実行予算と資金調達の整合性|現場と経営をつなぐ数字感覚 3
2025年9月15日
実行予算と資金調達の整合性|現場と経営をつなぐ数字感覚
こんにちは。エスエスコンサルティング株式会社の鈴木進一です。
建設業の資金繰り悪化の原因として見落とされがちなのが、「実行予算」と「資金調達」の整合性の欠如です。
現場が立てた実行予算に対し、経営がそれをカバーする調達計画や資金繰りを組めていなければ、入金より支払いが先行する“資金ギャップ”が発生します。
この記事では、「現場で考える予算」と「経営が担う資金管理」をどう結びつけるかを、実務視点で解説します。
1. 実行予算とは何か?
実行予算とは、受注した工事案件に対して、原価・人件費・外注費・材料費・利益などを現場単位で見積もった“実際に使う予算”のことです。
企業の財務計画とは異なり、現場責任者が現場目線でコストを算出する点が特徴です。
よくある内訳は以下のようになります:
- ・材料費(部材、資材)
- ・外注費(職人・下請け)
- ・重機・機材リース費用
- ・現場管理費(交通費、通信費、雑費)
- ・予備費
2. 実行予算と資金調達が“ズレる”原因
現場が実行予算を組んでも、以下のような要因で資金調達と連動していないケースが多く見受けられます。
- ① 現場と経理の情報が連携していない
「この予算で動く」と現場が決めても、経理が内容を把握していない。 - ② 銀行交渉に実行予算が使われていない
資金調達時に“現場の収支設計”が活かされていない。 - ③ 実行予算が「利益率」だけに偏っている
資金繰りに必要な「タイミング」が見落とされている。
3. 「整合性」を保つための3ステップ
実行予算と資金調達の整合性を保つには、以下の3つのアプローチが有効です。
- ① 実行予算を財務部門と“共有”する文化づくり
現場と経理が「予算」を共通言語にする体制をつくる。 - ② 資金繰り表に実行予算を反映する
入金・支出のタイミングを加味して、キャッシュフローに落とし込む。 - ③ 融資や補助金申請の根拠資料として活用する
金融機関に対し、実行予算を“実務に基づく収支計画”として提示。
4. 資金調達の視点で見た「実行予算チェックリスト」
以下の項目が、資金調達と実行予算の整合チェックのポイントです。
- □ 支払時期(材料発注/職人支払い)は把握できているか?
- □ 中間金・前受金の有無は予算に反映されているか?
- □ 実行予算の利益率は“現金化”できる構造になっているか?
- □ 粗利→キャッシュフローへの流れを理解しているか?
5. 実行予算と資金調達をつなぐ経営支援とは?
エスエスコンサルティングでは、建設業に特化した「現場と財務をつなぐ支援」を行っています。
・現場目線の実行予算を経営判断に活かしたい方
・資金調達と資金繰りのズレをなくしたい方
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