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粉飾決算が招くリスクと銀行の目利き 7

2025年8月18日

粉飾決算が招くリスクと銀行の目利き|信用は“数字”ではごまかせない

エスエスコンサルティング株式会社|建設業の財務支援に特化したコンサルティング

1. 粉飾決算とは何か?

粉飾決算とは、本来の業績や財務状況を意図的に良く見せるため、帳簿や決算書を改ざんする行為です。 代表的な手口としては「売上の前倒し計上」「架空の売上計上」「費用の先送り」「棚卸資産の過大計上」などがあります。 建設業では、売上の計上時期や工事進行基準を操作することで数字を“調整”してしまうケースが多く見られます。

こうした行為は一時的に見栄えを良くしますが、長期的には信用を大きく毀損し、取り返しのつかないリスクを生むことになります。

2. なぜ中小建設業に粉飾が起きるのか?

建設業では、売上の波が激しく、キャッシュフローも工事単位で複雑化します。
こうした環境下でよくあるのが、「赤字を見せたくない」「融資を止められたくない」「元請や取引先に不安を与えたくない」という思いから、経営者が“数字をいじる誘惑”にかられるケースです。

  • ・前期の赤字を解消するために売上を先に立てる
  • ・借入審査を乗り切るために利益をかさ上げする
  • ・税務署よりも銀行を意識して「操作」する

こうした粉飾は「一度やると、やめられない」。翌期以降の帳尻合わせに苦しみ、さらなる粉飾を招く“負の連鎖”が起こります。

3. 粉飾決算がもたらす5つの深刻なリスク

  1. ① 融資停止・即時回収リスク
    銀行に粉飾が発覚した瞬間、信用失墜とともに「取引停止」や「期限の利益喪失」へ直結する可能性があります。
  2. ② 信用格付けの大幅ダウン
    一度でも粉飾と見なされると、今後数年間にわたり“低格付け”が継続し、追加融資や新規調達が困難になります。
  3. ③ 顧問税理士・会計士の信頼喪失
    税理士が粉飾を見抜けなかった場合も、処分や契約解除に発展するケースが少なくありません。
  4. ④ 経営陣の責任問題・役員解任
    粉飾は「背任」に該当する場合があり、取締役会や株主からの追及・訴訟に発展する可能性も。
  5. ⑤ 倒産リスクの加速
    粉飾で一時的にしのいでも、根本的な財務改善が遅れ、数年後に“帳尻の反動”で急激な資金ショートを招くこともあります。

4. 銀行は“粉飾”をどう見抜くか?目利きの本質

多くの経営者は「銀行は決算書の数字しか見ていない」と誤解していますが、実際には以下のような「兆候」をもとに総合的に判断しています。

  • ・売上・利益と現預金残高の乖離
  • ・棚卸資産や売掛金の急増
  • ・役員報酬・借入・資産増加のバランス不自然
  • ・税理士・顧問先の変更頻度
  • ・ヒアリングでの受け答えの“違和感”

銀行員は毎日数十件の決算書を見ているプロフェッショナルです。数字そのものよりも「違和感」「整合性のなさ」「急激な変化」に敏感に反応し、一度でも疑念を持たれれば、事後の回復は極めて困難です。

5. 粉飾をしてしまった会社がとるべき行動

粉飾をしてしまった過去がある場合、最も重要なのは「早期の修正と正直な開示」です。
実際、エスエスコンサルティングでは過去に粉飾を行っていた企業の支援実績も多く、 次のようなステップで再生支援を進めています。

  1. ・まずは財務実態の洗い出し(第三者の目による診断)
  2. ・過去の粉飾影響を明示した“修正決算書”の作成
  3. ・金融機関への正直な開示と、今後の改善計画の提示
  4. ・資金繰りの安定化・粗利の改善・キャッシュ創出戦略の実施

嘘は積み上げられません。しかし、誠実な経営は積み上げることができます。
銀行は“見せかけの数字”よりも、“本気の再建姿勢”を重視しています。

6. まとめ|信用をつくるのは数字ではなく「経営姿勢」

粉飾決算は、経営者自身の「恐れ」や「弱さ」から始まることが多いものです。
しかし、会社を守るには、見せかけの安心ではなく、実態に向き合う“勇気”が必要です。

エスエスコンサルティングでは、建設業を中心に「黒字化・資金繰り改善・金融対応」の三位一体での支援を行ってきました。
粉飾からの脱却や、実態をもとにした資金調達、信頼される財務体質への改善は、私たちの最も得意とする分野です。

数字は、ごまかせます。
でも、信頼は、ごまかせません。

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エスエスコンサルティング株式会社が、中小建設業の再出発を全力で支援します。

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  • エスエスコンサルティング株式会社 会長
    鈴木 進一

    運輸業や建設業、製造業を始め累計1,300社以上の企業を支援し、多くの経営課題を解決に導いた実績がある。戦略立案からオペレーション改革、サプライチェーンマネジメントを主とした施策を得意とする。

    業務分野として、調達コストの削減から製造拠点の再設計、生産性の改善、研究開発から製品開発の強化など幅広く対応。
    BtoB向けサービスを行う企業が抱える、様々な課題に対して豊富な実績と経験から今も現場で手腕を振るっている。

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