No.23 「材料費が上がったので…」は禁句。元請けが思わず首を縦に振る、値上げ交渉の「言い換え」テクニック
2025年11月26日
「材料費が上がったので…」は禁句。元請けが思わず首を縦に振る、値上げ交渉の「言い換え」テクニック
「これだけ世の中の物価が上がっているんだから、言わなくても上げてくれるはずだ」
その期待は、100%裏切られます。
「材料費も燃料代も上がっているのに、請負単価は数年前のまま」
「最低賃金が上がって人件費も高騰しているのに、元請けは『こっちも厳しいから』と取り合ってくれない」
多くの下請け社長が、このジレンマに苦しんでいます。
しかし、厳しいことを言いますが、「材料費が上がったので上げてください」という交渉は、ビジネスにおいて「素人」のやり方です。
元請けからすれば、「それは御社の努力不足では?」で終わる話だからです。
今回は、元請けに「NO」と言わせない、プロの交渉テクニックと「言い換え」の極意を解説します。
なぜ「苦しいから上げてくれ」は通用しないのか
ビジネスは情けでは動きません。「御社が苦しいかどうか」は、元請けの担当者には関係のない話です。
むしろ、「経営努力をしていない会社」と見なされ、次の発注候補から外されるリスクすらあります。
交渉のテーブルに乗せるべきは、「こちらの事情(コスト)」ではなく、「相手のメリット(品質・納期・リスク)」です。
「値上げに応じないと、元請けであるあなたに損害が出ますよ」という事実を、角を立てずに伝える技術が必要です。
元請けの顔色を変える「3つの言い換え」テクニック
1. 「材料費高騰」ではなく「品質維持コスト」と言う
× 悪い例:
「木材が高くなったので、単価を上げてください」
〇 良い例:
「現在の単価のままでは、指定された品質の材料を確保することが困難になり、施工後のクレームリスクが高まります。御社のブランドを守るためにも、適正な材料費への見直しをお願いします」
→ 元請けが最も恐れるのは「施主からのクレーム」です。そこを突きます。
2. 「人件費アップ」ではなく「法令遵守(コンプライアンス)」と言う
× 悪い例:
「職人の給料を上げたいので、少し色をつけてくれませんか」
〇 良い例:
「2024年の残業規制および社会保険加入を徹底するためには、従来の人員配置では法令違反になる恐れがあります。御社にご迷惑(連座責任)をおかけしないためにも、適正な労務費の計上が必要です」
→ コンプライアンス違反は元請けにとっても致命傷になります。「あなたを守るための値上げだ」というスタンスをとります。
3. 「将来の不安」ではなく「職人の確保」と言う
× 悪い例:
「若手が入ってこなくて困っているんです」
〇 良い例:
「今の単価では若手を育成できず、3年後にはこの地域の職人が枯渇します。いざという時に御社の現場を優先的に回すためにも、今、未来への投資(単価アップ)をお願いしたいのです」
→ 「安定した施工能力の確保」は元請けにとってもメリットです。
交渉は「準備」で9割決まる
これらの交渉を口頭だけでやってはいけません。
必ず「根拠資料(見積もりの比較表、公的な労務費データ、資材価格の推移グラフ)」を用意し、書面で提示してください。
担当者が決裁権を持っていない場合でも、その資料があれば、担当者は上司を説得しやすくなります。
「あそこの社長はうるさいから」ではなく「あそこの社長の言うことは理屈が通っている」と思わせれば、あなたの勝ちです。
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No.4 元請けからの「理不尽な値引き」を角を立てずに断る方法
まとめ:「いい人」をやめれば、会社は儲かる
「言ったら嫌われるかもしれない」
その恐怖心が、会社の利益を食いつぶしています。
正当な対価を要求することは、権利であり義務です。もし、論理的な値上げ交渉をして切られるような元請けなら、遅かれ早かれ付き合いは終わります。
勇気を出して、最初の一歩を踏み出してください。
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