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建設業の“人が育たない”構造的問題と育成制度の再構築― OJT依存・属人化・定着率低下をどう打破するか?【図解付き】

2025年7月5日
はじめに|エスエスコンサルティングの鈴木です

1. |建設業における“人が育たない”という深刻な問題

建設業界では、「若手が定着しない」「職人が育たない」「教えてもすぐ辞める」といった声が現場から頻繁に聞こえてきます。
この問題は、単なる「若者の根性不足」ではなく、業界構造そのものに根差した課題です。



2. 人材が育たない3つの構造的原因

以下の3つは、どの建設会社にも共通する「育たない理由」です。

【図解1】人材育成が失敗する構造的3要因

要因 説明 典型例
①OJT依存 教育を現場任せにしている 「現場で覚えろ」が基本姿勢
②属人化 教え方・技術が職人に依存 技術が“言語化”されていない
③評価不在 成長が見えず本人も上司も不明瞭 「どこがダメか教えてもらえない」




3. なぜOJTでは限界なのか?|“現場で覚える”の落とし穴

多くの会社が「ベテランが新人を横につけて教える」=OJTとしていますが、
これは教える人の質・忙しさ・性格に大きく左右され、属人的かつ再現性がないのが問題です。

📌実際の現場では:
•ベテランが忙しくて教える余裕がない
•間違って覚えても誰も指摘しない
•若手が“質問できない空気”に萎縮



4. 属人化のリスク|その職人が辞めたら、会社の技術も消える

教え方やノウハウが「言語化・マニュアル化」されていないと、育成がベテラン職人の能力に依存します。
すると、以下のようなリスクが発生します。
•ノウハウが社内に残らない
•技術継承に失敗し、品質トラブル発生
•育成のばらつきによるモチベーション低下



5. 解決策:育成制度の再構築に必要な3ステップ

ステップ①:標準化|教育マニュアルを整備する
•施工ごとの「作業手順書」や「ミスしやすいポイント」などを文書化
•教育担当者向け「指導ガイド」を整備
•動画マニュアルの活用で定着率UP




ステップ②:体系化|“職位別カリキュラム”を構築する
•入社3か月/6か月/1年ごとの習得目標を設定
•職長候補者にはリーダー研修を用意
•安全・品質・マナーも教育対象に含める



ステップ③:可視化|評価とフィードバックの仕組み
•月次1on1で進捗確認・悩みヒアリング
•技術力だけでなく「行動」「姿勢」も評価対象に
•昇給・昇格に連動させてモチベーションを向上




6. 成功事例|研修制度で“育つ現場”に変わった塗装会社のケース

中部エリアの塗装会社(従業員25名)は、OJT一本槍で育成が破綻。
そこで教育制度を刷新し、次の成果を出しました。
•技術マニュアルとチェックリストの整備
•若手同士で教え合うペア制度の導入
•月1回の「成長発表会」で承認文化を醸成

→ 1年で離職率が25%→7%に改善。技術品質の安定、顧客満足度も向上。



7. まとめ|“人が育つ会社”にするのは仕組みの力である

「最近の若者は育たない」のではなく、「育つ仕組みがない」ことが問題です。
属人化とOJTに頼る育成を脱却し、会社として“人を育てる力”を持つことが、
次世代の建設会社に求められる経営力です。



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