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資金繰り早見表でキャッシュフローを可視化する方法|建設業の実務ガイド

2025年10月19日
資金繰り早見表でキャッシュフローを可視化する方法|建設業の実務ガイド

資金繰り早見表でキャッシュフローを可視化する方法

公開日:2025/10/14|カテゴリー:資金繰り・CFO実務

建設業の資金繰り悪化は「利益」ではなく“入金の遅れ × 先払いの多さ”が原因です。
そこで、入出金を1枚で俯瞰する資金繰り早見表を使い、日次で残高・不足見込み・要交渉項目を即把握できる状態をつくります。

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1. 「資金繰り早見表」とは?(目的と要件)

目的

  • 入出金の日付と金額を横一列で見せ、資金ギャップを即発見
  • 不足が出る日を事前に特定し、前受・出来高・支払交渉などの打ち手に繋げる
  • 銀行面談で月次資金繰りの説明能力を示し、評価を上げる

要件

  • 粒度は日次(4~8週間)
  • 入金:請求日・検収日・サイト別に列を分ける
  • 出金:外注・材料・人件費・諸経費を分解
  • 自動で日次残高・最小残高・不足日を計算

2. シート設計(列とロジック)

説明入力/自動
日付営業日ベースの連番(祝日は任意)自動
期首残高開始日の普通預金残高手入力
入金(出来高)出来高請求の入金予定手入力/連携
入金(検収後)検収→請求→サイトを反映した入金手入力/連携
出金(外注)協力会社への支払手入力/連携
出金(材料)資材仕入手入力/連携
出金(人件費)給与・社保等の固定手入力/連携
出金(諸経費)家賃・車両・通信費など手入力/連携
日次純増減入金合計-出金合計自動
当日残高前日残高+日次純増減自動
不足フラグ当日残高が閾値未満で警告自動

数式例(Excel)

※行2を見出し、行3を最初の日とします。

  • 日次純増減(I列)… =SUM($C3:$D3)-SUM($E3:$H3)
  • 当日残高(J列)… =IF(ROW()=3,$B3,$J2+$I3)
  • 不足フラグ(K列)… =IF($J3<$M$1,"不足","")  ※M1に閾値(例:5,000,000)
  • 最小残高=MIN($J:$J)(サマリーセル)

3. 早見表の「見方」とアラート運用

見るポイント(毎朝30秒)

  1. 最小残高(今週・今月)
  2. 不足フラグの日付
  3. 大型入出金(税金・ボーナス・出来高)

アラート運用(不足日が出たら)

  • 前受・出来高の前倒し請求を打診
  • 外注・材料のサイト延長交渉(30→45日 等)
  • 短期枠の利用と償還計画の提示(銀行向け)

4. プロジェクト別の“ひも付け”で原因を特定

案件ごとの入出金をサブ表で管理し、メイン表に集計します。

案件出来高入金検収後入金外注材料粗利見込
案件A3,000,00001,600,000900,000500,000
案件B04,800,0002,400,0001,600,000800,000

ピボットで「月別・案件別・カテゴリ別」で可視化すると、資金圧迫源が一目で分かります。

5. よくある落とし穴と対策

  • “請求日ベース”で管理してしまう → 実際の入金日で必ず登録
  • 人件費・社保の月ズレを見落とす → 支払期日を固定で自動展開
  • 税金・賞与・保険年払など年6~8回の大型出金を未計上 → 年間カレンダーで先出し
  • 現金主義の赤字案件を継続 → 案件別CFで“着手前に”棄却判断

6. 銀行評価を上げる「月次提出セット」

  • ① 資金繰り早見表(4~8週間)
  • ② 月次残高推移(最小残高・期末見込)
  • ③ 対応策メモ(前受・出来高・サイト交渉の進捗)

この3点を持参すると、「数字で語れる経営」と評価され、格付け改善が期待できます。

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付録|日付の自動展開(Excel関数例)

  • 開始日(A3)に手入力 → =A3+1 を下方向にコピー
  • 営業日だけにする場合 → =WORKDAY(A3,1,祝日範囲)
  • 条件付き書式例(不足ハイライト) → ルール:当日残高<$M$1 で背景を赤

まとめ

  • 資金繰りは「利益」ではなくタイミングの管理が勝負
  • 日次の早見表で不足日を先読みし、前受・出来高・サイト交渉で埋める
  • 銀行には月次提出セットで説明力を示す
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