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下請けから脱却するための「利益構造改革」3ステップ

2025年11月5日
下請けから脱却するための「利益構造改革」3ステップ｜建設業CFOが教える実務ロードマップ
利益構造改革のアイキャッチ“安く請ける構造”をやめ、粗利とキャッシュが同時に増える経営へ。CFOの管理会計と銀行対応を軸に、90日で実装する実務ロードマップを公開します。

目次

  1. まず押さえるべきKPI（先に結論）
  2. STEP1：標準原価と実行予算で「見える化 × 逸脱抑制」
  3. STEP2：受注ポートフォリオ転換（粗利基準の元請化）
  4. STEP3：銀行格付け×資金設計で成長資金を確保
  5. 90日実装ロードマップとチェックリスト
  6. FAQ（現場からの典型質問）

無料診断：粗利＋5～10ptを“設計”する初回セッション

決算書・受注履歴・現場日報（直近3案件）をご準備ください。90分で「価格是正幅」「不採算取引」「元請開拓ターゲット」を数値で可視化します。

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※守秘義務契約（NDA）対応可。資料は当社CFO室で厳重管理します。

まず押さえるべきKPI（先に結論）

① 粗利率（案件別） 目安：直近平均＋5～10pt。
式：粗利率＝（売上－変動費）÷売上
② 稼働効率（工数/日当） 目安：非付加価値工数▲20％。
式：実工数÷標準工数（90％以下を狙う）
③ 受注ポートフォリオ 目安：粗利20％以上案件の比率40％→60％、
元請比率 ＋20pt

STEP1：標準原価と実行予算で「見える化 × 逸脱抑制」

最初にやるべきは、現場ごとの標準原価（理想）と実行予算（現実の着地見込み）を同じ型で作り、日次で差異を締めることです。

差異管理の考え方
  • 材料・外注・労務を可変費として分解（品目マスタ化）。
  • 案件ごとに標準工数と日当単価を設定（出来高ベース）。
  • 工程表に「差異発生のトリガー」を埋め込み、日次で逸脱検知。
  • 原価高騰は価格スライド条項で契約に反映。
  • 毎週のWBRで「是正幅（円）」を決定し、翌週に反映。

    • 成果目安：導入30日で「見積≒実行」の誤差▲30％、粗利率＋2～3pt。

    標準フォーマット（抜粋）

    区分明細数量単価金額備考
    材料ケーブルXX-YY1,200m¥280¥336,000仕入れ連動
    外注配線一次1式¥420,000¥420,000歩掛標準
    労務自社職人（×日）28日¥23,000¥644,000日当標準
    合計¥1,400,000粗利20％狙い

    STEP2：受注ポートフォリオ転換（粗利基準の元請化）

    「売上」ではなく粗利創出力で案件を選ぶ体制へ。粗利20％未満は要理由、15％未満は原則NGというゲート制を設け、同時に元請比率とターゲット業種を再設計します。

    スクリーニング基準

    • 粗利率閾値：20％以上（例外は取引拡大の戦略意図が明確な場合のみ）。
    • 支払いサイト：60日以内。90日超は価格上乗せか前受要件。
    • 集中リスク：上位2社で売上50％超なら新規元請で即分散。
    • 技術ストック性：自社にノウハウが溜まる領域を優先。

    ポートフォリオ例（現状→目標）

    カテゴリ現状比率粗利率目標比率アクション
    下請・一般（粗利12-15％）50％14％25％価格是正/不採算縮小
    元請・準元請（粗利18-22％）35％20％45％得意工種で直受増やす
    高付加価値案件（粗利25-35％）15％28％30％選定→提案強化

    値上げ交渉の基本式（例）

    必要価格＝現在価格 ×（1＋原価上昇率）×（1＋必要粗利率上乗せ）

    例：原価＋12％、粗利＋5ptが必要 → 1.12×1.05＝1.176（＋17.6％の改定）

    STEP3：銀行格付け×資金設計で成長資金を確保

    元請化と高付加価値案件の拡大には、運転資金と保証枠が不可欠。格付けを上げる資料設計と、施工キャッシュフローに合わせた資金線表で、安定調達を実現します。

    銀行が安心する管理会計パック

    • 月次BS/PL＋部門別損益（粗利と販管費の分離が明瞭）。
    • 案件別の実行予算と着地、逸脱是正のプロセス図。
    • 受注ポートフォリオと売掛回収サイトの改善計画。
    • 来期の受注残（バックログ）と人員計画。

    効果：格付け＋1～2段階、調達金利の低下、保証枠拡大。

    施工キャッシュ線表イメージ 月支払（材料・外注）人件費出来高入金月末現金 M1▲¥8,000,000▲¥2,000,000¥0¥5,000,000 M2▲¥6,000,000▲¥2,000,000¥7,000,000¥4,000,000 M3▲¥3,000,000▲¥2,000,000¥9,000,000¥8,000,000

    90日実装ロードマップとチェックリスト

    ロードマップ

    1. Day 1–14：品目・工数マスタ整備、標準原価テンプレ配布、3案件で試験運用。
    2. Day 15–30：実行予算→日次差異締め、価格スライド条項を契約へ。
    3. Day 31–60：ポートフォリオ診断、粗利閾値ゲート稼働、値上げ交渉（第1波）。
    4. Day 61–90：銀行向け管理会計パック作成、資金線表＋与信戦略を確定。

    チェックリスト

    • 案件別粗利が「見積・実行・着地」で同一指標。
    • 粗利20％未満案件に「理由書」が付く。
    • 入金サイトに応じた資金線表が月次更新。
    • 銀行面談キット（部門別損益・受注残・人員計画）が整備。

    【実装支援】“数字で動く右腕”が伴走します

    標準原価テンプレ、実行予算フォーマット、ポートフォリオ診断、銀行面談パックまで、90日で導入完了。まずは現状の「利益の漏れ」を可視化しましょう。

    無料診断を予約 よくある質問を見る

    予約枠には限りがあります。ご希望日時が埋まる前にお申し込みください。

    FAQ（現場からの典型質問）

    Q1. 標準原価の精度が低いと逆効果では？
    最初は粗くて構いません。重要なのは「差異発生時に即是正できる仕組み」です。毎週の差異学習でパラメータを更新し、30～60日で精度を上げます。
    Q2. 既存の取引先に値上げを言い出しづらい。
    「原価上昇×必要粗利」の算定根拠を提示し、仕様・品質・納期の選択肢を3案比較で示します。段階改定やスポット高付加価値案件との抱き合わせも有効です。
    Q3. 銀行はどの資料を評価する？
    部門別損益、案件別の実行予算と着地、受注残、回収サイト短縮計画、人員計画の整合性。これらが月次で回っている“運用事実”が最重要です。

    本記事は、建設業の現場実務に即した「利益構造改革」の導入手順を示しました。次の一手は、無料診断の予約から。

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