月次決算を10日で締める体制構築法
2025年6月7日
月次決算を10日で締める体制構築法
決算が遅い会社は、経営判断も遅い。 外資系コンサルティングの世界では、「月次決算=経営のスピードメーター」と定義します。 10日で決算を締める体制を整えることは、単なる経理改善ではなく経営構造改革です。 ここでは、10日締めを実現するための仕組みとマネジメント手法を体系的に解説します。
1. なぜ10日締めが経営に必要なのか
多くの中小企業では、月次決算が20日~翌月末にずれ込みます。 その結果、経営者が数字を見て判断するのは「過去の話」になってしまいます。 これは、経営のタイムラグが1ヶ月以上発生していることを意味します。
外資系コンサルティングでは、これを「情報の腐敗」と呼びます。 10日締めを実現すれば、「リアルタイムで経営を操縦する」ことが可能になります。
- 投資判断を1ヶ月早く下せる
- キャッシュリスクを前月中に検知できる
- 粗利や進捗の異常をリアルタイムに修正できる
つまり、10日締めはスピード経営の基盤であり、「数字で戦う経営者」の第一歩です。
2. 月次決算が遅れる3つの原因
決算が遅い会社には、共通の構造的問題があります。
- ① 現場・営業・経理間の情報連携が遅い(請求・原価報告がバラバラ)
- ② 経理が「会計入力担当」と化している(仕訳の意味を理解していない)
- ③ 会計データが経営管理に使われていない(経営と数字が断絶)
つまり、「遅い」のではなく、「設計されていない」のです。 10日締めとは、単にスピードアップではなく、**業務構造の再設計**です。
3. 月次10日締めを実現する3ステップ
STEP1:締め日基準を再設計する
まずは「いつまでに何を完了するか」を全社で明確にします。 下記のように締め日基準を分解し、部門ごとにKPI化します。
| 業務 | 締め日 | 責任部門 |
|---|---|---|
| 請求書発行 | 翌月5日 | 営業部 |
| 経費・仕入伝票入力 | 翌月7日 | 経理部 |
| 原価報告 | 翌月8日 | 工務・現場 |
| 試算表確定 | 翌月10日 | CFO/会計責任者 |
この「日付の約束」を守ることが、10日締め文化の第一歩です。
STEP2:前倒し入力と自動化を導入する
10日締めを実現するためには、日次入力文化が不可欠です。 月末にまとめるのではなく、日々入力する仕組みをシステムで支援します。
- 会計ソフトと請求システムをAPI連携(freee/マネフォ/弥生)
- 工事原価をクラウドで入力(現場からリアルタイム共有)
- 経費精算を紙からアプリへ(証憑処理を自動化)
「経理が打ち込む」から「社員が登録する」へ。 これが、10日締め体制の基盤となります。
STEP3:経営と連動するKPIモニタリング
決算のスピード化は目的ではなく、「経営判断の即時化」のためにあります。 CFOや経営陣は、10日締めをベースに以下のKPIを毎月モニタリングします。
| KPI | 算出方法 | 目的 |
|---|---|---|
| 実行粗利率 | (実行売上-実行原価)÷実行売上 | 利益構造の健全性確認 |
| 請求回収サイクル | 平均回収日数 | キャッシュフローの安定 |
| 経費比率 | 販管費÷売上高 | 固定費体質の監視 |
| 月次締め遵守率 | 10日以内に試算表確定した割合 | スピード文化の浸透 |
4. CFOが果たすべき役割
10日締め体制の推進役は、経理ではなくCFO(最高財務責任者)です。 CFOは、会計の責任者ではなく「経営の可視化責任者」として以下を担います。
- 経理部の“締め力”をKPIで管理(平均締め日・誤差率)
- 業務フローのボトルネックを分析・再設計
- 部門長との「数字会議」で経営指標を共有
外資系企業では、CFOは毎月10日以内にCEOに試算表を提出することが義務化されています。 この文化を中小企業でも取り入れることが、黒字化とスピード経営の分岐点になります。
5. 成功事例:建設業A社の10日締め改革
SSコンサルティングが支援した建設業A社(年商4億円)は、 以前は月次決算が20日以上かかっていました。 10日締め体制を導入した結果、わずか4ヶ月で以下の成果を実現しました。
| 指標 | 導入前 | 導入後4ヶ月 |
|---|---|---|
| 試算表確定日 | 翌月25日 | 翌月9日 |
| 粗利率 | 19% | 27% |
| 未回収残高 | 1,200万円 | 400万円 |
| 銀行格付 | 6 | 8(優良企業) |
10日締めを通じて、経理が「報告部門」から「経営推進部門」に変わりました。 経営者が数字で即決できる体制は、現場のスピードをも変えます。
6. 数字で動く文化を根づかせる
最終的なゴールは、「10日締め」を仕組みではなく文化にすることです。 毎月10日を“経営の日”と定義し、社長とCFOが数字で経営を語る場を設けましょう。
- 全社員が「数字で語る」習慣を持つ
- 経営会議でKPIを共有・意思決定を高速化
- 財務体質の改善が組織文化になる
この文化が根づくと、会社全体の「経営リズム」が整い、 赤字・資金難・混乱といった問題の9割は消えていきます。
7. スピード経営への第一歩を
SSコンサルティングでは、外資系コンサルタント・銀行出身CFOチームが、 中小企業の月次10日締め体制構築を支援しています。 会計改善だけでなく、経営判断を変える仕組みを一緒に構築しませんか。
提供内容:月次10日締めチェックリスト/業務フロー設計書/会議テンプレート/KPIダッシュボード構築支援 対象:建設業・SaaS・製造業・FC開発など中堅中小企業