前受金と支払いサイトのギャップ対策 4
2025年9月16日
前受金と支払いサイトのギャップ対策|“資金ショート”を防ぐ建設業の資金繰り設計術
こんにちは、エスエスコンサルティング株式会社の鈴木進一です。
建設業の経営相談で多いのが、「前受金はあるのに資金が足りない」という声。
これは、前受金と支払いサイト(支払期限)のズレによる「資金繰りギャップ」が原因です。
この記事では、このギャップの正体と、資金ショートを防ぐ3つの実践策について解説します。
1. 前受金と支払いサイトとは?
前受金とは、工事や納品前に発注者から受け取る支払い(着手金・中間金)を指します。一方、支払いサイトとは、仕入れ先や外注先に対する支払い期限のこと。
一般的な建設業では:
- ・前受金:着工前に30%〜50%
- ・支払いサイト:資材仕入れや職人への支払いは即払い〜30日以内
つまり、“先に入るお金”と“先に出ていくお金”が一致しないのが建設業の特徴です。
2. “時間差”が生む資金繰りギャップの構造
前受金があっても、実際の資金繰りで苦しむ会社には、以下のようなパターンがあります。
- ・材料費は前払いだが、前受金は着工直前
- ・職人の手配・支払いが先行し、入金が間に合わない
- ・外注費や仮設費用が前倒し発生
つまり、「前受金=安心」ではなく、資金タイミングのマッチングが必要なのです。
3. ギャップを埋める3つの対策
- ① 実行予算に「キャッシュ基準」の視点を入れる
発注・納品・支払タイミングを月次資金繰りに落とし込む。 - ② 請求・前受交渉は早期化を徹底
・工事着工前に契約・前金請求書の早期発行
・施主への説明資料(支払スケジュール提示)を作成 - ③ サプライヤーとの支払条件交渉
・可能な範囲で支払いサイトの延長依頼
・材料・外注費の分割払い制度の活用
4. 金融機関・制度活用で乗り切る方法
ギャップが大きい場合、一時的な資金補填も有効です。
- ・銀行融資(運転資金)
- ・売掛債権ファクタリング
- ・制度融資(都道府県の保証制度)
- ・商工会・中小機構の小口資金制度
重要なのは、「返済原資が明確な一時的資金」に限定して活用することです。
5. 無料相談のご案内
エスエスコンサルティングでは、建設業の資金繰り支援において、前受金と支払いサイトのズレに特化したアドバイスも行っております。
「仕入が先行して資金が足りない」「支払いサイトを見直したい」「請求フローを整えたい」など、課題に応じたアドバイスが可能です。
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