建設業で単価を上げるために必要な「価格交渉力」とは?|データ×信頼×胆力で“妥当性”を通す
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"description":"建設業で単価を上げるカギは、価格の正当性を数字で示す“合理的対話”。3ステップで実践方法を解説。",
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“強気な値上げ”ではなく、価格の正当性をデータで説明し、相手に納得してもらう力。本稿では、原因分析と3ステップ実装、成功パターン、社内定着の型までをまとめます。
① 定義:価格交渉力 = 付加価値 × 信用 × 交渉スキル
建設の見積は「人件費+材料費+外注費+利益」の積み上げが前提。数字と事実で「なぜこの価格が妥当か」を説明できなければ、元請の社内稟議は通りません。
② 単価が上がらない主因と対策
| 原因 | 説明 | 対策 |
| コスト構造が不明確 | 原価の内訳・歩掛りを説明できない | 現場別の人件費・材料費・外注費・粗利を可視化 |
| 代替が効く業者 | 「他でもできる」と見なされる | 安全・品質・納期短縮などの経営効果で差別化 |
| 交渉の主導権欠如 | 失注が怖く言い切れない | BATNA(代替案)と段階提示で主導権を確保 |
③ 価格交渉力を高める3ステップ
Step 1:原価を“見える化”
- 現場別の人件費・材料費・外注費・粗利率を月次管理
- 労務単価や資材価格の変動など外部要因も共有
- 「値上げ要求」ではなく共同改善の提案として提示
Step 2:付加価値を“言語化”
- 安全・品質・スピード・手戻り率・クレーム率などを指標化
- 元請の上層部が通しやすいリスク低減・納期短縮・品質安定で語る
Step 3:交渉シナリオを“準備”
- 値上げ理由書 / 比較見積 / 第三者データを準備
- 価格は3段階(据え置き / +10% / +15%)で選択肢提示
④ 成功パターン(実例)
| 項目 | Before | After | 成功要因 |
| 型枠工事A社 | 人工15,000円 | 人工18,000円(+20%) | 労務単価・安全教育コストを資料化 |
| 電気工事B社 | 据え置き | +10%+1年継続契約 | 「クレームゼロ」「品質記録」で信頼獲得 |
| 塗装工事C社 | 下請100% | 元請3社と直取引化 | 実績ポートフォリオと提案書で格上げ |
⑤ 組織に根づかせる運用
- 営業×現場×経営の三位一体:現場が数字、営業が提案化、経営が意思決定
- 粗利の共有文化:現場別KPIダッシュボードで判断を可視化
- 関係管理:交渉=対立ではなく「品質維持の相談」という姿勢
(配布)値上げ理由書テンプレ(コピペ可)
件名:単価改定のご相談(案件名:____)
1. 目的:品質維持と安全性確保のための単価見直し
2. 現状の原価構造:
・労務:__円(前年比+__%)
・材料:__円(市況要因:__)
・外注:__円
3. 当社の付加価値:
・手戻り率:__% → __%
・納期遵守率:__%
・安全KYT・是正件数:__
4. ご提案(選択式):
A)据え置き(範囲:__)
B)+10%(標準)
C)+15%(品質強化・納期短縮オプション)
5. 期待効果:クレーム抑制、工期短縮、総コスト最適化
ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
まとめ:データ × 信頼 × 胆力
- 単価交渉は「値上げ要求」ではなく合理的対話
- 原価管理・付加価値・関係性の3点セットで価格は通る
- 現場データの積み上げが、最強の交渉材料