建設業の利益率を底上げする「部門別採算管理」の導入法
2025年11月12日
1. なぜ「部門別採算管理」が必要なのか
建設業の多くは「全社損益」だけで業績を判断しています。しかし、営業がどれだけ高単価で受注しても、施工部門で原価超過が起これば利益は消えます。逆に、施工が優秀でも、営業経費が膨らめば赤字になります。どの部門が利益を生み、どこで消えているのかを可視化することが、利益率向上の第一歩です。
2. 部門別採算管理の基本構造
4. 採算表の実例フォーマット
| 部門 | 売上高 | 原価 | 人件費 | 部門利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業部門 | 2,000万円 | 600万円 | 400万円 | 1,000万円 | 50% |
| 施工部門 | 5,000万円 | 4,000万円 | 600万円 | 400万円 | 8% |
| 管理部門 | 0 | 200万円 | 300万円 | ▲500万円 | — |
5. KPI設計:部門別の改善指標
- 営業:受注単価/1人あたり粗利額
- 施工:実行予算乖離率、出来高原価比率
- 管理:経費率、1億円売上あたり間接費
各KPIを月次でトラッキングすることで、部門間の「生産性格差」を可視化できます。
6. 実装ステップ(90日プラン)
- 1〜30日:部門区分・配賦ルール策定
- 31〜60日:損益計算フォーマット構築・データ入力
- 61〜90日:月次採算会議→改善アクション導入
3ヶ月で「感覚経営」から「数値経営」へ転換可能です。