お問い合わせ 資料請求

管理会計導入で銀行格付けはどう変わる? 第3回

2025年9月26日
管理会計導入で銀行格付けはどう変わる?

「銀行の融資がなかなか通らない」「金利が高い」と悩む建設業経営者は少なくありません。
実はその背景には、銀行が評価する「格付け」と、会社が持つ「管理会計力」が深く関係しています。
本記事では、管理会計を導入することで銀行格付けがどのように変わり、融資条件にどんな影響を与えるのかを解説します。

銀行格付けとは?

銀行格付けとは、融資先企業の信用力をスコア化したものです。
格付けは貸出条件(金利、保証、融資限度額)に直接影響し、企業にとっては資金調達力を左右する重要な要素となります。

銀行格付けを決める要素は大きく2つ:

  • 定量評価:財務諸表から算出される財務指標(自己資本比率、利益率、キャッシュフローなど)
  • 定性評価:経営者の資質、業界環境、経営管理体制(内部統制や管理会計の仕組みなど)

つまり、財務会計の数字だけでなく、管理会計の仕組みや経営管理能力が格付けに影響を与えるのです。

管理会計が銀行格付けに影響する理由

銀行は企業の「将来返済能力」を見ています。決算書はあくまで過去の結果。そこで問われるのが管理会計です。

  • 部門別・工事別損益を管理 → 赤字案件を排除できる経営体制を証明
  • キャッシュフロー予測 → 返済能力を数値で説明できる
  • KPI管理 → 経営のモニタリング能力を評価

銀行は「計画的に経営されている会社」かどうかを重視します。管理会計はその証明ツールとなり、結果的に格付けが改善されるのです。

管理会計導入で格付けがどう変わるのか?

① 融資条件の改善

格付けが1ランク上がるだけで、金利は0.5〜1.0%下がるケースがあります。
例えば5億円の融資で金利1%が下がれば、年間500万円のコスト削減となります。

② 融資枠の拡大

銀行は「見える化された数字」に基づく計画を信頼します。管理会計を導入し、利益計画や資金計画を示すことで、融資枠が広がりやすくなります。

③ 取引銀行からの信頼向上

銀行担当者にとって「数字で説明できる経営者」は安心感があります。管理会計による透明性は、銀行との交渉力を高める武器になるのです。

事例:格付け改善で融資条件が変わったC社

C社は年商20億円の建設会社。管理会計導入前は赤字工事が頻発し、格付けは低く融資金利も高止まりしていました。
導入後は工事別損益を徹底管理し、粗利率が7%→11%に改善。キャッシュフロー予測資料を銀行に提示したことで、格付けが1ランク改善し、金利が0.8%低下しました。
結果として年間1,600万円の利息負担軽減に成功しました。

銀行格付けを高める管理会計導入ステップ

  1. 工事別・部門別損益を把握する仕組みを導入
  2. キャッシュフロー予測を作成
  3. 利益計画・資金計画を経営会議で運用
  4. 銀行に「経営資料」として提示

これにより、銀行は「計画性ある経営」と評価し、格付け改善につながります。

無料相談のご案内

関連記事