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粗利率を10〜15pt改善させる原価管理の再設計法

2025年11月22日
粗利率を10〜15pt改善させる「原価管理の再設計法」|建設業の利益最大化
COST MANAGEMENT REDESIGN 粗利率を10〜15pt改善させる 「原価管理の再設計法」 どんぶり勘定を廃止し、利益を科学的に創出する Before After +15pt

「見積もり段階では25%の粗利があったはずなのに、工事が終わってみたら10%しか残っていない」

年商5億〜9億円規模の建設会社で最も多い相談が、この「利益の謎の消失」です。

多くの経営者は、これを「現場の頑張りが足りない」「資材が高騰したから仕方ない」と片付けますが、それは誤りです。利益が消える原因は、現場担当者の能力ではなく、会社の「原価管理システム(仕組み)」の欠陥にあります。

本稿では、資材の叩き合いや職人の酷使に頼らず、管理プロセスの再設計だけで粗利率を10〜15ポイント改善させる具体的かつ論理的な手法を解説します。

1. なぜ、あなたの会社の粗利は「事後報告」なのか?

改善の第一歩は、現状の「構造的な欠陥」を認識することです。利益が出ない企業の原価管理には、共通する致命的な特徴があります。

欠陥①:実行予算と発注金額の乖離が見えていない

「どんぶり勘定」の正体は、「見積原価(受注時の想定)」と「実行予算(実際の目標)」と「発注金額(支払う額)」の3つが連動していないことです。
工事が終わるまで請求書の束が集計されず、着工中に「今、いくら利益が出ているか」を誰も答えられない状態。これでは、赤字への転落を止める術がありません。

欠陥②:追加変更工事を「サービス」にしてしまう

現場での追加指示を、その都度書面に残し、見積もりを提出していますか?
「これくらいなら」という現場の判断で無償対応したコストが、本来の利益を食いつぶしています。これも「原価管理のルール」が現場に浸透していない証拠です。

【従来のドンブリ管理】 見積提出 現場着工(管理なし) 工事完了後に赤字発覚 【再設計後の管理】 見積 実行予算確定 発注時差異チェック 月次予実管理

2. 利益を確実に残す「3つのロック(鍵)」

原価管理の再設計とは、お金が出ていくタイミングに「関所(チェックポイント)」を設けることです。以下の3つのロックを業務フローに組み込んでください。

Lock 1. 「実行予算」のロック(着工前)

受注が決まったら、必ず「実行予算書」を作成します。これは見積書とは別物です。
「どこの業者に、いくらで発注するか」を確定させ、目標粗利率(例:25%)をこの時点で社長が承認します。この承認なしに、現場の発注業務を行わせてはいけません。

Lock 2. 「発注金額」のロック(発注時)

実際に資材を発注する際、実行予算で決めた単価を超えていないかをチェックします。
もし予算オーバーする場合は、「なぜオーバーするのか」「他でどうカバーするのか」の理由書を提出させ、社長の再承認を得るルールにします。これにより、現場監督のコスト意識が劇的に変わります。

Lock 3. 「追加工事」のロック(工事中)

顧客や元請けからの追加要望は、必ず「工事日報」や「追加工事指示書」として記録し、即座に見積もりを提出します。「金額が決まってから動く」を鉄則とし、曖昧なまま着手することを禁止します。

売上(受注金額) どんぶり発注 無償の追加工事 利益の確保

3. 実践へのステップ:ツール導入より「意識改革」

高価な原価管理ソフトを導入しても、入力する人間にコスト意識がなければ無駄になります。まずはExcelで構いません。以下の運用を開始してください。

  • Step 1:「実行予算書」のフォーマットを作成し、全現場で義務化する。
  • Step 2:月1回、「工事台帳会議」を開き、現場ごとの粗利予実を全社員で共有する。
  • Step 3:粗利目標を達成した現場監督に対し、インセンティブ(賞与への反映)制度を導入する。

まとめ:原価管理は「守り」ではなく「攻め」の経営

原価管理を「細かくて面倒な事務作業」と捉えているうちは、利益は増えません。原価管理とは、「手元に残るキャッシュを最大化するための、最も確実な投資活動」です。

10〜15ptの粗利改善は、魔法ではありません。ズルズルと流出していた利益の蛇口を、仕組みで閉めるだけで実現可能です。今日から「どんぶり勘定」に決別を告げましょう。

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