No.42 ある日突然、元請けが倒産したら。「連鎖倒産」を防ぐために、今すぐやるべき与信管理と回収の鉄則
2025年11月29日
No.42 ある日突然、元請けが倒産したら。「連鎖倒産」を防ぐために、今すぐやるべき与信管理と回収の鉄則
「先月の請求分の入金がない。電話しても繋がらない…」
「元請けの事務所に行ったら、破産開始通知が貼られていた」
これはドラマの話ではありません。建設業界では日常茶飯事です。
特に最近は、資材高騰や人手不足により、老舗の工務店や中堅ゼネコンがある日突然バタッと倒れるケースが増えています。
もし、数ヶ月分の売掛金(数千万円)が回収不能になったら、あなたの会社はどうなりますか?
「連鎖倒産」。これが下請け企業にとって最大の恐怖です。
今回は、汗水垂らして働いたお金が紙切れになる前に、社長が打つべき「防衛策」について解説します。
「危ない元請け」が出している3つのサイン
倒産はいきなり起こるものではありません。必ず予兆があります。
現場や経理担当者は、以下のサインを見逃さないでください。
- 支払日の変更・手形要請:「今月だけ支払いを待ってくれ」「現金払いだったのに手形にしてくれ」と言われたら、末期症状です。
- 経理担当者の退職:会社の台所事情を一番知っている経理が辞めるのは、沈む船から逃げ出している証拠です。
- 現場のゴミ・職人の質:資金繰りが悪化すると、産廃業者がゴミを持っていかなくなったり、良い職人が離れて現場が荒れたりします。
「長年の付き合いだから」という温情は捨ててください。
少しでも「怪しい」と感じたら、新規の受注を止め、回収に全力を注ぐのが経営者の義務です。
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「1社依存」は命取りになる
売上の50%以上を1つの元請けに依存していませんか?
これは「その元請けが倒れたら、うちも即死する」と言っているのと同じです。
与信管理の基本は「分散」です。
どんなに良い条件でも、1社への依存度は30%以下に抑える。
そして、常に新規の取引先を開拓し、「いつあそこと切れても大丈夫」な状態を作っておくことが、最強のリスクヘッジになります。
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契約書に「所有権留保」を入れているか?
万が一、元請けが倒産して現場がストップした場合、あなたの会社が入れた資材(エアコン、給湯器、材木など)はどうなるでしょうか?
基本的には、現場に搬入された時点で所有権は元請け(施主)に移り、勝手に引き上げると「窃盗」になるリスクがあります。
これを防ぐために、契約書に「代金が完済されるまでは、資材の所有権は下請け(乙)にある(所有権留保)」という条項を入れておくのです。
これがあれば、いざという時に資材を引き上げて、被害を最小限に抑えることができます。
まとめ:自分の会社を守れるのは自分だけ
「元請けを信じる」ことと「無防備でいる」ことは違います。
社員の給料を守るためにも、臆病なくらい慎重に、取引先のお財布事情をチェックしてください。
そして、危険を感じたら「逃げる(取引縮小)」決断を。
それができるのが、賢い経営者です。
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