キャッシュフロー経営とは?建設会社が黒字倒産を防ぐ考え方 2
2025年8月13日
キャッシュフロー経営とは?建設会社が黒字倒産を防ぐ考え方
─ 外資系コンサルが語る“見えない経営破綻”を防ぐ技術 ─
はじめまして。エスエスコンサルティング株式会社の鈴木進一です。
私たちはこれまで、延べ300社以上の建設会社の経営支援に携わってきました。そのなかで、ひとつだけ確信していることがあります。
「黒字=安全」とは限らない。むしろ、利益が出ている会社ほど倒産リスクは高い。
この矛盾を理解しないまま経営を続けると、ある日突然、資金ショートが起きます。会社は利益ではなく、「現金(キャッシュ)」が尽きたときに倒れるのです。
第1章:なぜ黒字でも倒産するのか?──建設業の構造的問題
現場は順調。職人も足りている。利益も出ている。なのに税金が払えない。外注費が支払えない。社員給与の遅配が続き、信頼は崩壊──
こうしたケースは珍しくありません。黒字倒産の原因は単純です。
現金の動きを把握していなかったから。
建設業は「受注→施工→請求→入金」という長いサイクルをもっています。とくに元請に依存する会社ほど、請求タイミングや入金遅延に悩まされます。
第2章:「キャッシュフロー経営」とは何か?
キャッシュフロー経営=「利益ではなく、現金ベースで経営判断をすること」
通常の経営では、損益計算書(PL)や売上目標にばかり目が行きがちですが、キャッシュフロー経営はまったく逆。
- 売上が上がっているか?よりも
- その売上が、いつ・どれだけの現金になって手元に入るのか?
経営資源のなかで、唯一“尽きたら倒産する”のが「現金」です。
第3章:外資系コンサルが見る「資金経営の構造フレーム」
マッキンゼーやBCGでは、キャッシュフローを「戦略設計の軸」に据えます。単に“資金繰り表をつけましょう”という話ではありません。
部門横断のキャッシュ最適化を設計し、企業価値を最大化するのがプロの戦略です。
▼外資系コンサルが導入する3つの指標
- CCC(Cash Conversion Cycle):現金化までの営業プロセス日数
- FCF(Free Cash Flow):フリーキャッシュフロー=企業の実質創出資金
- CFROI(Cash Flow Return on Investment):投資回収性の測定
第4章:建設業が陥りやすい「キャッシュの罠」
工事請負契約では、現場稼働に伴い材料費・外注費・労務費が先行して支出され、入金は完了検査後・請求書発行後・締め日翌月末…という具合に遅れてきます。
キャッシュは“後から”やってくるのに、支払いは“先に”やってくる。
このタイムラグを資金調達で乗り越えられなければ、事業は破綻します。
第5章:黒字倒産を防ぐ「5つのキャッシュ経営実践ステップ」
- 資金繰り表の週次更新:3ヶ月の予測を週単位でローリング管理
- 入金サイトの交渉:分割請求(月次請求)への切り替え
- 支払いサイトの設計:支払日共通認識と交渉
- 現場別キャッシュ管理:案件単位での収支・回収の可視化
- 銀行報告体制整備:月次でキャッシュ推移を報告し、格付け向上へ
第6章:実例紹介|資金ショート寸前から半年で3倍キャッシュ回復したA建設
会社名 | A建設(年商6.3億円) |
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問題点 | 現場増加による前払資金不足、銀行の融資NG |
施策 | 資金繰り表導入/工期短縮/分割請求交渉/銀行対話強化 |
結果 | キャッシュ残高:3ヶ月で2.1倍、半年で3.2倍/金利引下げ成功 |
第7章:「経営者の資金感覚」を鍛える3つの問い
- あなたの会社の「今日の残高」はいくらですか?
- 今月末、銀行口座に最低いくら残っていれば倒産しませんか?
- 税金・賞与・借入返済の“集中月”を把握していますか?
この3つに即答できなければ、キャッシュフロー経営の導入が必要です。
第8章:資金繰り表テンプレートの無料提供
エスエスコンサルティングでは、建設業の皆様に無料で
- 3ヶ月資金繰り表テンプレート
- 週次ローリングシート
を提供しています。下記からお申し込みください。
第9章:まとめ|キャッシュフロー経営は「生き残る会社」の絶対条件
売上はあっても、利益が出ていても、現金が尽きれば会社は終わる。
キャッシュフロー経営は、経営者が未来を守るための“技術”であり“武器”です。
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