建設業が数字で組織を強くする「KPI連動型経営」の実践法
2025年11月7日
建設業が数字で組織を強くする「KPI連動型経営」の実践法
“感覚経営”から脱却し、“数字で動く組織”へ。
建設業においてKPI(重要業績評価指標)を現場と経営に結びつけることで、利益・稼働・資金をすべて見える化する仕組みを解説します。
1. KPI経営とは何か ―「管理会計」の次のステージ
管理会計が「数字を作る仕組み」だとすれば、KPI経営は「数字で人を動かす仕組み」です。建設業では特に、現場単位での成果や効率を“数字”で可視化し、それを評価と行動にリンクさせることが重要です。
KPI経営とは、「数字を通して経営と現場を接続する」こと。
2. 建設業における主要KPIの3階層
| 階層 | KPI例 | 目的 |
|---|---|---|
| 経営KPI | 営業利益率・粗利率・受注単価 | 企業の体力を測る |
| 部門KPI | リード数・商談化率・原価率 | 部門の成果を可視化 |
| 現場KPI | 稼働率・工期遵守率・安全指標 | 日常業務の改善 |
3. KPIを“連動”させる ― 現場と経営をつなぐ仕組み
KPIは単体で見るのではなく、「構造」で見ることが重要です。 たとえば、受注単価を上げるためには「商談化率」「提案単価」「原価率」といった複数のKPIが連動します。
「KPIは数字の集計ではなく、組織構造を映す鏡である。」
- KPIツリーを設計し、上位目標から逆算する
- 全社員が自分のKPIを理解し、行動と成果を結びつける
- 週次ミーティングで「数字の対話」を習慣化
4. KPI経営の導入手順(4ステップ)
- 現状把握: 現場の数字(粗利・工数・案件別原価)を整理
- 設計: 経営目標→部門目標→個人KPIの連動図を作成
- 可視化: ダッシュボード・スプレッドシートで週次管理
- 運用: 定例会議でKPIの進捗を共有し、改善点を即反映
KPI経営は「1回作って終わり」ではなく、「毎週更新する習慣」が成果を生む。
5. 実践企業の成果事例
| 企業 | 導入前 | 導入後(6か月) |
|---|---|---|
| 有技株式会社 | 粗利率 18% | 25%(+7pt改善) |
| リベルタ機工 | 受注単価 320万円 | 410万円(+90万円UP) |
| mix-pro | 稼働率 68% | 83%(+15pt改善) |
6. KPI経営導入に必要なツールとサポート
- KPIダッシュボード: Googleスプレッドシートでリアルタイム可視化
- 月次レビュー: KPI進捗を会議で確認し、戦略修正
- 専門コンサル伴走: 数値の構造設計と運用まで支援