資金繰り表の作り方|建設業に最適なフォーマットと運用法 1
2025年8月10日
資金繰り表の作り方|建設業に最適なフォーマットと運用法
エスエスコンサルティング株式会社
代表取締役 鈴木進一
はじめに:水平思考で資金管理を再定義する
資金繰り表と聞くと「経理が作るもの」「金融機関に提出する資料」と考えていませんか?
しかし、それだけでは資金ショートのリスクから逃れられません。
建設業にとって資金繰り表は、「現場を止めないための設計図」であり、社長自身が使いこなす“意思決定ツール”であるべきです。
本記事では、水平思考を取り入れながら、従来の「守りの資金繰り」から「攻めの資金設計」へと発想を転換する方法を解説します。
目次
1. なぜ資金繰り表が必要なのか?
建設業は、入金と支出のタイミングにズレが生じやすい業種です。
・入金サイトが60日〜90日
・材料費・外注費・人件費は即時支払い
この「時差」が原因で、黒字倒産リスクが常に潜んでいます。
資金繰り表は、このズレを可視化し、先手の一手を打つための“経営のレーダー”です。
2. 建設業に特化した資金繰り表の特徴
汎用的な資金繰り表では不十分です。
建設業ならではの以下の要素を反映させましょう:
- 現場別の収支(工事番号単位)
- 前払金・出来高入金の管理
- 未収金・保留金の記録
- 協力会社への支払いサイト
3. フォーマット作成の水平思考アプローチ
水平思考とは、「常識の外側」から本質的な問いを立てる思考法です。
例:
×「今ある形式に何を足そうか?」
○「そもそも、月次で見る必要があるのか?」
◆水平思考から生まれる実用的なアイデア:
- “週次ベース”で現場収支を把握:変化の早い時期は週単位で見る
- 「現場完了予測」とリンク:いつキャッシュになるか逆算で表示
- 「危険ゾーン自動アラート」:資金残高が〇〇円を下回ると色が変わる
4. 運用のコツ|“見える化”だけで終わらせない
資金繰り表は、作っただけでは意味がありません。
運用のキモは、意思決定の武器として活かすことです。
- 週1回、経営会議で必ず資金繰り表を見る
- 「入金予定」が未確定なものは別色で明示
- 現場責任者とも共有し、意識を全社で統一
5. よくある失敗とその打開策
- 経理しか見ていない → 「社長」「現場責任者」も巻き込む
- フォーマットが複雑すぎて運用されない → 最初はシンプルに開始
- 過去の資金繰りしか載っていない → 未来予測を中心に構成
6. 資金繰り改善の無料相談受付中
エスエスコンサルティングでは、建設業の資金繰り改善・フォーマット導入支援を実施中です。
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