現場監督の一言”で資金が狂う?指示・報告体制の整備法 10
2025年9月23日
現場監督の一言”で資金が狂う?指示・報告体制の整備法
口頭指示・報告遅延・証憑不足が、手戻り・追加未請求・入金遅延を招く。資金に直結する「指示・報告」の標準化と即時化を仕組みで回す実務ガイド。
1. はじめに:なぜ“一言”が資金を狂わせるのか
現場監督の一言が、仕様・工程・手配を変え、結果として原価・工期・請求タイミングを動かします。曖昧な指示/遅い報告/証拠不備は、手戻り→延長→追加未請求→入金遅延という負の連鎖を生み、資金繰りを直接悪化させます。
手戻り率
指示の曖昧さが主因
指示の曖昧さが主因
追加未請求額
承認書不備で発生
承認書不備で発生
請求遅延日数
報告の遅れ=発行の遅れ
報告の遅れ=発行の遅れ
2. よくある資金悪化パターン(事例)
事例A:口頭での仕様変更 → 無償対応に
「ここ、少し伸ばして」—承認書なしで材料・人工が増加。見積変更も追加契約もなく粗利が蒸発。
事例B:週1報告 → 当月請求を逃す
出来高報告が翌週まとめて。当月の請求締切に間に合わず翌月繰越、資金ショート寸前に。
事例C:写真・図面が散逸 → 差戻し連発
証憑がメール・チャット・私物スマホに分散。検収差戻し→再発行→入金遅延。
3. 指示の標準化:5W2H+証拠+番号
- 5W2H:「誰に・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように・いくらで」を必ず明記。
- 証拠添付:写真/スケッチ/図面No.を必ず添付(撮影日時が残るもの)。
- 指示番号:
YYMMDD-現場名-通番
を自動採番。日報・出来高と連動。 - テンプレ化:チャット定型やフォームで入力漏れを防止。
口頭はOK。ただし「記録が残る形」で即テキスト化・証拠添付・番号採番が必須。
4. 報告の即時化:当日入力・写真必須・可視化
- 当日締め:出来高・追加・不具合は当日17時までにモバイル入力。
- 写真必須:Before/After と尺度が分かる1枚を必ず添付。
- ダッシュボード:未承認・未請求・差戻しを色分け表示。管理職と経理が毎朝確認。
- 回覧ルール:指示→実施→報告→承認→請求起票の流れをアプリで一気通貫。
5. 資金に直結するKPI設計
- 追加工事請求漏れ率(目標0%)
- 出来高即日報告率(目標100%)
- 承認書添付率(目標100%)
- 請求書発行遅延日数(目標0日)
KPIは「毎週の朝会」で共有。未達は原因を1つだけ特定し、翌週の運用に反映。
6. 90日実装ロードマップ
0〜2週:設計
- 指示テンプレ/番号ルールの決定、追加工事の承認フロー定義
- 写真保存先・フォルダ命名規則の統一(現場名/日付/工程)
3〜6週:試行
- 2〜3現場でテスト、KPI計測を開始
- 差戻しケースを収集し、テンプレの項目を微修正
7〜10週:定着
- 全現場へ展開。未報告アラート・承認リマインドを自動化
11〜13週:改善
- KPI未達のボトルネックを1つずつ是正(例:承認者の不在対策=代理承認)
7. そのまま使えるテンプレ文言
指示テンプレ:
【指示No】2025-08-12-〇〇現場-003
【内容】○○範囲を□□仕様へ変更。
【目的】△△の品質確保のため。
【場所】◇◇階 西面。
【期限】8/16 17:00。
【方法】□□手順。
【費用】材料+人工で概算◯◯円。
【証拠】図面No.A-12/写真3枚添付。
追加工事承認フロー(例):
現場監督起案 → 写真添付 → 見積作成 → 施主/元請承認 → 承認書PDF保存 → 請求起票。
8. チェックリスト
- 指示は5W2H+証拠+番号で記録し直している
- 出来高・追加は当日入力し、写真を添付している
- 承認書PDFは共有フォルダの規則どおり保存している
- 未請求・差戻しのダッシュボードを毎朝確認している
- KPIは週次でレビューし、未達の対策を翌週に反映している
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