銀行が信頼する決算書の条件|建設業が今すぐ直すべき3つの項目
2025年10月22日
銀行が信頼する決算書の条件|建設業が今すぐ直すべき3つの項目
銀行は「黒字」よりも「信頼できる決算書」を重視します。
本記事では、建設業が融資・格付けで評価されるために押さえるべき3つの決算ポイントを具体的に解説。
1. なぜ銀行は「信頼性」を重視するのか
銀行は決算書の「利益額」よりも、「数字の一貫性」と「説明可能性」を見ています。 つまり、決算書が“現場の実態とズレていないか”が最も重要な判断基準になります。
- 月次試算表と決算書の数字が連動しているか
- 現金・預金・売掛金・買掛金の残高が一致しているか
- 利益の増減が“説明できる”要因で構成されているか
銀行は「正しい数字」よりも「説明できる数字」を信頼します。
決算書=“経営者の経営力”の通信簿です。
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2. 資金繰り表と決算書の整合性
決算書が黒字でも、資金繰り表とズレていると信頼は得られません。 銀行が最も重視するのは「返済原資=キャッシュフロー」です。
- 営業キャッシュフローが安定しているか
- 月次の入金・支払サイトが明確か
- 利益と現金残高の増減が連動しているか
決算書は「過去の結果」。資金繰り表は「未来の約束」。
両者が一致してこそ、銀行は融資判断を前向きにします。
両者が一致してこそ、銀行は融資判断を前向きにします。
3. 粗利率と原価のブレをなくす
建設業の決算で最も多い指摘は「原価の過少計上」または「在庫の不整合」です。 銀行は粗利率の安定性を信頼指標として見ています。
- 工事進行度と原価発生のタイミングが一致しているか
- 月次の粗利率が決算と乖離していないか
- 材料費・外注費の仕掛金処理が適正か
粗利率のブレ=「管理の甘さ」。
決算で毎年数字が上下する会社は、格付けが安定しません。
決算で毎年数字が上下する会社は、格付けが安定しません。
4. 役員貸付金・仮払金の整理
銀行が「危険信号」と判断する項目の代表格が、役員貸付金・仮払金・立替金です。 これらが多いと、資金が会社外に流出しているとみなされます。
- 役員貸付金の残高をゼロにする、もしくは返済計画を提示
- 仮払金は用途を明記し、翌月には精算
- 立替金は資金繰りと別枠で管理
“社長個人と会社の財布を分ける”だけで、銀行の評価は大きく変わります。
5. 【事例】決算書改善で格付け5→8へ
項目 | 改善前 | 改善後(1年後) |
---|---|---|
営業利益率 | 3% | 7% |
営業CF | マイナス | +1,200万円 |
役員貸付金 | 800万円 | 0円 |
銀行格付け | 5 | 8(融資枠+3,000万円) |
6. まとめと行動ステップ
銀行が信頼する決算書は「誠実さ」と「整合性」で決まります。 見栄えではなく、根拠ある数字を積み重ねることが格付け改善の最短ルートです。
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