建設業の社員が“数字で考える”ようになる教育法
2025年11月5日
無料診断:社員が“数字で動く”仕組みの初回セッション
決算書・部門別損益・直近3案件の実行予算をご準備ください。90分で「共通KPI」「会議設計」「教育ロードマップ」を提示します。
目次
最初の原則:数字は“意味”で教える
粗利率20%
1,000万円の売上で200万円が「会社を運ぶ燃料」。価格・工程・外注の三点で作る。
外注比率60%
自社に残るのは4割。内製化・協力単価・設計見直しの3手で是正。
稼働率85%
非付加価値15%を特定し、標準工数と日次差異で圧縮。
定義→意味→行動の順で導入する。定義だけでは行動は変わらない。
STEP1|KPI化:毎週の言語を数字に置き換える
週次KPI(推奨)
| 指標 | 定義 | 目安 | 是正アクション例 |
|---|---|---|---|
| 案件粗利率 | (売上-可変費)/売上 | 20%以上 | 単価改定、外注見直し、工程再設計 |
| 外注比率 | 外注費/売上 | ≤55% | 内製シフト、サプライヤ再編、VE |
| 工数差異 | 実工数-標準工数 | ±5%内 | 段取り時間短縮、標準更新 |
| 回収サイト | 平均入金日数 | ≤60日 | 出来高払い・前受金条項・手形回避 |
ミーティング運用フォーマット
- 冒頭5分:前週KPIの差異サマリー
- 15分:トップ3課題の是正幅(円/時間)を決定
- 10分:翌週の担当・期限・想定効果を記録
STEP2|スコアボード:成果の見える化と自走
STEP3|研修設計:現場×管理会計の統合カリキュラム
3モジュール構成
- 管理会計基礎(2時間):標準原価・実行予算・粗利率
- KPI設計ワーク(3時間):自部署KPIを自ら定義
- レポーティング演習(2時間):CFO型の報告・提案
研修後30日以内に「自部署KPIの初回レポート提出」を必須化すると定着が速い。
評価とインセンティブ
- 改善額の一部をチーム配分(半期評価に連動)
- KPIの“継続率・提出率”を評価項目に追加
- トップ事例の横展開会を月1回開催
90日導入ロードマップとチェックリスト
ロードマップ
- Day 1–14:用語統一、標準原価テンプレ配布、3案件で試験運用
- Day 15–30:週次KPI会議稼働、スコアボード試験運用
- Day 31–60:値上げ・工程是正の第1波、改善額の可視化
- Day 61–90:全社運用へ拡張、評価連動・教育制度化
チェックリスト
- 「定義→意味→行動」の順で周知されている
- 部門KPIが週次で更新・共有されている
- 改善額(円)がダッシュボードで累計化されている
- 研修→レポート提出→評価連動の仕組みが回っている
FAQ
数字が苦手な社員が多いが、ついてこられるか
定義を少なくし、意味と行動に翻訳して伝えます。初期は指標を4つに絞り、会議での“提出率”を評価に連動させて定着させます。
ダッシュボードの作成に時間がかかる
まずは案件別粗利・工数差異・外注比率の3グラフのみ。週次でCSV追記→自動集計の最小構成から始め、60日で拡張します。
既存の取引条件では粗利が上がらない
価格スライド条項・出来高払い・前受金設定の3点セットを契約に反映。必要改定率=原価上昇×必要粗利上乗せで根拠提示します。