者の丁寧さ、自社の業界の事例が豊富なもの、トライアル期間があるものなどを重視しましょう。
また、DX推進によって助成金の受け取り可能性や社内の業務効率化、従業員満足度の向上などのメリットがありますが、強引なDX推進は社員の反感を買うこともあるので注意が必要です。
エスエスコンサルティングでは、DX推進などの業務プロセス改革に関する相談を随時受け付けております。
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