銀行が安心する決算とは?建設業が信頼される財務の作り方
2025年11月8日
銀行が安心する決算とは?建設業が信頼される財務の作り方
銀行は「利益」だけでなく「再現性」を見ています。 建設業が金融機関から信頼を得るには、決算書を“融資のための財務設計書”として仕上げることが重要です。
1. 銀行が見る“安心できる決算”とは?
銀行が決算を評価する際、注目するのは「黒字かどうか」だけではありません。
実は3つの信頼要素が整っていることが、安心のポイントになります。
| 評価要素 | 銀行が見る視点 |
|---|---|
| ① 利益の安定性 | 単年黒字ではなく、複数年の利益トレンド |
| ② 資金繰りの健全性 | 借入依存ではなく、自己資金での運転が可能か |
| ③ 数字の整合性 | BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)が連動しているか |
「利益」「資金」「整合性」――この3点が揃うと銀行は“安定経営”と判断します。
2. 銀行が不安に感じる決算の特徴
- 役員借入金・役員貸付金が大きい
- 短期借入金が増え続けている
- 利益は出ているが現金残高が少ない
- 売掛金・在庫が膨らみ、資金が固定化している
これらはすべて“資金繰りの再現性が低い”と判断される要因です。
3. 建設業が信頼される決算を作る3つのポイント
① 粗利率の改善
原価を見える化し、粗利率25%以上を維持することで収益構造の強さを示します。
② 借入とキャッシュのバランス
現預金 ≧ 短期借入金 が理想。運転資金が自社で回っている状態を作ることが信頼につながります。
③ 継続的な月次決算
決算期だけでなく、毎月の試算表を銀行に見せられる体制が“管理力の高さ”を印象づけます。
4. 財務体質を強くする「構造」改革
決算書の数字を“良く見せる”のではなく、構造から変えることが重要です。
| 改善項目 | 具体策 |
|---|---|
| 原価構造 | 材料費・外注費の分離、固定費化の抑制 |
| 資金構造 | 回収サイト短縮・前受金契約の導入 |
| 組織構造 | 経理と現場が数字で連携できる体制整備 |
5. 銀行格付けを上げる決算戦略
格付けは「点数」で管理されており、主要評価項目を押さえることでスコアアップが可能です。
- 自己資本比率:20%以上を目標
- 利益剰余金:連続黒字で積み上げ
- 営業CF:黒字化を維持
“借りられる会社”ではなく、“選ばれる会社”へ。
6. エスエスコンサルティングの支援モデル
- 決算診断: 銀行格付けスコア診断・財務分析
- 財務設計: PL・BSの改善とキャッシュ構造の設計
- 金融交渉支援: 銀行担当者向け説明資料の作成支援