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2011.3.11東日本大震災に思う――地元・陸前高田、15人の同級生の喪失と、次世代への展望

2026年3月11日
3.11東日本大震災に思う――地元・陸前高田、15人の同級生の喪失と、次世代への展望

3.11東日本大震災に思う――地元・陸前高田、15人の同級生の喪失と、次世代への展望

2011年3月11日。あの東日本大震災から、私たちは長い月日を歩んできました。改めて、犠牲になられた方々に深い哀悼の意を表するとともに、被災されたすべての方々に心よりお見舞い申し上げます。

私の地元、岩手県陸前高田市。あの日、街を飲み込んだ津波は、私たちの日常、思い出、そして多くの大切な命を奪い去りました。瓦礫の山と化した故郷を前にしたときの、言葉にできない絶望感と無力感は、単なる風景の変化ではありませんでした。それは、愛する人々を失った喪失感から来るものでした。

その中には、私の同級生も15人ほど含まれていました。

彼らの未来、彼らと過ごした時間、そして彼らがこの新しい街で生きられなかったことへの、終わりのない悲しみは、今も胸の奥に深く刻まれています。しかし、同時に思い出すのは、その絶望の中から立ち上がった、人の温かさと、復興への強い意志です。

瓦礫の中の経営者勉強会――WATAMI渡邉美樹氏とのお手伝い

震災当初、陸前高田市は壊滅的な被害を受け、行政機能も麻痺する中で、どのように街を再建するか、途方もない課題に直面していました。その中で、街の再生の鍵となるのは「産業の復興」と「地元の経営者たちの元気」でした。

私は当時、陸前高田市の参与(特別支援アドバイザー)に就任されたWATAMIの渡邉美樹さんのお手伝いをする機会を得ました。渡邉さんは、被災した商店の経営者や、新たに事業を立ち上げようとする人たちのために、「経営者勉強会」を立ち上げられました。

私は、その勉強会の運営をお手伝いさせていただきました。瓦礫が残る市役所の仮庁舎や、プレハブの建物の中で、渡邉さんがご自身の経験を交えながら、ビジネスモデルの作り方や、「人の『ありがとう』を集める経営」について熱く語られていた姿が目に焼き付いています。

参加していた地元の経営者の方々の目は、真剣そのものでした。家も店も失った絶望的な状況下で、「もう一度、この街で商売をやり直すんだ」という、魂の叫びのような執念を感じました。渡邉さんの支援は、単なるノウハウの提供ではなく、彼らの心に「夢」という希望の灯をともす活動でした。あのお手伝いの経験は、私にとっても、地元の底力を信じる原点となっています。

数千億円規模の復興建設費――街を丸ごと「嵩上げ」する

その後、陸前高田市では、国からの巨額の復興予算を投入し、世界でも類を見ない規模のインフラ整備が進められました。

震災当初、陸前高田市の歳出規模は、通常の通常予算(2009年度決算で約117億円)の数倍〜十倍以上に膨れ上がり、1,000億円を超える歳出規模となりました。特に、中心市街地を津波から守るための**「嵩上げ(かさあげ)工事」**は、復興建設費の大きな割合を占めました。

巨大なベルトコンベヤーで内陸部の山土を運び、約125ヘクタールにも及ぶ浸水地域を平均して10メートル以上も嵩上げする。その巨額の予算と年月をかけた工事により、陸前高田市の風景は一変しました。新しい防潮堤、整備された復興道路、そして高台に移転した住宅地。インフラとしての「街の形」は、見事に再建されたと言えます。

15年目の現状と課題、そして「展望」が指し示す未来

震災から丸15年が経過し、現在の陸前高田市は、外見上は非常に美しく、整備された街となりました。しかし、その一方で、新たな課題も浮き彫りになっています。

巨額の費用をかけて嵩上げした中心市街地には、今も空き地が目立ち、当初想定していたような商業施設や住宅の集積が進んでいない場所もあります。また、人口流出と少子高齢化は加速しており、いかにしてこの新しい「器」に「人」を呼び戻し、活気を生み出すかが、今後の最大の課題です。

インフラ整備という第一段階の復興は完了しました。これからは、この街で「どのように生き、どのように稼ぎ、どのように次世代を育てるか」という、ソフト面の復興が問われています。

街の展望として、嵩上げ地や高台からは、新しく生まれ変わった陸前高田の街並みと、穏やかな広田湾を一望することができます。この「展望」こそが、次なる歩みの象徴です。

かつて渡邉美樹さんと地元の経営者たちが描いた「夢」を、今のインフラを土台にして、具体的な形にしていく。一本松のように、何度でも立ち上がり、未来を見据え続ける。

展望塔からの穏やかな広田湾と新しい街並みを見るたび、亡くなった15人の顔が浮かびます。彼らがこの場所で生きたかった未来、彼らが見るはずだった景色を、私たちがこの手で守り、育て、次世代へ繋いでいかなければならない。それが、生き残った私たちにできる、彼らへの最大の鎮魂であり、約束です。

地元としての鎮魂の思いを胸に、私たちはこの新しい街で、新たな歴史を刻んでいく決意です。

あの日の勉強会から15年。
次は、あなたの会社の『夢』を、財務の力で現実にする番です。

「瓦礫の中で描いた『夢』を、今度は盤石な経営体質と、利益を生み出す『数字』で形にしていきませんか?
陸前高田出身の財務参謀が、あなたの会社の現状を分析し、利益を最大化して永続させるための『展望図』を一緒に描きます。
一本松のように揺るがない経営基盤を、今こそ築きましょう。

無料相談で、未来の『展望図』を描く >
鈴木進一

執筆:鈴木 進一

エスエスコンサルティング株式会社 代表取締役
陸前高田市出身。建設業・財務・経営支援の専門家。
震災復興の現場で人の強い意志と巨額の資本の動きを体感し、経営における財務の重要性を痛感。
現在は「経営の財務参謀」として、現場の悲鳴を利益に変え、経営者の夢を現実にする支援を行っている。

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