No.77 なぜ、親子の事業承継は必ず揉めるのか?先代の「老害化」と後継者の「空回り」を防ぐ、第三者参謀の介入
2025年12月24日
No.77 「お歳暮をやめたら仕事が減る」という恐怖心。元請けへの“媚び接待”が、あなたの会社の価値を下げている真実
「鈴木さん、そろそろあの憂鬱な季節がやってきますよ…」
お盆や年末が近づくと、多くの社長がため息をつきながらカタログギフトを広げます。
お中元にお歳暮、そして忘年会やゴルフ接待のお誘い。
「正直、金もかかるし面倒くさい。でも、『あそこの下請けは付き合いが悪い』なんて思われて、次の仕事が来なくなったら怖いからな…」
社長、その気持ち、痛いほど分かります。一種の「安心料」として払っているその交際費、バカにならない金額ですよね。
でも、あえて嫌なことを聞きます。
その接待や贈答品、本当に「次の仕事」につながっていますか?
今回は、多くの下請け社長が陥っている「接待の呪縛」について、私の視点でお話しします。
結論から言えば、媚びるための接待なんて、今すぐやめてしまって構いません。
元請けの監督は、あなたの「高級なお酒」なんて欲しくない
時代は変わりました。今はコンプライアンス(法令遵守)が非常に厳しい時代です。
大手ゼネコンや地場の有力ビルダーほど、下請けからの過剰な接待や贈答を禁止する動きが強まっています。
現場監督の本音を聞いたことがありますか?
「正直、高級なハムや酒をもらっても、上司への報告が面倒なだけ。家に持ち帰れば妻に『また変な気を使わせて』と嫌味を言われるし…」
彼らが本当に求めているのは、そんなものではありません。
彼らが心の底から欲しいのは、「トラブルなく、工期通りに、安全に現場を納めてくれること」。ただそれだけです。
どれだけ高い酒を贈っても、現場でミスを連発したり、安全管理がずさんだったりすれば、次の指名はありません。
逆に、何も贈らなくても、「あそこに頼めば絶対に安心だ」という仕事をしてくれれば、彼らはあなたを放しません。
「媚び」は、あなたの会社の価値を下げる行為だ
もっと恐ろしいのは、接待漬けになることで、元請けとの関係が歪んでしまうことです。
「あいつは飯を食わせれば言うことを聞く」「多少無理な単価でも、ゴルフに連れて行けば文句は言わないだろう」
そんな風にナメられたら終わりです。あなたは「対等なビジネスパートナー」ではなく、「都合のいい下請け」に成り下がってしまいます。
これでは、いつまでたっても下請け脱却(直接受注や優良元請けとの取引)なんて夢のまた夢です。
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浮いた交際費を、どこに使うべきか?
では、どうすればいいのか。答えはシンプルです。
「媚びるための交際費」をキッパリとやめることです。
「そんなことしたら、監督との関係が切れてしまう!」と不安になるかもしれません。
大丈夫です。接待をやめた程度で切れるような関係なら、遅かれ早かれ切れます。景気が悪くなれば真っ先に切られるでしょう。
大切なのは、その浮いたお金(年間で数十万〜数百万円になる会社もあるでしょう)を何に使うかです。
- 社員に還元する:
元請けの監督に高い酒を送るくらいなら、汗水流して働いてくれた自社の職人たちに、年末に高級焼肉でも腹一杯食わせてやってください。「社長は俺たちを大切にしてくれている」という士気の向上は、必ず現場の品質につながります。 - 技術や設備に投資する:
新しい工具を買う、資格取得の費用を補助する。そうやって会社の「実力」を磨くことに使ってください。
まとめ:仕事で恩を返せる、強い下請けになれ
元請けへの感謝の気持ちを持つことは大切です。
でも、それはモノやカネで示すものではありません。
「いつも仕事をもらってありがとうございます。その分、今回の現場も最高品質で納めますから、任せてください!」
そう言って、圧倒的な「仕事の結果」で返す。
それが、プロ同士の本当の信頼関係だと、私は思います。
社長、もう「安心料」を払うのはやめましょう。
あなたの会社の価値は、接待の回数なんかじゃ決まりません。現場で流した汗の量と、技術の高さで決まるんです。
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