No.12「年商10億」を目指すと会社が不幸になる。建設業が一番儲かる「黄金の年商規模」とは?
2025年11月25日
No.12 「年商10億」を目指すと会社が不幸になる。建設業が一番儲かる「黄金の年商規模」とは?
「男なら、やっぱり年商10億(ケタ)を目指したい」
「売上が上がれば、もっと楽になるはずだ」
建設会社の社長なら、誰もが一度はこう思うはずです。
しかし、コンサルタントとして数多くの決算書を見てきた私は、断言できます。
「年商10億」を目指して無理な拡大をした会社の多くが、かえって資金繰りに苦しみ、社長が不幸せになっています。
逆に、一番キャッシュリッチで、社長が時間的にも精神的にも余裕があるのは、実はもっと下の「ある規模感」の会社です。
今回は、建設業における「売上拡大の罠」と、最も効率よく儲かる「黄金の年商規模」について解説します。
なぜ「10億」を超えると会社がおかしくなるのか
売上が増えれば利益も増える。これは単純な算数ですが、経営はそう単純ではありません。
年商が数億円から10億円規模へ拡大する過程で、必ず「3つの歪み」が発生します。
1. 「管理コスト」が利益を食いつぶす
社員数が数名のうちは、社長が全員を見渡せます。しかし、10億を目指して社員を増やし始めると、現場に出ない「間接部門(経理、総務、営業管理)」が必要になります。
さらに、採用費、事務所の移転費、システムの導入費など、売上以上に「固定費」が膨れ上がります。
結果、「売上は2倍になったのに、利益は半分になった」という現象が起きます。
2. 社長の目が届かず「品質」と「信用」が落ちる
無理に現場を増やせば、社長の目が届かなくなります。
未熟な現場代理人に任せた結果、施工ミスやクレームが多発。「あそこの会社、最近質が落ちたね」と噂されれば、長年築いた信用は一瞬で崩壊します。
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3. 「仕事のための仕事」を安く受けるようになる
人が増えれば、彼らを遊ばせるわけにはいきません。
「赤字でもいいから仕事を取ってこい」と指示し、利益の出ない案件でスケジュールを埋めるようになります。
これはもはや経営ではなく、「社員に給料を払うためのボランティア活動」です。
建設業が一番儲かる「黄金の年商規模」とは?
では、どの規模が一番幸せなのか。
業種や地域にもよりますが、下請けメインの建設業において、最も利益率が高く、コントロールしやすいのは「年商3億円〜5億円」のレンジです。
- 社長の目が全現場に届く限界ライン
- 間接部門を最小限(社長の奥様やパート1名)に抑えられる
- 無理な値引きをせず、利益の出る仕事だけを選べる
この規模で、経常利益率10%(3000万〜5000万)を出している会社が、実は一番「強い」のです。
年商10億で利益率1%(1000万)の会社より、はるかにキャッシュが残り、倒産リスクも低くなります。
「膨張」ではなく「成長」を選べ
もしあなたが今、年商3億〜5億の壁にいて、「もっと大きくしなければ」と焦っているなら、一度立ち止まってください。
それは「筋肉質のまま大きくなる(成長)」ですか? それとも「贅肉をつけて太る(膨張)」ですか?
売上という「見栄」を捨てて、利益という「実質」を取る。
その決断ができるのが、本当の経営者です。
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