建設業の倒産回避マニュアル|資金・営業・組織の実務対策
2025年9月9日
建設業の倒産回避マニュアル|資金・営業・組織の実務対策
エスエスコンサルティングの鈴木です。建設業では「黒字倒産」が頻発しています。今回は倒産を避けるために必要な資金・営業・組織改革の実務ポイントを解説します。
1. 建設業における倒産の実態
- 倒産件数はコロナ後も減らず、資金繰り・人材不足・元請け依存が要因。
- 黒字決算でも「資金ショート」で倒産するケースが多い。
- 資材高騰・公共工事減少・労務費上昇など外部環境の影響も深刻。
2. 倒産を招く3大リスク
① 資金繰りリスク
入金サイトが長期化し、外注費・材料費の支払いが先行。売上増加が逆にキャッシュ不足を招きます。
② 営業リスク
特定の元請け依存。新規案件のパイプがないため、一社の発注減で経営が揺らぎます。
③ 組織リスク
属人化した経営・現場。後継人材不足で組織疲弊が進みます。
3. 倒産を回避する5つの実務対策
① 資金繰り改善
- 週次資金繰り表の運用で赤字週を早期把握。
- 出来高払い・部分前払で入金を前倒し。
- 銀行と繁忙期前にコミットラインを交渉。
② 元請け依存からの脱却
- 複数元請け取引・直販比率の増加。
- ポータルサイトや営業DXで新規案件を獲得。
③ 管理会計の導入
- 工事別・部門別採算を見える化。
- 粗利率・出来高・原価を週次で管理し、赤字案件を即修正。
④ 人材と組織の再設計
- 役割分担と会議体の整備。
- 評価制度と教育制度を連動させ、若手定着率を向上。
⑤ 経営理念と現場浸透
- 利他・信頼を経営理念に据える。
- 顧客・協力業者・社員から選ばれる会社へ転換。
4. 実際の改善事例
- 足場工事会社:9億→38億。資金繰り改善と直販開拓で倒産回避。
- 塗装会社:2億→5億。粗利率18%→24%。提案型営業と管理会計で安定化。
5. まとめ & CTA
建設業の倒産は「外部要因」ではなく「内部管理の遅れ」で起こるケースが大半です。資金・営業・組織の3つを整備すれば、急成長や外部環境変化にも耐える体制を築けます。
エスエスコンサルティングの鈴木です。御社の資金繰り・営業体制・組織状況を拝見し、最適な倒産回避戦略をご提案します。